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ヒーローズ! ~魔女は偽りの慈悲を歌う~
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一方、
篠原 翠響
達は
島岡 雪乃
が待つという教会に辿り着いていた。
(この建物のどこかに、島岡が……)
壊れ掛けのバトルドールの足は、焦りにどうしようもなく逸っている。
そんな翠響の後をぱたぱたと追いながら、
屋敷野 梢
は潜めた声を彼女へと投げた。
「篠原さん、辺りに敵はいませんが、もう少し慎重に行きましょー。らしくないですよー」
「……そう、ね。ごめんなさい」
瞳を揺らす翠響の様子に、梢は胸中に思案を沈める。
(この調子だと、『魔女』と相対した時にはどうなるんでしょうか……)
それは、裏の梢にだって推し量り得ないことだ。
それにしてもと、梢は密やかに息を漏らした。
(小さな犠牲に目を閉じていれば、多くの命が平和に暮らせるというのに……)
モレイビーに、そして政府に害を成す民衆の愚かさに、梢は緑の眼差しを冷たくする。
今は姿の見えない、けれどここに集っているであろう信者達だって、その愚民のうちだ。
(闇を光にすることもできたのに、それをしないあの御方の慈悲を何一つ理解していない)
――闇が闇のまま収まるうちに一刻も早く均衡を取らなければ。
己が真の役割を、梢は胸の真ん中で新たにした。と、その時。
教会の外から操ってきた蔓を慎重に進ませながら2人の後に続いていた
椿 美咲紀
が、
「あっ! シュー君からメッセージなのですよ!」
空いている方の手に握っていたスマートフォンの画面を見遣って、そう声を上げる。
同行している
南波 太陽
が、美咲紀の手元を覗き込んだ。
「シュー君って……
八神 修
教官ッスか? あ、もう教官じゃないのか」
「そうそう、そのシュー君なのです。ええっと……わ! 皆さん、大ニュースなのですよ!」
曰く、『ノアの箱舟』に関する複数のスキャンダルがネットの世界を騒がせているらしい。
「なるほど、少し動きやすくなりますねー。敵は増援も見込めなくなるでしょーし」
「ですです! あ、返事送っておきますね!」
応じて、美咲紀はスマートフォンに指を走らせた。
先の情報への感謝と、現状、『魔力』の影響はないことを友人たる修に伝える。そして。
「皆、この扉……この先は、礼拝堂になってるみたいだわ」
細かな装飾が施された立派な扉を前に、翠響がそう声を零した。
梢が、美咲紀が、それぞれに反応を返す。
「おおー、見るからに何かありそーですねー」
「でも、進むしかないのですよ!」
行きましょう! という美咲紀の言葉に否を唱える者はなく。
一行は、礼拝堂の扉に慎重に手を掛けた。
ギィ、と、呆気なく扉が開く。そして、そこに待っていたのは――、
「あらあらぁ。新しいお客さまのご到着ですか~」
「現れましたね、島岡雪乃……」
梢が漏らした声に、うふふ、と、おっとりとして女――雪乃は笑んだ。
彼女の周りには、多くの『信者』がまるで兵隊のように整然として並んでいる。更に。
「っ、御剣さん!」
礼拝堂の長椅子に背を預けて目を閉じている血塗れの男――先行していた
御剣 刀
の姿に、叫ぶ美咲紀。
ふうわりとして、雪乃が微笑する。
「ふふ、心配しなくても大丈夫ですよぉ。彼は生きてます。誓って、殺しません」
随分と役に立つ駒になってくれそうですからと、雪乃は事もなげに言った。
「それから、あなた方も。ネットの世界が騒がしいですし、今後の為にも優秀な駒がいーっぱい欲しいんです」
「そんな……そんなこと、許しません!」
凛として言い放ち、美咲紀はラムネ菓子を口の中に放り込む。
衣服が、白から淡い緑へと移るグラデーションのドレスに変わった。
ドレスにアイビーの蔓が巻き付き――美咲紀は見る間に、植物の姫君の如く神秘的な姿に。
雪乃の放つ『魔力』は、美咲紀の心を既に揺さぶっていたが、
「私は! 自分の考えを手放さない! 私が私であること、これが一番大事なのです!」
と、美咲紀は鮮やかな決意を胸に雪乃を真っ直ぐに睨み据える。
けれど――雪乃は、相変わらず整った笑みをそのかんばせに乗せるばかりだ。
「うふふ、あなたの心は強いんですね。でも、あなたの仲間は、どうでしょうかぁ?」
ねぇ、と、雪乃は甘ったるいような声を翠響へと向けた。
翠響は、今や青い顔をしてその身を震わせている。
雪乃の姿を見留めたその瞬間から、翠響の心は、激しく揺さぶられていた。
「私に全てを委ねなさい。楽になれますよ?」
「……すべてを、ゆだねる……楽に、なれる……?」
