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九夜山で猫まみれ!
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九夜山の八合目を越えた辺りで
結衣月 由癒
が山道の傍らの木と向き合っていた。徐に両方の掌で幹を挟んだ。
「……五十五センチ?」
呟いたあと、手を離した。紫色のアウタージャケット越しに自身の腰を両手で挟み込む。再度、幹に挑戦して真剣な表情を見せた。
「五十八センチ」
納得のいく数字なのか。表情から硬さが取れた。今度は幹に身体を密着させた。顔を真上に向ける。額に掛かる銀色の前髪を手で払い、赤い瞳でじっと見た。
「ほぼ垂直。刳り物に使える……」
軽く木肌を叩いた。満足した様子で山道に戻った。
由癒は山の頂を目にする。周囲には樹木の姿があった。背中のナップサックを背負い直して歩き出す。
「……もう少しで山頂」
ベージュのハーフパンツは動き易く、危なげなく登っていった。道なりに進んで視野が開けた。
山頂に着いた由癒は樹木を無視した。すたすたと歩いて立ち止まる。目の前に
日暮 ねむる
が大の字に倒れていた。
「……死んでいる」
由癒は神妙な顔で手を合わせようとした。近くで寝息が聞こえる。発生源はねむるであった。
「……私だって」
ナップサックを下ろして中から寝袋を取り出した。適当なところを目で探す。
「安らかに眠るんだから……」
生命に関わりそうな言葉を呟いて、うろうろと周辺を彷徨った。
旧市街の薬局から黒い
猫耳パーカー
を着込んだ
黒兎 都
が出てきた。手には剥き出しとなった濃縮マタタビエキスが握られていた。
「これがあれば、ぬこをもふれるかもしれん」
目深に被ったパーカーの奥で赤い目が怪しく光る。ふふふ、と堪え切れない口が笑い声を漏らした。
「どこで使うかだの」
猫がいそうな場所を求めて都は歩いた。顔に不安が押し寄せてきた。
――薬局の袋を持っている者が何人もいるだと。むぐぐ、まずいのー。先を越されると、ウチが呼び寄せるぬこがいなくなってしまう。
「急がねば」
キョロキョロと辺りを見回して早足で歩く。また立ち止まって周囲の様子を窺った。どこも決め手に欠ける。
都はかなり慎重になっていた。過去の
出来事
が頭に過る。猫との仲を取り持つ強力なアイテム、マタタビでも上手くいかなった。
しかし、手にあるのは濃縮版である。使用後は集まった猫で垣根ができて、その中心で喜びに身悶える自分の姿を想像した。
「……ふへ……ふへへへ」
酔い痴れた顔で笑いが止まらない。都は走り出す。九夜山の山道に突っ込んだ。
――山頂で使ったら、風に乗って広がって、島にいるぬこが全部、ウチのところに集まってくるかもしれん!
「ふへへへへへへ♪」
黒いミニスカートをはためかせて都は斜面を駆け上がっていった。
都は興奮状態で頂上に駆け込んだ。先に登頂を果たした、ねむると由癒の寝転がる姿は目に入っていなかった。
「ぬこよ、集まってきて!」
濃縮マタタビエキスは盛大に撒かれた。あっという間に使い切ってしまった。
気付いた時、ねむるは白い斜面に立っていた。
「あれ、九夜山に雪が降ったのかな?」
周囲を見回す暇もなく、足元が揺れた。その大きさにねむるは片方の手を突いた。低い地鳴りのような音が迫ってくる。
ねむるは顔を上げた。巨大な雪崩が迫ってきた。両足は深く雪に埋まっていて抜け出せない。
「これはダメかも、ってあれは猫?」
雪崩をよく見ると白猫であった。ただ数が尋常ではない。数万を超える大群がねむるを瞬く間に呑み込んだ。揉みくちゃにされて意識が遠のく。
次に目にしたのは青い空であった。ねむるは大の字になって寝ていた。はは、と乾いた笑い声を上げた。
――夢だったんだ。ま、そりゃそうか。猫が雪崩に見えるなんて、そんな非日常的なことが起こるわけがないって。
ねむるは身体を起こそうとした。上手く動かない。同時に息苦しさを覚えた。少し顔を上げると驚きの光景が目に飛び込んできた。
