this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
冥界行き魔行列車の旅
<< もどる
1
…
11
12
13
14
15
【生者の世界】
かたん、かたん。かたん、かたん。コープスパレスを発車し、魔行列車の道行きも半分を越え、あとはそれぞれの世界へと乗客たちを帰すのみです。
「どうにか、誰も死神に連れていかれずに済んだみたいだね。良かったよ」
「でも、少し物足りなかったわね。君もそう思うでしょ?」
「……少し、ね」
サキリ・デイジーカッター
は指先で弄んでいた小振りのナイフをホルダーへと収めると、悪戯っぽくそんな風に言った
尾鎌 蛇那伊
へ、少しだけバツの悪い笑みを返します。ニヤリと笑う親友の顔が浮かぶと、大っぴらには同意しにくいものがありました……蛇那伊はそんな彼をよそに、それでも未知の敵を相手に演じた立ち回りには、それなりの満足を得ることができたようです。
「い、いや、だから俺は大したことはしてねぇって……参ったな、もう」
乗客たちを1個所に集めるというアイディアの発案者たる
新田 亮
は、真っ直ぐな感謝の言葉を浴びるほどに受けて、照れくさそうに頭をかいています。
その隣では、結界を展開するろっこんで乗客たちの守備に多大なる貢献をした、
須崎 蒼志
もまた感謝の雨にさらされていたものの、彼の脳内にはいつものように、
(腹減ったな……早く食堂車に行って、何か食いたいな)
「……とか、思ってそうだよねぃ」
蒼志を眺めて言った
呉井 陽太
は、苦笑い。ハラペコ系後輩の考えていることは、先輩にはお見通しであったようです。
蒼志の救い主は、うむっ、とうなずいた
榊 彩斗
。
「頑張って、よーたを守ってたからな……俺が、好きなものを、おごってやろう……」
「あー、それは……うん。程々にしとくと良いよ、あやとー」
後輩の大食漢ぶりを知っている陽太は、うんうん、と力強くうなずく彩斗のおサイフの中身がからっけつにならないよう、祈るばかりです。
月居 歩
はぼんやりとして、流れていく銀色の空を眺めています。
良く分からないままに放り込まれたこの列車の旅には、思うところがいくつもありました。母のこと。守ると誓った、彼女のこと。そのために前を向き、立ち向かったこと。
「無駄じゃあ、無かった……か」
「よう、お疲れ! 上手く行って良かったぜ」
声をかけた
御剣 刀
とは、今日の立ち回りの中で、幾度か共闘する形ともなりました。
「それにしても、冥王と話せなかったのが残念だったなぁ」
「……お前、そんなこと考えてたのか」
「ああ! あんな美人だし、せっかくだから、ぜひお近づきになっておきたかったんだが」
聞くと、同じように冥王と接触を図ろうとした勇気ある生者は彼だけではないそうで、歩は少しばかり呆れ顔を浮かべます。
「まぁ、そう悲観することもないさ」
澄まして言ったのは通りがかり、
八神 修
。
「何が起こるか分からないのが、寝子島だ。きっとまた、こうして冥界を訪れる機会はあるさ。俺はそんな気がするんだ」
「そうなのです! 次はゼッタイ、お話するのですっ」
椿 美咲紀
もそこへ乗っかり、刀もまたうなずいて、
「そうだな、それでまた、あの歌と舞も堪能したいもんだ。な?」
そう促されて、歩はあらためて、思います。
きっとこの列車の旅は、無駄ではなかったのだろうと。
「……ああ。そうだな。それも悪くねぇ」
「それにしても、本当に見えるんだから。あたし驚いちゃったよー!」
語る
入江 みつび
の声は、冥界を走る列車にあっても、周囲を明るくしてくれます。亡き両親を窓の外に垣間見て、その愛情へ一瞬ながら触れた後とあっては、その口振りはますます上り調子です。
「記憶なんて曖昧だったのに、あんなにはっきり……ちゃーんと、そうだって分かるんだもん」
「ああ。そうだね……不思議な体験だった」
みつびに微笑みながら、
鴻上 彰尋
は、手の中の扇子を見下ろします。彰尋がそれを広げている様を見て、ニヤリと笑った祖父の顔には、何だかスッとして、胸のつかえが取れたような気がします。
くすん、と鼻を鳴らす音に、ふたりが見ると、
深倉 理紗子
はいまだ涙が止まらず……けれどその顔は、泣き笑い。
「大丈夫ですか?」
「ええ……大丈夫。今は少し、気分が良いの」
彰尋の気づかいに、理紗子はハンカチで目元からこぼれた雫を拭い、微笑を返します。弱虫の泣き虫だって、いつまでも泣いてばかりはいられません。見守ってくれている人が、理紗子にはいるのです。