ぼんやりと、雪乃の言葉を繰り返す翠響。
既に崩壊し掛けている翠響の心に、甘く優しい、ある意味では慈悲に満ちた言葉はしっとりと染み渡る。
意識を手放し掛けた翠響の手を、美咲紀がしっかりと掴んだ。
「篠原さん! 聞いちゃダメなのです!」
必死の言葉と手に触れる温もりに、翠響はハッと我を取り戻す。
相変わらず頭も心も甘く痺れていたが――翠響は、口の中を血が滲むほどに噛み締めた。
「っ……あたしは……お前になんか負けない……!」
その宣言に、雪乃は軽く肩を竦めてみせる。唇が、「無駄です」と音を紡いだ。
途端、雪乃の放っている『魔力』が、ぶわり、と膨れ上がる。
「っ、これは……!」
事態を見守っていた梢や、先から気丈に振る舞っている美咲紀でさえ痛む頭に顔を顰め、
「……あたし、は……」
――ぷつり。翠響は遂に、その心を雪乃へと明け渡した。
美咲紀の手を振り払い、翠響はふらりと、雪乃の元へと歩みを進める。
「うふふ、いい子です。――あなたも、もう限界、超えてるでしょう?」
雪乃が声を掛けたのは、太陽だ。
その瞳に既に光はなく、太陽は光に惹かれる羽虫のように雪乃へと近づいていった。
「さてさて。仲間同士での殺し合いって、ゾクゾクしませんかぁ?」
雪乃が言うや、翠響が、太陽が、その手に武器を構え直す。
光を映さぬ双眸が自分達に向けられているのに、美咲紀と梢は表情を険しくした。
時は少し遡り、刀が雪乃の前に散った後、翠響達が教会に辿り着く幾らか前。
(この、れーはいどう? ってとこ、なんか変だ……)
でもがんばらないと! と、
卯木 衛
はまだ幼さの残る心で、雪乃の『魔力』と知らず戦っていた。
友達の為に悪いヤツと戦わんと、信者の後をつけて教会に辿り着いた衛。
小さな身体は大人達に紛れて教会の中へと忍び込むにはうってつけで、
(オレの体はこういう時の為にこのサイズなんだ!)
なんて、潜入に成功した高揚に衛は随分と励まされた。の、だが。
(なんていうか、頭がぐるぐるする……変になっちゃいそうだ)
ともすれば、ふっとどこかへ行ってしまいそうになる自分の心。
衛は身を削るような恐怖に、長椅子の影、身体を縮めてじっと耐えた。
頭の中に、大事な友達の顔を、声を、繰り返し繰り返し思い浮かべながら。
そうして衛はふと、ポケットの中のラムネ菓子のことを思い出す。
(お腹が空いてるから、変なふうになっちゃうのかも……よし)
そっと、ラムネ菓子を口の中に入れて、噛み砕く衛。
唯一の食料を大切に大切に喉に流すや、
(って、うさぎ!?)
衛の傍らには、彼に寄り添うようにして、兎を思わせる小柄な異形が現れていた。
思わず声が出そうになるのを、慌てて口を抑えることで衛は堪える。
(どっから……夢、見てるのか?)
それか、本当に変になってしまったのかもしれない。
寸の間頭に過ぎった不安は、自分に身を擦り寄せる兎の、確かな質量にかき消された。
兎は、何かを訴えるような眼差しでじぃと衛の顔を見つめている。
「……お前、オレを助けてくれるのか?」
信者達に聞き咎められないよう、ごくごく小さな声で衛は兎へと問いを零した。
兎は衛の言うことを理解しているようで、嬉しそうにこくと頷く。
「なら、力を貸してくれ! 友達を守りたいんだ!」
声を潜めた、けれど力強い衛の言葉。
答える代わりに、兎はぴょん! と衛の胸へととび込んだ。
途端――衛は兎と融合し、その足に、テレビで見たヒーローの物みたいなブーツが装着される。
(すごい……! 力が、わいてくる!)
その時である。礼拝堂の扉が開き、翠響達が雪乃と相対したのは。
――仲間同士での殺し合いって、ゾクゾクしませんかぁ?
その言葉を、衛も確かに耳に聞いた。
穏やかな口調故により一層おぞましいその言い様にぶるりとして、けれど衛は、
(オレは、戦うんだ! 隙を窺って……相手に勝ちが傾きかけた時が勝機、のはず!)
と、決意と友達の笑顔を胸に、『その時』が来るのをじりじりと待つのだった。
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3人まで
シナリオジャンル
SF・ファンタジー
バトル
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年07月28日
参加申し込みの期限
2016年08月04日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年08月04日 11時00分
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