山頂は無数の猫で犇めいていた。ねむるの身体の至るところに丸くなった猫が乗っている。中の数匹は瞼を閉じて気持ち良さそうに眠っていた。
「これはちょっと厳しいね」
猫の眠る姿にねむるは苦笑した。
その時、別のところから声がした。顔を動かせる範囲に都の姿があった。猫耳のフードを後ろに押しやり、歓喜の表情を浮かべている。
「わ、わ! こんなにぬこがたくさん集まるなんて!」
都は少し腰を落とした。近くの猫に近づくと逃げ出した。
「ちょ、ちょっと待って。何もしないからもふらせて」
少しは何かするらしい。都の横手からキジトラ柄の猫が頭から突っ込んだ。その一撃は脇腹に決まり、えぶしっ、と奇妙な声を上げさせた。
「そ、そんなことないよね。マタタビの強力版なんだから。ね、もふらせて」
近づく都に周囲の猫が一斉に唸り声を発した。身なりの小さい猫は必死になって逃げ出した。
「ウチは敵じゃないよ。ぬこさん達と仲良くなりたくて、それで少し撫でさせて貰おうかなって」
猫の包囲網が急速に縮まっていく。見ていられなくなったねむるは反対の方を向いた。
その直後、ぎゃあああああああああ、と都の絶叫が辺りにこだました。
寝袋に入った状態の由癒の耳にも届いた。
「……うるさくて眠れない……猫が多過ぎ……」
寝袋の中でもぞもぞと動く。
「出ると寒いし……」
耳元で猫が鳴いた。寝袋の上にいた猫が釣られて鳴いた。甘えたような鳴き声が由癒を包み込む。
「寒いけど……仕方ない……」
寝袋からそろそろと両手を出した。片方の手には
木の葉のブローチ
が握られていた。
取り出したブローチに指でバツ印をなぞる。ろっこんの私的領域が発動。なぞった物を中心に音を阻む領域を形成した。
「……これで眠れる」
ブローチを顔の側に置いて瞼を閉じる。安らいだ表情は今にも深い眠りに落ちそうに見えた。片方の眉が撥ね上がる。
「……効果が切れた……」
ろっこんの持続時間は相当に短かった。ブローチを回収した由癒は不機嫌そうな顔で寝袋に収まっていた。
赤い瞳がねむるの存在に気付いた。半ば立ち尽くした状態であった。周りを猫に囲まれて足の踏み場がないように見えた。
由癒はねむるに向かって呟く。
「……眠れない……助けて」
微かな声にねむるは反応した。由癒の方に顔を向ける。
「助けてって言われても」
大量の猫の中に寝袋は埋まっていた。辛うじて顔だけが出ている状態であった。由癒は少し眠そうな目でねむるを見続けた。
「わかったよ。なんとかするね」
密集した猫の僅かな隙間を狙って足を差し込む。同じ行動を何度か経て由癒の傍らに立った。
「君は小柄に見えるから、たぶん大丈夫だと思う」
その場にしゃがんだねむるは寝袋に両腕を差し入れた。小さな呼気で由癒を抱き上げた。
「……お姫様抱っこ」
「嫌かな」
その言葉に由癒は顔を左右に振った。ねむるは笑みを浮かべて山道に向かって一歩を踏み出す。
「……名前を……教えて」
「僕は日暮ねむる。君は」
「私は結衣月由癒……今日はありがとう、ねむりん……」
「そのニックネーム、悪くないね」
ねむるは白い歯を見せて笑った。
そのような二人を都は少し離れたところから見ている。両方の掌は引っ掻き傷で赤く染まっていた。
「あんなに猫をはべらせて、ウチはこんなんって……」
涙目で立ち尽くす都であった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
黒羽カラス
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
動物・自然
オールジャンル
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年06月16日
参加申し込みの期限
2016年06月23日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年06月23日 11時00分
参加キャラクター一覧
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