「……みんな、こぞってこの列車に乗りたがるんだって……分かる気がするわね。あの一瞬には、それだけの価値がある。今ならそう思うわ」
半ば独白のように漏れ聞こえた理紗子の言葉には、みつびや彰尋にとってもまた、異論は無かったことでしょう。
お札をぺりりと剥がして、
火焔 燐
はにっこり。
「気分はどうかしらん、先生? その傷はそのうち消えちゃうから、安心してねん」
「もう大丈夫よ、ありがとう」
列車が冥界の中心から離れつつあること、また燐の心霊的応急処置のたまものもあってか、
樋口 弥生
先生の顔色はすっかり戻り、胸の蒼い傷もずいぶんと小さくなりました。
「なかなか肝が冷えたでござるよ、先生」
夏神 零
も安心したように、そう言いました。師匠である燐に大丈夫とは伝えられていたものの、日頃世話になっている学生の身分だけあって、心配していたのです。
「大事が無くて良かった。みなが協力して臨んだ結果じゃな」
「ええ、本当にありがとう……助かったわ。何だかずうっと、頭に霧がかかってたみたい。動くこともできなくて……ただ、あの銀色の空が、すごく魅力的に見えて。自分が自分じゃなくなったみたいだったわ」
弥生先生は、自分を助けてくれたという面々を眺めて、
「苦しかったけど……でもずうっと、あなたたちの声が聞こえていたからね。戻ってこれたのは、きっとそのおかげよ」
「ボクの声、ちゃんと聞こえてたんだ。良かったー」
常にかたわらへと寄り添い、言葉をかけ続けていたのは
桜庭 円
です。彼女がいなかったなら、先生は今ごろ死者たちの群れの中、その仲間入りを果たしていたかもしれないのです。
「で……会えたかい?」
そっけなく、短く。
獅子島 市子
は腰かけず、ボックスシートの背もたれに寄りかかったまま、ぽつりと尋ねました。市子は、弥生がそこまで強く冥界へ惹かれてしまったのには、死神の大鎌によって負った傷のためだけではない、と考えています。
縁の深い故人が、窓の外、一瞬だけ。
(誰にだっている、二度と会えない誰か。想いが強ければ強いほどに、彼岸へと近づく……)
「……そう、ね。確かに、そんな人は私にも、何人かいるけれど」
弥生は首を振り、
「さっきまでの私は、きっと死者に近かったのね。そんな暇はなかったわね、残念だけど」
「…………そっか」
儚げに答えた弥生に、市子はやっぱりそっけなくそう言って、円は黙ったまま、手のひらを先生の手の甲へと重ねました。
「あなたは?」
不意に問われて、市子は、考えるフリ。
あくまでフリです。返す言葉は、決まっています。
「さーね」
かたん、かたん。かたん……かたん。しばらく冥界を走り抜けた後、車輪がきいと音を上げ、停車したのは彼らが最初に降り立った、まばらな雑木林の真ん中、無人の駅でした。
「ああ。ここで下車ですか」
席を立ったふたりの悪魔へ、
日向 透
が向けたのは、決していつもの作り笑いというわけではありません。彼らとの束の間の旅は、透にとっても決して、悪いものでは無かったのです。
「楽しかったですよ、ペッテン・シーさん。カンシャックさんも」
「ええ、ええ、こちらこそ。私は、悪魔のくせにと良く言われますが、人間と触れ合うことが好きでしてな。ギャンブルで魂を巻き上げるのも好きですが……ヒョッヒョ! ご一緒できて良かったですよ」
悪手を交わした透とペッテン・シー。かたわらのカンシャックは、何となくバツが悪そうに、ふん、とそっぽを向いてしまったものの。ぽんっ、とその肩に手を添えたのは
綾辻 綾花
に、
屋敷野 梢
です。
「今日は、ありがとうございました。死神さんから守ってくれて、助かりました」
「カンシャックさん、良いとこもあるじゃないですかー。楽しかったですよー、また一緒に旅をしましょーね!」
そんな風に言われると、カンシャックはますますぎぎぎと首を巡らせそっぽを向いて、歯に何か詰まってしまったかのように言いづらそうに、
「……はン。まァ、そん時ゃよ。まるで知らねェ仲ってわけじゃねェ……少しゃァ、よろしくしてやらァ」
やがて、ホームへ降りた悪魔たち。老悪魔は片手を胸に、優雅なお辞儀を。青年悪魔はつまらなさそうなそぶりで手をひらひらと振り……かたん。かたん、かたん。列車は走り出して、窓の外、ふたりの姿は遠ざかっていきました。
