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冥界行き魔行列車の旅
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【邂逅】
ちらり、ちらちらと、窓の外に瞬く微細な氷片。冷気漂う空に色は乏しく、どこまでも続く儚げな、銀色の空。
かたん、かたん。かたん、かたん。列車は薄ぼんやりとした夕暮れ、あるいは夜明けの落とす影の中を、静かに、滑るように走り抜けていきます。
(……またか)
ずいぶんと、慣れたものだと思います。こんな風に唐突に、いつの間にやらわけの分からないところへ飛ばされる……だなんて、そんなことは今までにも何度もあって。
月居 歩
は窓の外、流れていく寂寥感を誘うような風景に、ただ、ふうとひとつ息を吐いただけ。
冥界。そんな言葉に、さしたる興味を抱くこともなく。耳に届く、見知らぬ乗客たちがぽつり、ぽつりと話す言葉にさえ、歩のどこか霞がかったような思考を晴らすには至りません。
(死んだ人間が見える? ……ふん)
窓の外。列車が通り過ぎる一瞬だけ、見えるのだと。どこかの乗客たちが熱心に、そんなことを語っているのです。
さして興味はありません。ただぼんやりとして、かたん、かたんとかすかに伝わる振動に揺れながら、頬杖を突いて窓の外を見つめているだけ。
自分にもまた、それが訪れるなどとは、まったく思いもせずに。
「…………、!!」
はっとして立ち上がりかけ、その姿をはっきりと確かめようとして……けれど。歩は自身を、椅子の上に止めました。
窓の外。列車が通り過ぎる一瞬、確かに、ちらりと。瞬く氷片の向こう、街灯が照らす路地にぽつんと佇んでいる……母の姿。
微笑んでいるように見えました。ふわりと。聞こえずとも口を開き、何か、語りかけているようにも見えました。歩へと。
もう、自分を責めないで。
(…………)
それが一体、何だと言うのだろう。歩はまぶたを伏せ、小さく首を振ります。
見間違えようもありません。けれど、それが一体何になるのだろう……どうあれ母は、とうに、歩のもとを去ってしまったのです。
歩の目の前で
……それをただ見つめていた、あの時の無力や後悔に再び苛まれることを、きっと彼女自身も、望みはしないでしょう。
それよりは、前を向いて、
(そう……そうだ)
生きて。あがいて、あがいて。
(俺は……
アイツ
のために、できる限り)
記憶の中、風をはらみ銀色の髪が翻り、見つめる青い瞳がきらめいて。ぐ、と奥歯を噛み締めた歩が胸に抱くのは、新しい決意でした。
そう。あんな思いは……もう二度と。
ヒョ、ヒョ、と老悪魔は笑います。
「たとえひと目であっても、もう一度……とね。あなたにも、そんな風に思える誰かがおりますかな?」
「そうですね……」
あの時
と同じように、快活に笑った大悪魔ペッテン・シーへ、
日向 透
もまた笑みを返します。わだかまりは無く、この奇妙な列車の旅における道連れとしては、なかなかに楽しい相手であると言えるかもしれません。
縁の深い故人、と問われてすぐに思い浮かんだのは、父の顔。けれど透はすぐに、それを脳裏から追い出しました。酒におぼれたろくでもない男で、ちらとでも会いたいとは思いません。
会いたいと言うなら、あんな男よりも、
「……母。でしょうかね」
「ほほう? なるほど。人間というものはやはり、離れてもなお、どこかでその温もりを求めてしまうものなのですかな。ヒョヒョヒョ」
透は、苦笑い。
それほどに、良い思い出はありません。酔った父が振るう暴力に耐えかねて、幼い自分を置き去りにして逃げたような、母と言ってもその程度の存在でしかありません。会いたい、というより、それは単なる興味であったのかもしれません。そもそも今はもう、生きているのか死んでいるのか、それすらも分からないのです。
笑う悪魔からついと視線を外し、透はぼんやりと眺めた窓の外、銀色の空へ思い描こうと試みます。時とともにおぼろげになりつつある、母の姿を。金色の髪の、自分と良く似た面差しの、あの笑顔……。
「……あ……」
思わず、息を呑みました。
窓の向こう。ちらりと、一瞬だけ。確かに、見えました。
記憶のままの、あの姿が。金色の髪が。自分と良く似た、あの面差しが。
「…………そうか」
気を利かせたのでしょうか。悪魔もついと窓の外を眺めて、そうして漏れた透のつぶやきにも、口を挟みはしませんでした。
「もう……いなかったのか……」
す、と目を閉じて。一瞬の邂逅に見えた姿と、記憶の中に微笑む顔が重なり合って、融け合って。
再び開いた彼の瞳に映るのは、冥界の寂しくも美しい、枯れ林と銀色の空。
ふ、と。彼は、微笑みました。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
ホラー
バトル
オールジャンル
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年09月11日
参加申し込みの期限
2016年09月18日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年09月18日 11時00分
参加キャラクター一覧
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