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空色アクアリウム
【バレンタイン/スウィート】Colors
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●チョコレートの溶ける温度
誰かが子供の頃に好きこのんだチョコレートは、綺麗な箱に入っていた。
けれど大事にポケットに入れていたせいで、溶けて崩れてしまったのだ。
だから私は箱を開けて……。
見た目から想像しづらいと思うが、
獅子島 市子
は不良女子である。正確には、元不良である。
そんな彼女にとっても、二月の上旬というのは特別な時期だ。
適当なキッチンを借りて素材用のチョコレートを溶かして作ったものが、今彼女の手元にあることからもおわかり頂けよう。
「……」
世間様はバレインタインデーだからってチョコ一辺倒と言わずにガトーショコラだチョコケーキだマカロンだと女子力の頂上決戦を目指しているようだが、市子にとってはこれがベストでオンリーワンだ。
次にやることと言えば、この試作品が『彼女』の口に合うかどうかを実際食べさせて調べるだけだ。彼女がその辺を歩いているかと思って、何となくシーサイドタウンに来てみたが……。
「市子さーん! 見て見て、空に海がある!」
予想通りと言うべきか、こちらを見つけた
桃川 圭花
が小走りに寄ってきた。
別に今気づいたというわけではないが、ちらりと見上げてため息をつく。
「あーそーね、コレだから神魂は。ところでちょい味見――」
「行こうっ!」
手を取り、走り出す圭花。
普通なら嫌がるようなことでも、こればっかりは。
心から楽しそうな笑顔で振り返る圭花ばっかりは。
「オイ! 行くって、何しに」
「水着を買いに!」
これを断われる市子ではない。
水着売り場は季節外れの盛況ぶりにスタッフ一同大慌てである。
上品そうな大人のカップルやら元気そうな高校生カップルやらクールな大学生らしきカップルやらで賑わっていた。というかカップルだらけだった。なんだこの空間は。2月だぞ。
「チナミにあたし、水被るのあんま得意じゃねーんだけど……」
「市子さんコレどうかな! 花模様のビキニ!」
「きーてねー」
それによく見れば圭花用のサイズじゃない。自分用だ。
いつ知ったのかと思い返してみたが、よく考えたらボディサイズを目測できる機会があった。思い切りあった。思い出して思わず赤面する。
一方、サイズは自分で合わせるだろうと適当なやつを見せた圭花は市子の沈黙っぷりに首を傾げていた。
「気に入ったのかな……じゃあ私はこれにしよ!」
ブルーのワンピースを選び取り、市子の手を掴む。
「へんな顔してないで。はやくはやく!」
「……ったく」
市子は困ったように、微笑以下の笑みを浮かべて引っ張られていった。
試着室で直接着替えて買っていくという、『ここで装備していくかい方式』で町へ飛び出した圭花たちは、モールの二階からジャンプする形で空海へと飛び込んだ。
海と言うには暖かく、水というにはふわふわとした、どこか不思議な空間だ。
まあ、空に浮いている時点で不思議なのは当たり前といった具合だが。
圭花に言われて呼吸ができることを知った市子は、海の中で大きく深呼吸した。
不思議な感覚だ。
海を吸い込んで、海をはき出して、胸が綺麗な酸素で満たされていく。
慣れてくれば、ほんのりと潮の香りも分かるようになってきた。
太陽のきらめきは水面で乱れ、流れる水のゆらゆらを浮き立たせていく。
地上の人々はこちらを見上げているが、水のゆらめきに紛れてモザイク模様だ。
まるで海に沈んだ町。
まるで海を孕んだ空。
ふと圭花を見ると、こちらをじっと見つめていた。
「……ナニミテヤガルノカナ?」
「いやあ、うん。安心して見てられるなって」
圭花にとって市子は神秘の対象だ。
言い換えるなら手の届く雲だ。
いつどんな形をしてくれるのか、楽しみで仕方が無い。
今日だって、本当は苦手なんだろうにビキニなんて着てくれている。
言ってしまえば、空に海が生まれることすら、今のときめきに勝るものではない。
水着姿で堂々と魚と戯れる市子には、眼下のゆらめく街模様ですらかすんでいった。
今の一瞬を海色のゼラチンに包んでしまいたい気分だ。
もしそんな美術品があったなら、置く場所は美術館のガラスケースだろうか。
いや、自分の家のベッドサイドだ。
できれば自分だけが見ていたい。
「……見過ぎ」
市子は頬を赤らめて目をそらした。
「見てたらだめ?」
「別に……」
市子は頬をかいて、目をそらしたまま、小さく口を開いた。
「圭花のだから、あたし」
人との距離はメートル単位で測れない。
感情の熱さは摂氏単位で計れない。
付き合いの長さは、ストップウォッチで刻めない。
距離にして十七センチ。温度にして36度半。時間にして十七秒。
「け、圭花……」
その距離と温度が埋まるまで、二人の中で一瞬もかからなかった。
背中に回った圭花の手が温かい。
市子は目を閉じかけて、ふと試作品のチョコレートを思い出した。
空海の温度か自分の体温か、すこし溶けかかったそれを圭花の口に放り込む。
「ん、んん!?」
既に目を閉じて準備万端だった圭花は驚きに目を見開いたが、口の中の甘みで我に返った。
「ご試食、どーよ」
「甘い」
溶けるように笑う圭花。
「ね、もういっこ」
圭花は再び目を閉じて、市子は改めて目を閉じた。
溶けてくずれたチョコレートを、舐めとるように。
全部を自分の中に、流し込んだ。
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担当ゲームマスター
青空綿飴
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グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
SF・ファンタジー
バトル
動物・自然
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年08月22日
参加申し込みの期限
2016年08月29日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年08月29日 11時00分
参加キャラクター一覧
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