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悪徳は甘美な美酒の味わい
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【勝負】
「失礼いたします」
カジノにメイド服は、正直、あまり親和性の高い組み合わせとは言いがたい。その上で
桧垣 万里
は、周囲の客たちやディーラーの寄せる奇異の視線を、微笑とお辞儀ひとつで抑えてみせる。
「お邪魔するわね。あら、盛り上がっているみたいね?」
加えて、同席する
城山 水樹
のいかにも上流階級の令嬢といった颯爽とした佇まいは、桧垣が彼女のメイドであり、戯れにカジノ遊びへも連れ出す寛大な主人であるのだと、周りには恐らくそう錯覚させていたことだろう。
桧垣が事を仕掛けるにあたり、ダイスゲームのクラップスを選んだのには、いくつか理由がある。ひとつはこの遊戯が、カジノにおいてはもっとも客の勝率が高いとされるゲームのひとつであること。
もうひとつは、プレイヤーが持ち回りでダイスを振る役割、シューターを担うというルールがあることだ。
テーブルに集う他の客たちがダイスを投げている間は、運を天に任せて実力勝負。それでも、ふたつのダイスの出目のパターン、出現率を熟知していれば、そこそこに勝ちを拾うことはできた。
「それでは、私がシューターを務めさせていただきますね。カムアウトロールを振らせていただきます」
ダイスを手にして、桧垣自身がそれを投げる瞬間こそが、彼女の本領発揮だ。
(……! やるわね、桧垣さん)
城山は顔に出さぬまま、彼女の手並みに舌を巻く。クラップスのダイスはカジノ側が用意した幾つかからシューター自身が選び出すことになっているが、桧垣は自然な手さばきで、自前のそれとすり替えて見せた。見事な早業で、最初から彼女の意図を理解している城山以外に、気付く者は無かっただろう。
「それじゃ、私は……ちょっと勝負しちゃおうかしら?」
城山がチップを置いたのは、ワンロールベット。6が揃えば、30倍の高配当だ。当然そうそう出る目では無く、それに対して城山の張った掛け金はかなりの額であり、周囲の客たちからは、彼女の度胸を称える拍手が沸き起こった。
「あら、強気ですね。ふふ、ダイスを振るの、少し緊張してしまいます」
「いいのよ、気軽にやってちょうだい。こういうのは、勝敗よりも雰囲気を味わうのが楽しいんだから」
余裕を見せる彼女へ柔和に微笑み、桧垣は慣れない手つきを装って、ころりとダイスをテーブルへ転がした。
2投目、3投目、4投目と続き……6投目。途端、再びの拍手と、歓声が沸き起こる。
「……! やったわ、6ー6! 大当たり!」
「まあ、驚きました。やりましたね、城山さん」
当然のこと、ダイスを転がしたのは桧垣であり、すり替えたそれは特定の出目を確実に出すイカサマダイスだ。
不自然に勝ちが続けば、いかに桧垣のやり口が上等だろうと、疑いは噴出する。しかしクラップスには、賭け方において知識に疎い初心者と、熟知した上級者の差を見分ける、ある種の目安が存在する。城山や桧垣がチップを置くのは、大様にしていかにも初心者然とした分かりやすく高配当の賭け方であり、トータルで言えば儲けは目が飛び出るような額にはならない。
時にはイカサマで多額の金を引き出しつつ、時にはレートを引き上げながらも真っ向勝負。大負けもあり……大事なのは、バランス感覚だ。
「さあ、次は私がシューターね。あなたにも儲けさせてあげるわよ」
「ふふ、期待しておきます♪」
ふたりは衆目を集めながら、鼻の下を伸ばした男性客たちをあしらいながら、楽しげにダイスを振る。
最後の勝負に再びイカサマダイスを投入し、大きな当たりを引き出した後。引き際が肝心と称して、城山と桧垣はクラップスのテーブルを立ち、ポーカーゲームへと移動することにした。
ダイスゲームは桧垣が場を掌握したが、カードは城山の領域だ。
「……ん? 何だ、お前らも来てたのか」
「あら、御剣さん。奇遇ですね」
テーブルにはふたりの見知った顔が、女性同伴で同席していた。かの
中沢邸での一件
で邂逅した、
御剣 刀
……隣へ上品に腰かけているのは、南条 春香こと
北条 冬華
だ。
北条は悪戯っぽく首を傾けて、
「まあ。御剣さんは、ずいぶんと女性に顔が広いんですね?」
「勘違いしないでくれ、仕事上の付き合いだ。ま、美人に囲まれているのは、悪い気はしないが」
などと言ってのけた御剣は、剣術一筋の朴念仁に見えて、金に女にと、カジノで満たされる欲求を繕うそぶりも無い。
「それじゃ、ここで会ったのも何かの縁ってことで。ご一緒させてもらおうかしら?」
「私は見学させていただきますね。城山さん、頑張ってください」
「俺も、後ろで応援させてもらおうかな」
と桧垣は城山の後ろへ、御剣も北条のドレスに大きく開いた胸元を堪能できる位置へと移動し、テーブルには幾人かの客と、城山と北条が顔を揃えることとなった。
数度のゲームは何事も無く進行し、城山も北条も、揃って小口のチップを得た。場が動いたのは、しばしの後のことだ。
(……! この場でイカサマを?)
