旧市街の裏通り。天神平薬局はひっそりと営業を続けていた。
一人の若い男性が店から出てきた。何かを疑うような表情で手にした紙袋に視線を落とす。
「……本当なのかな」
極彩色な薬局名を目にして言った。
「効果は絶大だよ」
その声に男は後ろを振り返った。店主である
天神平 庵が白衣姿で腕を組んでいた。微かな笑みに自信の程が見て取れる。
「それこそ、ほんの一滴で猫がわらわらと集まってきて、それはもう、大変なことになるよ」
「はあ、そうなんですか」
男は紙袋に目を向ける。中には
濃縮マタタビエキスが入っていた。
「ここで試してみてもいいけどね」
ピンクに染まった前髪を弄りながら、庵はいたずらっぽく笑った。
その後、男は街中をうろついた。騒乱が予想される為、足は自ずと寂しいところを選んで歩いた。それでも決心が付かない。
「試すなら、やっぱり――」
男は横手の九夜山に目を向けるのだった。
今回のシナリオは猫と戯れてほのぼのしようというような路線なのでしょうか。
濃縮マタタビエキスという名前が曲者です。波乱を予感させます。
PLが選択する場所によって変わるとは思いますが。では、詳細に入りましょう。
◎舞台◎
晴天に恵まれた日曜日の九夜山。
明日は雨が予想されているのでエキスの効果は日曜日に限定される。
◎場所◎
1:九夜山の山頂(広々とした場所で爽快に猫まみれ)。
2:忘れ花の教会(厳かな気分で猫まみれ)。
3:九夜山の廃神社(人語を理解して会話もできる妖怪の類いで猫まみれ)。
※指定できる場所は一つ。書き忘れた場合はMSがPCに似合う場所を選択する。
猫がみ、猫また、猫頭巾、猫まんま以外のNPCの登場は不可。
説明は以上になります。
とにかくどこに行っても猫まみれになります。
一風、変わった猫も混ざっていますが、よろしければ猫まみれになってくださいにゃん!