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空色アクアリウム
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●空海
冬の空に海が生まれた。
シーサイドタウンはそんな話題で持ちきりだった。
皆して水着ショップへ駆け込み、観覧車や屋上駐車場からどんどん空海へと飛び込んでいく。
きっと今日限りの遊び場だ。楽しまなければ損だと思ったのだろう。
ある意味では、
旅鴉 月詠
も同感だ。
「上の方は、どうなってるかな」
ハガキサイズのスケッチブックを取り出し、ビニールボートの描かれたページを破る。
すると月詠の目の前にビニールボートがポンと現われた。
よろよろしながら持ち上げ、空海へとずぶずぶ沈めていく。
抵抗されて押し出されるかと思ったが、以外とすんなり入ってくれた。
念のためロープをその辺の手すりに引っかけ、ボートにがしりとつかまる。
すぐに起きる上昇感。浮力に従って、しかし通常のそれとは異なりどこかゆっくりとボートが上へと登っていく。
やがて観覧車よりも高くなった頃、ボートはぷかりと海面へと浮かび上がった。
よじよじとボートに登る。
服はびっしょりと濡れたが、不思議なことにすぐさま乾いた。スケッチブックも無事だ。
「やっぱり、試した通り……普通の海水とは違う」
ボートはロープで流れないようにしてある。万が一落ちても平気そうだ。
と、いうことで。
「描こう」
月詠は、スケッチブックに空海を描き始めた。
皆が水着を買いに走る中、
結城 日和
は一足遅れて店内へと入っていった。
オフシーズンだけにそこまで入念に仕入れていなかったのだろう。もう半数は売れていて、店内もどこからすかすかしている。満ち足りているのは店長だけだ。
日和はそんな店内を見回して、水着をいくつか手にとってみる。
「うーん……どれも可愛いんだけど……」
窓の外には空海が広がっている。
まるで真夏の大型プールさながらに、大人も子供も水着姿できゃいきゃいとはしゃいでいた。
不思議な現象を前に、いつもよりはじけた気持ちになっているみたいだ。
なら、こっちも思い切ってリゾート気分満載の水着に着替えてみようか。
「んー、これっ」
日和はいくつかの水着を見比べた後、一つを選んで試着室へと飛び込んだ。
服を脱いで、鏡を見て、ぴたりと手を止める。
夏でも無いのに水着を買うという事実に、今ふと思い至ったのだ。
つまり。
つまりだ。
本来なら春の中頃から減量を始めてそれなりに引き締めた身体で夏の水着に着替えたいのが、年頃の乙女という者である。
しかし今は冬。
味覚の秋と正月のお餅が自分の体重をどれだけ増やしているのか考えると、水着もどうかなって気分になってくるのだ。
一度服を着直し――かけて再び停止。
「ううん。せっかくの機会を逃しちゃもったいないよね」
日和は思い切って水着を手に取り、試着を開始した。
その十分後、日和はきわめて晴れやかな笑顔で試着室から出てくるのだった。
日和がいっそのこと水着をきたまま店を出て行くその一方で、
宮祀 智瑜
はいそいそと服を脱いでいた。
いかな海のそばとはいえ人前で服を脱ぐには抵抗がある年頃である。
なのでその辺の自動車の影に隠れて脱いで、綺麗に畳んで鞄につめて、ぴたぴたと水着姿でコインロッカーへ行き、鞄ごとしまう……というなかなかにお行儀のよい形で準備を整えていた。
ロッカーの扉を閉め、鍵をかけて腕にひもで結ぶ。
「よしっ」
ぎゅっと手を握り、屋上へと駆け上がる。
そして、思い切って空海へと飛び込んだ。
「うわあ……鳥になった気分」
空は近く、町は遠く。
透明な世界の中に、自分はぷかぷかと浮いている。
日和が近くを通り、こちらに手を振っている。
非現実的な、そして幻想的な光景だ。
魚がくるくると螺旋を描きながら上へと泳いでいく。
どこへ行くのだろう。
不思議な冒険心がわき上がり、智瑜は上へと泳ぎだした。
太陽の乱反射と枝分かれした光線。
その中をくぐるように、バタ足で進んでく智瑜。
やっと水面から顔を出すと、そこにはビニールボートが浮かんでいた。
「……ん」
ボートの上には白髪の少女が一人。月詠である。
こちらに気づいたようだが、挨拶なのかなんなのかよくわからない反応をしてスケッチブックに視線を戻した。
「えっと……こんにちわ」
「ん」
会話がおっくう……というわけではないのだろう。集中しているので他に意識をさくつもりがいない、といった様子だ。
