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【星幽塔】第五階層 福音の王国と揺れる天秤
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【結界消失】
「いやはや、あれがスカルドラゴンかい。おっかないねぇ」
骨削 瓢
が身を隠した大きな木の根の上を、こぽこぽと泡立つ音が通り過ぎていく。くううおおお、とうめきのような声も。骨格に纏う粘液を幾つも伸ばし、手足の代わりに樹々の合間を伝い、竜は移動していく。目の前に粘液の触手が突き立った時、瓢はその周囲に咲いた花や草が見る間に萎れ、腐れていくのを目撃した。
スカルドラゴンが通り過ぎてどこかへ行ってしまうと、瓢は絡み合う木の根の間から抜け出し、
「ま、あれと遭遇できたのは幸運だった。おかげでこいつが手に入ったよぃ」
こぽ、と手にした小瓶の中で、黒い粘液が揺れる。先ほど、即座に逃走へ転じながらも瓢は、抜け目なく、スカルドラゴンの残した粘液の痕跡を採取していた。思うところあり、彼はそれを聖水酒の醸造所へ持ち込み、自身の考えを確かめるつもりだった。
彼とて星幽塔を駆け上り、今はあの竜が飲みこんでいるというオーブへと火を灯し、次なる階層へ進むことに異論は無い。他の多くの戦士たちと、目的は一致している……その上で、瓢は瓢である。目的へ到達するまでの過程、手段においては、いつものごとく混沌を求めることに躊躇は無かった。
よって彼には、この場にあってもう一つ、重要な探し物があった。
「しかし、ふうむ? あっしの予想じゃあ、聖竜の座か、その近くにあると思うんだがねぇ……」
『…………キヒヒ! こっちコッチ。コッチヨォ』
樹々の合間。聖竜の座から程近いところ。見ると少女のような形をした奇妙な黒い影が、瓢を手招きしている。
「……話に聞く、黒影ってやつかねぇ。あっしに何か用かい?」
『探してるんでショウ? アレ! け・っ・か・い♪』
結界。そう、結界だ。瓢が探すのはまさしく、それだった。
星の光を宿した右目を細め、口元へ歪みのような笑みを浮かべつつ、
「へぇぇ、この森を守る結界とやらを作り出してるモノが、そっちに? そいつはちょいと、おかしいねぇ。結界ってな、聖竜が作り出してるんだろう? 聖竜の座には、なぁーんもいなかったんだがね」
『ああ、ええ。この国のおエラい方々は、そうセツメイしてるみたいだけどネェ。そんなのぜーんぜん、うそっぱち! ホントウは、コッチにあるのヨォ……キヒヒっ』
警戒は当然ありながら、瓢は導きに従う。彼が愛するものは、ひとえに混沌であり混乱であるからだ。あの影がまさしくそれをもたらす存在であることを、彼は直観的に悟ったのかもしれない。
『こっち、コッチ! コッチヨォ』
踊るように、跳ねるように先を行く黒影の後をついていくと、やがて見えてきたのは、巨樹のうろが形作る、ちょっとした祠のような場所だった。ぽっかりと開いた暗い穴の奥から、何か、まばゆい光が放たれているのが見える。
「ほっほう? あれが、結界を作ってるのかい」
『そうそう。さっ! コワシて?』
見透かしたように、黒影は言う。
そう。瓢はそれをこそ、望んでいる。確かに。
リブラス法王国、平和で平穏なこの国は彼にとって、退屈の極みだ。そんなものは実につまらないと、彼は断ずる……それを彼が、壊すのだ。ひどく平坦で吐き気を催すこの国の日常へ、彼が彩りを加えて差し上げるのだ。これほどに面白いことが、他にあろうか?
