this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
悪徳は甘美な美酒の味わい
<< もどる
1
…
5
6
7
8
9
…
16
つぎへ >>
【浸透】
卯木 衛
にとっては、カジノフロアの一角に設けられた通気口から、人目を盗み侵入を果たすのは容易なことだ。便利屋稼業で培われた知識と経験を発揮すれば、敷設された警報機や、ダクトを塞ぐ蓋を外すのはお手の物。
加えて彼の小さな体躯は、狭所へ潜り込むのに著しく有利に働いた。
「何か釈然としねーけどさ……何で入れちまうかなー、俺の身体!」
本人のコンプレックスはさておき、ではあったが。
「まぁ、おかげでこの作戦が実行できるんだから。良い案だったと思うぞ」
「そーだけどさぁ」
アキ
が用意し、各員に配布した通信機は感度良好で、スピーカーから届く声は、卯木の耳元に心地良く響く。
「準備できたら連絡するよ、アキくん。ちょっと待っててくれよな」
「しかし、結構キツイなこれ……俺も小せぇほうではあるんだが」
卯木の後ろ、狭い通気口を這い進むのは、
夜海霧 楓
だ。彼もまた小柄ではあるが、そもそも人が通ることを考慮されているわけではなく、窮屈さはいたしかたないところだろう。
なお、昨今売り出し中の三人組は、今回もそれぞれに適切な役どころへばらけて動くこととなった。ホテルフロアへ彼らが取った部屋に仲間たちを招き入れ、急場のミーティングを済ませた後、夜海霧もこうしてダクトへ身体をねじ込んでいる。
「えーっと……どっちだっけ?」
「こっちだな。そっちの道は塞いでおこう」
幾つにも枝分かれして続く通気口を進み、分かれ道にぶつかれば逐一地図を睨み、ルートを確認。必要のない道はフィルターを設置し、封鎖していく。
通信機のランプが明滅し、別の声が届く。
「順調かい、卯木、夜海霧」
「
ヤーガ
か、どうした?」
「適当なところで、メカを放してくれ。後はこちらで誘導するから」
既に数度の共同作業を経験している彼らチームの中で、変わらず強力なバックアップ体制を敷くのがヤーガだ。デジタルなセキュリティを破るのにこれほど頼りになる味方は他になく、侵入を試みる側とそれを防ぐ側で果てしないイタチごっこが続く業界において、その技術、技量は常にトップクラスを維持している。
アジトにいながらにして、彼女にリモートハックを可能とさせる精巧なメカたちは、その最たるもののひとつだ。卯木と夜海霧が、ヤーガから預かったそれら、虫や鼠を模った小型機械たちを通気口の半ばに設置すると、途端にかしゃかしゃと動き出し、小さな隙間へ潜り込み消えていった。
「今回は、追加バッテリーを搭載した拡張版だ。活動時間は飛躍的に伸びた……大きくなって、発見されやすくなったのが難点だけどね」
「その前に事を済ませりゃ問題ねぇだろ。行くぞ」
夜海霧は狭苦しさに閉口しながらも、卯木の小さな尻をせっつき、作業を進める。
猥雑な活気にあふれるカジノフロアとは反対に、ホテルフロアはひっそりとして、上品かつ静謐な空気が流れている。
清掃用具を携え、
深雪
が小洒落たクラシックの流れる廊下を歩けば、宿泊客や巡回警備員、他の清掃員と幾度もすれ違うが、呼び止められたり、何者かと詰問されることはない。既に数週間も前から、清掃員として正式に雇用され、彼女は完璧な潜入員として溶け込んでいた。
(私は、仕事をこなすだけ……)
いつものこと。今回もまた、指令を下す組織の意図はようとして知れない。その思惑に、興味も無かった。ただひたすらに任務を全うすること、それだけが深雪の……いや。『スノウ』、あるいは雪月。工作員としての、彼女の役割の全てだ。
「なー。深雪くんだっけ、そっちは大丈夫かー?」
そのはずなのに。
「っ……問題ないわ。機械は運び込んだ。合図があれば、すぐにでも地下へ移動できる」
「あー、うん、それもそうなんだけどな」
通信機から聞こえた声に、とくんと、かすかに胸が鳴る。いつもは凍り付いたように静かな鼓動が、かすかに。
気遣いの色が垣間見える言葉は、卯木のものだった。相も変わらず、世話焼き気質であるようだ。
「なー。気になってたんだけどさ」
「何?」
声色にその揺らぎが現れないよう、努めて押さえ込みながら聞き返す。
「前に、会ったことないか?」
今度はちくりと、胸のどこかが痛んだ。
人懐こい彼と
共闘した
、先ごろの件を思い出す。ロボットかアンドロイドのように、感情など何も無いと思っていた自分へ小さな揺らぎを与えた、彼の明るさ。人の好さ。覚えたことのない感情は、時折ちらりと胸の内へ蘇り、にわかに彼女を戸惑わせた。
「ない、と思う……けど」
「ふーん、そっかー。似てると思ったんだけどなー」
いくつもの名前を使い分ける彼女は、別人として今回の作戦に臨んでいる。彼が疑問を抱きつつも確信に至らないことは、変装や別人に成りすます試みが上手くいっているという、その証明ではあるのだろう。
それが深雪には何故だか、はがゆい。
「……そっちは、どう? 上手くいっている?」
「もちろん、ばっちりだぜ! ……あっさりこーいうとこに入り込める俺自身に、ちょっと悲しくなってくるけどな」
「おい卯木、止まるなよ。いくらお前が小さいからって、これじゃ先に進めねぇ」
「だーれーがー、小さいって!?」
通信機から聞こえる軽快なやり取りに、深雪の胸もどこか、弾んでしまうようだ。
しかし彼女は大きく首を振り、そんな感情の揺らぎを、あえて自分から叩き出す。潜入任務中だ、余計なことにいつまでも心が囚われていては、支障をきたしてしまう。
「それじゃ……切るわ」
「おー! 何かあったら、すぐに言ってくれよなー」
明るい声が途切れると、途端にどこかわびしいような、寂しいような感情がふつふつと湧き上がったが、深雪はそれを無視することにした。自分の未熟で、足元をすくわれてはたまらない。
<< もどる
1
…
5
6
7
8
9
…
16
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
悪徳は甘美な美酒の味わい
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
前回シナリオ
悪徳は芳しき香りに満ちて
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
コメディ
推理・サスペンス
SF・ファンタジー
定員
20人
参加キャラクター数
21人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年06月07日
参加申し込みの期限
2016年06月14日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年06月14日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!