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【星幽塔】第五階層 福音の王国と揺れる天秤
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【潜入】
森に隔たれた向こうで結界が失われたことなど露とも知らず、街は未だ、明るい喧噪に包まれている。そもそも結界は、聖なる森に阻まれ街からは垣間見えないにも関わらず、国民は見たことも無い光の壁の存在、その真偽すら疑おうともしないようだった。
「ちっくしょー。あの聖騎士、邪魔だなぁ……!」
法王国の街並みを四方に貫く大きな街道から、少し奥へと入った脇道にて。物陰に隠れて、
卯木 衛
は歯噛みする。
「少しでも気が反れたら、乗り込めそうなんですが……」
これから決行しようという作戦を思えば、
御巫 時子
の口調はおっとりとして緊張感に乏しくも見えるが、こんな時は返って頼もしいものだ……何しろこれから、彼らは視線の向こう、脇道に一時止められた馬車へ、こっそり忍び込もうとしているのだ。
馬車は聖なる森の方角からやってきて、聖水酒醸造所へ向かうようだ。聖水酒の原材料となる、何かを運んでいるのだろう。
馬車を駆る聖騎士は、道端でしばしの休憩中であるらしい。鎧の腰に吊るした革袋から、聖水酒の小瓶を取り出して口に含み、ほうっ……と緩んだ表情を浮かべている。
衛と時子の隣からそっと顔を覗かせた
ロベルト・エメリヤノフ
が、魔土の光を宿した手袋をはめた手をすっと掲げ、
「それじゃ、僕が石礫でも飛ばして気を反らして、その隙に乗り込もうか……って、千歳飴?」
ふと気づくと、
千歳飴 楓子
は壁を背にして、あちらの聖騎士と同じようなお手頃サイズの小瓶を手に、くぴくぴと聖水酒をあおっていた。
「楓くん、まだ飲んでたのか……」
「いやいや、衛氏。これがなかなか、クセになる味わいというか。止め時が分からないというか。いや決して、酒に溺れているわけではないぞ?」
別段酔っている風では無いものの、楓子の手は止まらない。
「そういえばさっき、聖水酒を飲むのをやめたらどうなる? って街の人に聞いたら、そもそもそんなことする人はいないって、鼻で笑われたね。やっぱりこの酒、相当な依存性があるのかなぁ」
「悪いものでなければ、良いのですが……あら」
心配そうに眉を寄せたロベルトと時子が馬車へ目を戻すと、
「あれは……天吏さん……?」
道の向こうからやってきたのは、
大天使 天吏
だった。
大荷物の天吏は、その中から菓子の包みのようなものを取り出すと、休憩中の聖騎士へ愛想よく話しかけ、何やら談笑し始めた。どうやら甘いものでも手土産に、情報を引き出そうというつもりであるらしい。おかげで聖騎士の意識は今、完全に天吏へ向いている。
「……今だ!」
天吏の思惑はさておいても、これはチャンスだ。足音を殺して駆け出した衛に続き、ロベルト、時子、楓子も素早く馬車へと駆け寄り、大瓶がいくつも積まれた荷台へ乗り込む。さして広くも無い荷台は、三人が乗った時点で一杯になってしまったが、そこは時子が気を利かせて、
チチチチ!