隣り合う北条が、気付いた。彼女自身もその隙をうかがっていたからこそ、であったかもしれない。それほどに見事な手さばきだった……城山が、カードをすり替えて見せたのだ。北条の視線に気づいたのか、城山はぱちりとウィンク。
城山がさらに巧みであったのは、ディーラーに募る疑念をも利用したことだ。イカサマで小さな勝ちを連発しつつ、ある時点から、彼女はすり替えを意識させるように、あえて目に付くようにカードを扱い始めた。周囲の一般客たちはともかく、ディーラーはそこに違和感を持たざるを得なかっただろう。
そうして大勝を引き当て、かと思えば、時には疑いを外すように負けをも演じ。ディーラーの目を惹きながら緩急を加えつつ、着実にチップは積み上がっていく。
「さて、そろそろまた調子が上がってきそうね。この勢いに乗って、ここは大勝負といこうかしら」
「あら、恐いですね」
対する北条のやり方は、手堅い。持ち込んだ元手こそかなりの額ではあったが、ここまで比較的順調に、小さな勝ちを重ねて来た。
それも少々、飽きてきてしまったのかもしれない。
「では……私も、勝負に出てみましょうか」
何しろ彼女もまた、ひりつくようなスリルには目が無いのだ。今回はそのための資金稼ぎ、下準備という目的ではあるが、少しくらいは良いだろう。
かくしてチップは大積みとなり、城山と北条は、手持ちのカードを露わにする……と、その時に。
「ふう。何だか少し、暑いですね……」
「そういえばそうね。空調の具合が悪いのかしら?」
北条がドレスの胸元をあおぐと、豊かな胸の谷間を、じんわりと汗の雫が伝う。次いで城山が美脚を翻して組み替えた時には、ディーラーの視線は完全に、テーブルの外へと逸れていた。
北条はうなずき、城山の手は閃く。
「……フォーカード! 今夜の私は、祝福されているみたいね」
「あら、残念。負けてしまいました」
北条にはもはや、勝ち負けそのものにさしたる価値を見出していなかった。そもそも、目標と定めた金額は既に稼ぎ出している。持ち前の色気で、奇しくも城山のイカサマをアシストするような形となったのは、彼女や桧垣、御剣にも、何か……危険な魅力を感じ取ったからだ。
これはきっと、投資だ。更なる大きな稼ぎや、他の何事にも代えられない……そう、スリルのための。
(それこそが、私の求めるものですもの。ふふふ……)
城山が先ほどに撒いた種子は、着実に実を付けていたようだ。
「君たち。少し、いいだろうか。話を聞かせてもらいたいんだが」
「……? 何だ?」
ディーラーに植え付けた疑念は、セキュリティフロアのみならず、この場では外様の警備員たちへも伝わっていたのだろう。物々しい足音に振り返った御剣の前には、警備員を引き連れた、
千歳飴 楓子
が立っていた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
前回シナリオ
悪徳は芳しき香りに満ちて
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
コメディ
推理・サスペンス
SF・ファンタジー
定員
20人
参加キャラクター数
21人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年06月07日
参加申し込みの期限
2016年06月14日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年06月14日 11時00分
参加キャラクター一覧
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