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●あなたとわたし、壁の無い水槽
『Pioggia d'aprile』はシーサイドタウンに位置するCDショップである。
店長の
樹雨 蓮太朗
は暖房の効いた部屋で次にかける店内音楽を何にするかと迷っていた所で、窓の外に海を見つけた。
空に浮かぶ海である。
「これでは、開店休業状態ですね」
その場にいたスタッフに店番と次にかけるジャズアルバムを託すと、地下のイートスペースへと下りていった。
休憩中の
神嶋 綾瀬
がサンドイッチとつまんでいる。
蓮太朗が壁を二度ノックしてやると、綾瀬はこちらに気がついて振り向いた。
「あ……店長。休憩時間、終わりましたか?」
「いえ、ちょっと空に海が生まれたもので」
「……海、ですか?」
「ええ、よければ海水浴でも」
蓮太朗はユーモアのある男性だが、突拍子も無いことを言い出すタイプではない。
それになにより、『この人』からのお誘いだ。空に生まれたものが海であろうと砂漠であろうと、きっと同じ反応をしただろう。
「わかりました。行ってみましょうか」
綾瀬は立ち上がり、そしてふと手を止めた。
「けれど、水着がありませんね」
シーサイドタウンは便利な土地だ。CDショップから徒歩十分もかけずに水着が買える。
アウトレットモールのショップで海水浴用のパンツを手に取り、蓮太朗は振り返った。
「好きなものを選んでください。出しますから」
「でも……」
「僕が誘ったんです。出させてください」
困ったような苦笑だ。
この人は、女性に優しくするときわざと弱ったような顔をする。
そんなときに綾瀬ができるのは、暗黙の内に彼の喜ぶものを選択することくらいなのだが……。
(樹雨さんは、どんなものが好きなんだろう)
なまじ水着ショップである。オフシーズンであっても女性用の水着はかなりの種類を置いていた。
暫く迷ってから、ちらりと蓮太朗の顔を見る。
それを『選んでくれませんか』の視線だと察した蓮太朗は、あまり迷うこと無くハンガーから水着を選び取った。
水色の下地にアヤメ模様の入ったビキニタイプ。丈の長いスカートがついた比較的露出の少ない水着だった。
「いかがでしょう」
「あ、はい……ありがとう、ございます」
きわどい水着だったらどうしようと思ったなどとは、流石に言えない綾瀬である。
空の海も、二人にとっては普通の海とそう変わらなかった。
ほんのりと暖かい、壁の無い水槽の中で、そばを泳ぐ熱帯魚に指を出して見たり手を取って泳いでみたりだ。
元々スポーティーな方ではない。海水浴に言っても浜でのんびりさざなみを眺めるのが好きなタイプだ。
けれど、夜になるまでそう長くは感じなかった。
横顔を見ることが、手を繋ぐことが、二人の時間を加速させた。
西の空から茜色が消える頃、二人は空海の上から顔を出してたゆたっていた。
「すっかり、あたりも暗くなってしまいましたね」
眼下をのぞめば、ライトアップされたモールや観覧車が煌めいている。
黒く静まるはずの海も、空海となればまばゆい程の町が底に沈んでいるかのようでどこか賑やかだ。
「いかがでした?」
「楽しかったですよ。空で泳ぐなんて、不思議な経験で」
「それはなによりです」
どこか無邪気に微笑む蓮太朗。
綾瀬は心の中で『こちらこそ』と唱えた。
彼が喜んでくれれば、それがなによりなのだ。
一方の蓮太朗はといえば、綾瀬が昔のように笑っているのがなによりだと思っていた。
地下で休憩していた時もそうだ。
本人はきっと否定するだろうけれど、ステージを眺める時の目にどこか哀愁が混じっているのを彼は知っている。
「また、お嬢さんのフルートを聴きたいですね」
「……」
言ってから、しまったと思った。
綾瀬が笑っている。
弱ったような顔で笑っている。
綾瀬は苦しみを誤魔化すときに、弱ったような顔で笑うのだ。
これ以上、何を言えるだろうか。
ひび割れた氷細工のように、それ以上触れることなど。
「……」
だから蓮太朗は黙って、伸ばしかけた手を引いた。
彼女は人肌程度で壊れてしまう。
「今日は、本当に楽しかったよ。お嬢さんも綺麗だったし」
「そう、ですね……」
二人は果てしなく長い一センチという距離を挟んで、弱ったように笑い合った。
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3人まで
シナリオジャンル
SF・ファンタジー
バトル
動物・自然
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年08月22日
参加申し込みの期限
2016年08月29日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年08月29日 11時00分
参加キャラクター一覧
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