可愛らしい雀へと姿を変えると、ちょうど楓子が腰を落ち着けるスペースができた。後はこのまま待っていれば、醸造所の敷地へ入り込むことができるだろう。彼らは息を潜める。
衛が荷台を見回すと、並ぶ大瓶はいずれもがっちりと蓋が閉じられて、ご丁寧に蝋で封までしてあり、こっそりと開けてみるのは難しそうだ。瓶を少しばかり揺らしてみると、中で液体がとぷんと重たげな音を立てた。
「これが、聖水酒の原材料ってやつなんだよな。ちょっと味見、と思ったけど……開けたらまずいよな?」
仲間たちは、こくりとうなずく……楓子などはかなり興味深げではあったが、少なくとも、今はやめておいたほうが良さそうだ。それに醸造所へ忍び込むことができれば、蓋の開いた瓶を覗き見ることもできるだろう。
人を欺くのは、幸い得意なほうだと言えた。見目麗しい美貌や、また完璧な演技による天吏の話術は、瞬く間に聖騎士の興味を惹いたようだった。
「私の国では、成年に満たない子供が酒を嗜むことは許されないのです……この国では、誰もが自由に聖水酒を楽しむことができるのですね。私、とても興味が湧いてしまって」
「それはまた、堅苦しいことだなぁ。そら、君も飲むかね?」
「後で、ゆっくりといただきますので。お菓子をもう一つ、いかがですか?」
「ああ、これは、すまないね。ありがとう、いただくよ」
聖騎士は誠実そうな中年の男で、天吏の背負う六分儀に少しばかり怪訝そうな目を向けたものの、甘味を手土産に少しばかり媚びを売ってやれば、すぐにも警戒を解いたようだ。ただでさえ平和で平穏、争い事など皆無に等しい国であり、いかめしい鎧を身に着けている割に、男はどうにも不用心に過ぎる。これで国を守る騎士の役割を果たせるのだろうかと思うものの、ともかく今は好都合だ。
天吏は少しばかり、踏み込んだ申し出を述べてみた。
「聖水酒の原料を、醸造所に運んでいらっしゃるということでしたね。これだけ飲まれているのですから、醸造所でのお仕事は、きっと大変なのでしょうね」
「ああ、そうだろうね」
「旅人として、このような素晴らしいお酒に出会えたことを、嬉しく思います。できれば、職人の方々にお礼を述べられたらと思うのですが……醸造所の見学など、させていただくわけにはいきませんか?」
「な、何だって? いや、それは……ああ、うん。きっと彼らは喜ぶだろうがね。それは難しいな……醸造所には、関係者以外立ち入ることができないんだよ」
「そこを何とか、お願いできませんか……?」
あわよくば正面から、堂々と醸造所へ入り込めないかと考えていた天吏だが、聖騎士の反応を見るに、どうやら難しそうだ。
さて、どうしたものか……と、しばし思案する。
「……?」
ふと目線を地面へと落としたところで、天吏はそれに気が付いた。
「……聖騎士さま。あなたはいつもこの道を通り、醸造所へ通っているのでしょうか?」
「ん? ああ、そうだね。聖水酒の原材料たる朝露を運んで……おっと、これはいかん! ずいぶんと長話をしてしまったよ。荷物を運んでしまわなければね」
聖騎士は天吏へ、人の好さそうな顔でにこりと微笑むと、
「差し入れをありがとう、旅人さん。この国と聖水酒の味わいを、ぜひともゆっくり楽しんでいってくれ。それではね」
馬たちへ鞭を入れ、馬車を動かし去っていった。
後ろの荷台には衛やロベルト、楓子が乗っているのが見えたものの、天吏の興味は今、地面の上にあった。
道を隙間なく埋めているのは、良く磨かれて美しい大理石のような石畳だが、よく見るとかすかに、轍の跡がうっすらと見て取れる。あの聖騎士が言っていたように、馬車はいつもこの道を通って醸造所へと向かうのだろう。その痕跡が確かに、そこには残されている。
では……一体馬車は、どこからやってくるのだろうか?
「……この道をたどれば」
醸造所の内部にも興味はあったが、天吏の最終的な目的は元より、原料の出所を探ることにあった。採集の現場を押さえることができれば、聖水酒の真の正体へ近づくこともできるだろう。
天吏は大荷物と大きな六分儀を背負い直すと、山歩きで鍛えた健脚で、真っ直ぐに歩き始めた。向かう先には、聖なる森の樹々がそびえている。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
冒険
バトル
ゲーム
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年09月25日
参加申し込みの期限
2016年10月02日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年10月02日 11時00分
参加キャラクター一覧
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