冬の空に海が生まれた。
考え事があったのだ。
シーサイドタウンの観覧車でぼうっとしていたかったのだ。
そんな時、
桃川 圭花は異変に気づいて手を伸ばした。
空に海が生まれている。
熱帯魚が泳ぎ、陽光がキラキラと揺らめいた。
すぐに海は観覧車の個室を埋めたが、不思議と呼吸はできていた。
それになんだか、ほんのりと暖かい。
「不思議、夢でも見てる気分」
魚のいたずらか、開いた扉から外へ出ると、空の中をふわふわと泳ぐことが出来た。
空から見下ろす海と陸。
陸の人々は、空中に突如生まれた海を驚きの顔で見上げている。
見たことも無い景色に、圭花の感性がくすぐられた。
一人で見るにはもったいない。
こんな格好ではもったいない。
水着に着替えて、あの人を呼びに行こう。
圭花は早速、水着売り場へと泳ぎだした。
九夜山展望台にて。
八神 修は取材中、異変に気づいて手を伸ばした。
空に海が生まれている。
背伸びして手を伸ばせば触れられるほどの高さに、まるでゼリーのようにぷるぷると固定された海面が存在していた。
少し力を込めれば腕は沈み、身体も沈み、まるで重力がかすんだかのように身体はぷかぷかと海の中に浮かんでいた。
「随分心地よいけれど、これは少々厄介だな」
身構える。
視界の先で、一匹のサメがこちらをにらんでいるのが見えたのだ。
来る。そう察した修は素早くドルフィンキックをかけ、サメの突撃を回避した。
「ふう、危なかった」
一度海の上まで泳ぎ切り、空側の海面から顔を出した。こちらの見た目は普通の海と変わらないが、普通の海で立ち泳ぎをするよりずっと楽だ。
このまま安全な場所まで逃げようか。
そう思って振り向くと、逃げ遅れた人々がサメに追いかけられていた。
「しょうがないな」
サメたちをもう暫く引きつけておく必要が、あるかもしれない。
あわよくば、倒してしまえれば……。
「さて、まずはどうアプローチしようかな」
寝子島の空に海が生まれました。
ですが大丈夫。テオが異変に気づいて世界を切り分けてくれているようです。
異変は一日で元に戻りますが、あなたはこの異変の中で遊ぶことになるでしょうか、それともトラブルを解決することになるのでしょうか。
空に生まれた海。
これを普通の海と区別して『空海』と呼ぶことにしました。
場所はシーサイドタウンのモール屋上から上の空と、九夜山展望台周辺です。
双方かなり離れていてお互いの状況に気づかなそうなので、どちらの異変に気づいたかによって皆さんの行動は変わってくるでしょう。
キャラクターに合う方を選んでご参加ください。
では、それぞれに分けて解説していきましょう。
●シーサイドタウン側
熱帯魚が泳ぐ空海です。いわゆる非日常のお遊びパートです。
とても綺麗で美しく、呼吸も出来ることから装備なしでのスクーバダイビングのような気分になれます。
冬場にしまい込んでいた水着を引っ張り出したり、すぐそこでオフシーズン割引されてる水着を買ってきたりして、一日限りのマリンレジャーを楽しんじゃいましょう。
ちなみに泳いでいるお魚は雲が凝縮してできた疑似物体ですので、捕獲しても食べられないと思います。見て触って戯れて、お楽しみください。
勿論お友達や恋人と一緒に泳いで、素敵なひとときをお楽しみ頂くのにも最適です。
●九夜山側
サメが泳ぐ空海です。こちらは打って変わって非日常のバトルパートです。
海は一日限りのものですが、サメに襲われるととても痛いと思うので、周りのお客さんたちの混乱を沈めたり、怪我をしてしまった人を助けたり、安全なところにかくまってあげたりという役割が生まれると思われます。
それに肝心な部分として、サメと戦う場面も多く出てくるでしょう。
サメは割と沢山いますので、次から次へと戦っていただくことになります。
出てくるサメは雲を凝縮した疑似物体で血も出ませんが、痛みは感じるようでしっかり戦えます。
●参加の仕方
キャラクターの行動・手段の所に
『シーサイドタウン側』『九夜山側』といった風に自分のいる場所を書き込んでください。
どちらも書かれていなかった場合は、なんとなーく望んでいそうな方へご案内します。