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冥界行き魔行列車の旅
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【冥王】
冥界に見るべきものは数多くあれど、誰もが口を揃えて挙げるのはやはり、銀色の空に照らし出される白亜の宮殿、コープスパレス。
そして訪れた死者たちの魂を鎮め歓待するという、冥王の歌と舞。
「あれが、冥王の宮殿ですか」
薄暗い沼の真ん中といった、申し訳程度の板切れのようなホームへと列車は停車し、
日向 透
は興味深く窓の外を覗き込みます。
「さて、いよいよですな。魔行列車の旅のハイライトといったところですか、ヒョッヒョ」
「けっ、エロジジイが。ま、俺もそれなりに、楽しみにしちゃァいたがよ。それなりに」
「おふたりも、冥王のファンなのですか?」
透が尋ねると、ペッテン・シーとカンシャックはそれぞれに笑みを浮かべて、
「もちろん。あれを見て、虜にならない者などおりますまいな」
「へぇ。なるほど、それは楽しみです」
「俺ァそれなり、それなりだ……おおっと。始まるみてェだぜ」
真っ白な宮殿は階段状に段差が設けられていて、そこにはいくつも、控えめに炎が揺れる燭台が配されています。
やがて円錐のような形の宮殿のふもとから順に、ごうっと燭台が巨大な炎を噴き上げ、空を焦がすような赤はやがて、凍り付くような蒼へと変色し、
「…………あれが、冥王さんですね。綺麗なひと……」
綾辻 綾花
はぽつりと、早くも魅入られたようにつぶやきました。
無数の死神たちにかしずかれながら、ひた、ひたと浅い水辺を歩む、細身の女性。身に纏うのは今にも透けそうな純白の薄布と、全身を這うように絡みつく茨。頭には飾り気のない、とげとげとしたホワイトゴールドの冠を乗せています。
肌は全くと言っていいほどに血色が無く、良く磨いた陶器のような白。生気は感じられず、薄布の袖と裾から伸びた手足は肉が削ぎ落ちて、ぞっとするほどに白い骨……その顔には右目が無く、ぽっかりと昏い穴が深淵を覗かせているだけ。
冥王は紛れもなく死者であり、けれど薄く浮かべた微笑みや、ちろりと淡い碧緑の光を灯す左目、気品ある佇まいには、怜悧で凄絶な美が宿っています。
ぱしゃ、とくるぶしまで白骨化した足を水面へ浸し、冥王は緩慢な仕草で駅へ停車した列車へひととおり視線を巡らせると、すう……口を開きました。
───D Jrreiv Krqt Rkquaea Xanuulv.
こちらへ伸ばした骨の指が手招き、かろん、と鳴る乾いた音。
歌はどこか物悲しく、言葉の意味も発音の仕方も分からないような不思議な響きで、けれど空気にとろけてするりと入り込み、やわらかく耳に残る聴き心地。
Ezpiv Tgyychqt D Axaea. Krqt W Gouriv Wgnuulv.
歌を紡ぎながら、冥王は両手を緩やかに広げ、ぱしゃ、ぱしゃりとステップを。水面へ波も立たないほどにゆっくりと、静謐で。粛々として。ぬるま湯にとっぷりと浸かるような、奇妙な安堵を誘う舞を、冥王は踊ります。
ぷしゅう、と空気音。見ると魔行列車の扉が一斉に開き、蒼い光を帯びた死者たちが、するり、するりと車両を降り、次々に下車していきます。
綾花は思わず、言葉を漏らします。
「……なんだか……切なくなりますね」
D W Qeuriva? W D Grrtlva?
火焔 燐
がほうっと息を吐くと、窓が白く凍り付き、不意に肌をなぞる冷気に少しばかり、身震い。
「へぇ……これが話に聞く、冥王の歓待の儀というわけ。零ちゃん、ちょっと舞で競ってみる? 並んで踊ったら、さぞ美麗でしょうねん」
冗談めかして言うと、
夏神 零
は少し考え込んだ後に、ゆっくりと首を振って、
「……やめておこう。死者と競うのは、少々危険そうじゃ……」
確かにそんな光景は、目を見張るほどに美しいものではあったでしょう……あのホームへ下り立ち、自ら冥界の住人として身を差し出すリスクをさておくのなら。
D Jrreiv Krqt Rkquaea Xanuulv. Hgcorqt Brxea Fgnuulv.