それからどれほどの間、列車に揺られていたでしょう。のんびりと雑談を交わしたり、うたた寝をしたり……思い思いに魔行列車の旅を満喫するうち、窓の向こうには真夜中、見慣れた寝子島の夜空が見え始めます。
魔行列車がそしらぬそぶりで、寝子電の路線へ乗り上げた頃。透はふと、先ほどに、悪魔たちと交わしたやり取りを思い出していました。
「悪魔のおふたりでも……死は、怖いのでしょうか?」
冥界。死者が行きつくところ。自分は、死ぬ前に訪れてしまったな……透は思います。自分もいつか、あそこへ行くのだろうか。
死ぬ、とは……どういうことだろうか。
「ふむ。己の死、ですか。あまり考えたことはありませんでしたな。悪魔なら、誰しもそうでしょう」
「俺には怖ェもんなんぞ……そんなに無ェ。だが、ま、死にたいとは思わねェな。つまんねェだろ、終わっちまったらよ」
「あなたは? いかがですかな、日向さん。魔界へ乗り込む気概のあるお方だ、死など恐ろしくはないのでは?」
「……どうでしょうね」
あまり、怖くはないかもしれません。透は、そう答えました。
死を、人は、本能的に恐れるものです。
だとしたら……死を恐れない自分は一体、なんなのだろうか?
「……ふふ。終わってしまったら、つまらない……ですか」
答えはまだ、夜闇の中へと紛れて、見えはしません。
かたん、かたん。かたん、かたん。寝子島駅へと到着するまで、窓際で頬杖をついた透の胸の中には、島の風景や、見知った人々の笑顔や泣き顔がふわり、ふわりと、まるで月明かりに照らし出されるかのように、浮かびあがっては消えていきました。
<< もどる
1
…
11
12
13
14
15
このページにイラストを設定する
あとがき
担当マスター:
墨谷幽
ファンレターはマスターページから!
墨谷幽です。『冥界行き魔行列車の旅』のリアクションをお届けいたします~。
死者の世界と聞くと、何だかこう、ちょっぴりわくわくとしてしまうのは、私のホラー脳のせいでしょうか。
今回は古今東西、いろんな死後の世界のイメージを繋ぎ合わせて、らっかみ!世界における冥界というものを考えてみました。もし本当に死んだ後に何かがあるのなら、それは決して画一的なイメージからなるものではなくて、死んだ人の生前の慣習や地域の風習、宗教ナドナド、様々に細分化されていると思うのですよね。だって、和装の小粋な老人が雅な日本家屋で亡くなったところに、可愛い天使がラッパを吹きながら迎えに来たら、ちょっとどうにも違和感ですし。荘厳な教会のお葬式に、腰みの巻いた地獄の鬼が乱入してきたら、ぽかんとしてしまいますよね。
そんなわけで冥界には、きっとまだまだ色んな風景があるんだと思います。またいつか、そんなところをご紹介する機会があれば良いですね。
冥王さまに話しかける、といったアクションをかけてくださった方が何人かいらっしゃったのですけれど、ガイドには『生者がプラットホームへ自ら降りることはできません』とありましたもので、今回は申し訳なくもご遠慮いただきました。ごめんなさい~!
ただ、冥王さまとはもしかしたらこれっきりではないかもしれませんので、またの機会をお待ちいただければと思います。けっこーお気に入りなので、そのうちまた登場させたいです。
ちなみに彼女の歌は、言葉に意味はあれどあの字面そのものにはあまり意味は無いもので、何を歌っているのかは分からないと思います。死者を歓待する時に歌う歌って、どんなものなんでしょうね。良かったら想像してみてください~。
それでは、今回もご参加いただきまして、まことにありがとうございました!
また次の機会にお目にかかれますことを、心よりお待ちしております~。
お疲れさまでした!
↑ページトップに戻る
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
冥界行き魔行列車の旅
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
ホラー
バトル
オールジャンル
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年09月11日
参加申し込みの期限
2016年09月18日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年09月18日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!