「確かにね、あっしはそうするつもりだよぃ。だが、場所まで教えておきながら、なんでおたくがやらないんだい? おたくもそれを望んでるんだろう」
『そう、そのトオリ。キヒッ! アタシとアンタは、共犯者というわけ……ナカヨクやっていけそうじゃナァイ? でもネェ、アタシはしょせん、影。影には、アレの光はツヨすぎる。アタシにはコワせない』
「そこであっしの出番……ってぇわけかい」
言うだけ言って、黒影は笑い声を樹々の合間に響かせながら、するりと消えてしまった。
肩をすくめ、祠へと足を踏み込む。
「……アゴで使われてるみたいで、少々、気に食わないがねぇ……」
灯りも無いはずの洞の中で、目も眩むほどの光を発しているのは、台座の上に鎮座している、美麗な装飾の施された、重厚な金属製の天秤だった。
「この国に、素晴らしき混沌をもたらそう。キヒヒ! ってねぇ」
迷い無く、彼はそれを粉砕した。
高空を、翼持つ四頭の生き物たちが飛んでいる。
頭上には重なり合ってささやくように擦れ合う、巨大な枝葉が織物のように屋根を形作っている。騎士の光は彼らを森の上層まで運んだが、それでも頂点へはまだまだ至らないほどに、立ち並ぶ樹々は巨大だ。
「ん~~~」
まるで良く磨かれた鋼のような、艶やかな黒銀の竜の背にまたがり、
服部 剛
は双眼鏡を覗き込む。
「ところどころ、樹が枯れて変色しとるとこがあんな。けど、どことは特定でけへんなぁ」
「だが、大よその位置や、移動先を推測することはできる。近いぞ」
同じく双眼鏡を片手に、
シグレ・ナイトウォーカー
はまたがる天馬の首を撫でてやる。美しく従順なペガサスは、何も言わずとも彼の思う通りに飛んでくれた。
「骨格が粘液を覆って形を成してるんだったな、骨竜は。そんなナリだと五感より、生き物の生命力などを感知して識別していると見た。注意したほうが良いな」
「っちゅーと、後ろにも目があるようなもんやな? 厄介やなぁ」
ばさりと翼を打ち、二頭の横へ、雄々しいグリフォンが並ぶ。マフラーを向かい風にたなびかせてそれを駆るのは、
神嶋 征一郎
。彼は肩口に乗った粘土細工、
呉井 陽太
から借り受けた
ドリー氏
の反応を確かめながらも、思案顔で、
「……そもそもなぜ、それほど巨大な魔物やあの黒い影が、やすやすと森に入り込めた? 結界があるんだろ」
ついと目で示した先には、広大な法王国の領地の西端、聖なる森の終わりがある。そして、ちょうど国外とその境目を示すように、うっすらとエメラルドグリーンがかった、光の壁のようなものが樹々を取り囲んでいるのが見えた。
征一郎の言葉通り、結界は一見して強力だ……こうしてはっきりと、目に見えるほどに。魔物か、あるいは何者かがそれをこじ開けて侵入するなどということが、考えられるのだろうか? あるいはどこかに、綻びでもあったのだろうか?
「あるいは、だ」
「ん、何や?」
首を傾げた剛へ、征一郎はもう一つ、不穏な推論を口にする。
「誰かが敵を、結界の中に招き入れた……か?」
「……そんなことができる者は、自然と限られてくるだろうな」
言葉を挟んだ
八神 修
が駆るのは、小さな炎竜だ。その背には
常闇 月
、
椿 美咲紀
も同乗しており、同じく森の中へと視線を巡らせている。
「限られるって、どういうことですシュー君?」
尋ねた美咲紀は、広大な森の構造を大まかに紙へ写し取り、マッピングしている。樹々の変色した場所をこうして把握しておけば、捜索も容易になるだろう。さらに彼女は並行して、地上を進む仲間たちのため、交戦に適した場所も探している。
「結界を作り出しているのが、果たして本当に聖竜なのか……まぁ、それはひとまず置いておこう。ともかく、もし結界を操作してスカルドラゴン、あるいは影たちを引き入れることができた者がいるとしたら、それは間違いなく、法王国の内部の人間だろうな……」
「……八神さん!」
修の後ろ、彼の腰にしがみつく形で炎竜に乗っている月が、不意に鋭く叫んだ。
「見て下さい、あれ」
彼女が指差す先へ、修や彼らが視線を向ければ、言わんとしていることはすぐに知れた。
折しもその瞬間は、瓢が影に導かれてたどりついた祠の中で、結界の礎たる天秤を破壊したのと同時刻。すう……と、法王国を囲む光の壁が色を失い、消えていくのが見えた。
彼らは一瞬あっけに取られたものの、シグレがすぐに我を取り戻し、
「……誰か、下の連中に連絡を。結界が消えたと、あの聖騎士に知らせるべきだ」
「わ、私が伝えるのです!」
美咲紀が白い翼の装飾を施したワンドを掲げ、魔風の光で巻き起こした突風へ声を乗せ、運ぶ。あくまで風の届く範囲、あまり繊細な情報伝達手段としては使えないが、一言告げるだけなら事足りるだろう。
剛は眉をしかめ、
「何や、けったいなことになってきたなぁ……」
「…………見ろ」
と。征一郎が、腐食した樹々の合間を指差す。
樹々を揺らしながら移動する、巨大な影。想像以上の巨躯を誇るスカルドラゴンが、悠々と森を進むのが目に入った。
「見つけた。逃がしはしねぇ」
するりと散弾銃を引き抜き、巨体を冷めた瞳で見下ろしながら、に、と彼は笑った。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
冒険
バトル
ゲーム
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年09月25日
参加申し込みの期限
2016年10月02日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年10月02日 11時00分
参加キャラクター一覧
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