「……歌がスゲーのは、認めてやんよ。それにこんな列車、半分は乗ったヤツの責任さ」
獅子島 市子
は、憮然としています。歌の歌詞をメモしておこうと考えたものの、この響きをどう文字として表したものか分からなかったから……というわけではありません。
「けどもう半分は、死神連中や、テメーらのシゴトがザツなせいだ」
冥王を睨んだ彼女の隣では、徐々に回復の兆しが見えながらもまだ正常な意思を取り戻してはくれない、
樋口 弥生
の姿がありました。
「こんな列車寄越すから……だから、生きてるヤツが血迷うんじゃねーか!」
「ヒョッヒョッヒョ。まあまあ、お嬢さん」
眉を吊り上げた市子へ、老悪魔は涼しげな顔で肩をすくめて見せながら、
「それでもこの列車を求める者は、ことのほか多いのですよ。何しろ私も、そのひとりでしてね。乗車券はいつも売り切れ……気の遠くなるような永い時を、そうして走り続けているのですなぁ、この魔行列車は」
「……ふん。何だっていいさ」
弥生の胸の蒼い傷は、先ほどよりも少しばかり、小さくなったように見えます。それでも、友人の身に降りかかった災難を思うなら、市子は眉を吊り上げずにはいられませんでした。
「今度また、巻き込んでみろ……直で説教食らわしてやんよ」
Xife Ubaqt Clrreiv.Pyyb Rwwldea Atgjnuulv───
「サイン欲しいなー」
弥生先生の手のひらに戻ってきたぬくもりに安堵して、いささか気が抜けたのか、
桜庭 円
がそんなことを言いました。
窓を隔てた向こうには、歌を響かせ舞を舞う、静かな面持ちの冥王の姿。その凄みすら漂う美しさに当てられてか、
御剣 刀
も同意して、
「声をかけてみるか。あんな美人だし、また会えるようにここの駅の定期券とか無いかって、聞いてみたいんだよな」
「うん、そうだね。安定のムッツルギくんだね」
「御剣。御剣」
もっとも彼の心中には、何が起こるか分からない寝子島のこと……再びこの場所を訪れることが無いとは限らず、できることなら備えておきたい、といった思いがあったのも確かです。
そんなふたりのやり取りに、何やらデジカメを操作しつつうなずいたのは、
八神 修
。
「ついでに、死神の管理についてひと言告げておこう。証拠の動画も撮ったしな。こういうことは、きっと世界の理が揺らぐことに繋がる……責任者ってのは大変なものだが、きっちりと管理してもらわないとな」
「そうですね~。歌もダンスも、綺麗ですね~……」
冥界の主という立場に共感を示す修に、隣の席で聞いているやらいないやら、うっとりとしているのは
椿 美咲紀
です。
「冥王さま、人気なんですね。冥界でも外見的評価は重要なのです……あっでもでも! シュー君の言うとおり、死神さんがウッカリ生者さんを連れていきそうになってたことは、報告しておかないとです!」
冥王は列車の扉から、ほんの十メートルほどのところに広がる泉のような水辺に立ち、静かで冷たく美しい歌を響かせています。空はおぼろげながら銀色に輝き、冥界などと言えども、それほど恐ろしい光景には見えません。
「よし! ちょっと行ってくるか」
刀を筆頭に、4人連れ立って席を立ち、開いたままの扉から外へと降り立とうとした……その時に。
「……オーイオイ、てめェら。どこ行こうってンだ、正気か? あ?」
立ち塞がったのは、かの大悪魔、カンシャックでした。
「えーと、ちょっと話してくるだけだよ? ボクたちだって別に、死んじゃった人の仲間入りをするつもりはないし……」
「死神どもや、あの冥王がそう思ってくれりゃァ良いがな」
円の言葉を遮って、悪魔はどこか不機嫌そうに、ふんっと鼻から息を吐き出します。
「一歩でも列車から降りたら、死神の大鎌ごときの比じゃねェ。一発で冥界に惹かれちまうぜ。軟弱なてめェら人間が、そいつに抗えるたァ思えねェな」
「一歩でも……? 冥王さんとは、お話できないのです?」
「だから、言ってンだろ? できるさ、死人になって戻ってくる気がねェってンならな。そのつもりがあンなら、別に俺だって止めやしねェよ……いや別に、てめェらなんぞ止めてやる義理はねェけどな、どーでもいいけど。ああ、せーせーするってもんだぜ」
どうやら彼は、見かねて4人を止めてくれたようです。魔界で拳や武器を交えた相手にしては、どうにも丸くなったものです。あの時に受けた仕打ちが、よほどにこたえたのでしょうか。
修は腕組み、残念そうに眉を寄せて、
「そうか。冥王には直接お目にかかれないか……確かに道理だが、少し悔しいな。動画を見せて直談判したかったんだが」
「どのみち無駄だろうぜ。魔行列車がいつから走ってんだか分からねェが、少なくとも俺の知ってる限り、何千年と変わっちゃいねェんだ。死神連中のウッカリ具合もな。死人と、俺ら生きてるヤツのモノの感じ方ってのァ、ずいぶんと違ェもんだ。死神どものことを訴えたって、冥王は見向きもしねェだろうよ」
冥王は死者であり、生者とは関わりを持たないのが本来の形であるのでしょう。死の世界の理を、生者が理解するのは難しいのかもしれません。
「……けどまァ、それでいいじゃねェか? 遠くからでもよ、この歌と踊りを、こうして楽しめるってンならよ……」
目を細めて壁に寄りかかり、感慨深げに聞き入るカンシャック。その穏やかな表情に、美咲紀はぽんっと手を叩き、
「ファンなのです?」
「るせェ!」
ふと。
「……?」
刀は、ぞくり。寒気を背筋になぞられて、同時に突き刺すような視線を感じ……見ました。
歌と舞を終えた冥王が、微笑みながらにじいっ、と一心にこちらを見つめて、かろん。白骨の指で、彼らを手招きしているのを。
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3人まで
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ホラー
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定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年09月11日
参加申し込みの期限
2016年09月18日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年09月18日 11時00分
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