何を書いているのか気になって、そっと覗き込んでみる。
空海だ。
空海からなんかよくわかんないぼこっとしたものが盛り上がっている。何でか知らないけど顔もついてるし。
「……えっと」
「海坊主」
「え?」
「くうかいだから」
「え……?」
説明は終わりだよとばかりにスケッチに戻る月詠。
正直なんの説明にもなっていないが、どうやら月詠の中では何かの理屈が組み上がっていたらしい。
早速まっさらなスケッチブックにペンを走らせる。
今度はタイやヒラメをデフォルメしたような物体が空の海に泳いでいる光景を描いていた。
ちらり、と智瑜を見る月詠。
「……」
「……」
「……乙姫」
「えっ?」
「描いてあげよう」
「ええっ?」
この人全く会話をしないなと思いつつ、邪魔にされてはいないっぽいのでスケッチブックを覗き込む作業に戻る……と、タイやヒラメの中心で青いリボンをした女の子が泳いでいた。
リボンのついたビキニを着て泳いでいた。
「えええっ!?」
「……」
身を乗り出す智瑜。
完全無視の月詠。
全てを書き終えてから、ぴりぴりとページを切り取って差し出した。
「あげる」
「えっと……その……どうも」
智瑜の遊泳は続く。
大観覧車の鉄骨に腰掛け、ふわふわとした空間のゆらめきに目を閉じる。
気づくとすぐそばに日和が腰掛けていた。
顔を合わせ、へにゃりと笑う日和。
彼女は南の島みたいと言って、大きく背伸びをした。
だってこんなにぽかぽか暖かい。
そんな風に言われて、ふと気づく。
空海がほんのり暖かいからって、すこし体感温度が高すぎやしないか。
海面に出たときも、なんでか寒さを感じなかった。
けれどその理由は海面をふんわり流れてきた
邪衣 士
によって解決した。
雲を無理矢理集めたような物体に包まれて、士はゆったりと海面をたゆたっていた。
彼が指を三回鳴らせば、すぐ真上にできた雨雲から暖かいシャワーが降り注ぐ。
更に三回鳴らしたならば、冬の日差しにもかかわらず辺りが真夏日のように暖かくなった。
「うーん……きもちいい……。でものどかが乾いたな」
更に指を三回。
濃密な雲が近くに生まれ、彼はそこにストローを差し込んでちゅーちゅー吸い始めた。
雲が水蒸気の塊であることは大体の人が知っていると思うが、この密度が濃くなるとほぼほぼ水の塊となり、そのまま吸い込めば飲み込めるくらいのものになったり……する、こともある。
喉を潤した後はお昼寝か……と思いきや、士は新しく雲を作って、それを指でくいくいとこねるように動かした。
といっても雲は粘土ではない。蒸気を手や風圧で動かして形を変えていく遊びである。
最終的に雲をアザラシっぽく整形したところで、士は満足してとぷんと水面に横たわった。
「…………」
月詠の目の前をアザラシ型の雲が流れていく。
ちらりと自分の描いた画を見る。
きわめてアーティスティックな画風のそれには、アザラシが徐々に雲へ変わっていくさまも描かれていた。
ここにないものを描いたはずが。
まあ、こういうこともあるだろう。
書き終えたスケッチブックを閉じ、月詠はロープを引いた。
帰って水彩画に仕上げよう。
きっと、今日の気持ちも描き出せるだろうから。
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あとがき
担当マスター:
青空綿飴
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お疲れ様でした。空海はお楽しみ頂けたでしょうか。
またのご利用を心よりお待ちしております。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
青空綿飴
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
SF・ファンタジー
バトル
動物・自然
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年08月22日
参加申し込みの期限
2016年08月29日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年08月29日 11時00分
参加キャラクター一覧
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