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悪徳は甘美な美酒の味わい
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【残香】
夜空を切り裂くように赤と青のランプが明滅し、サイレンは高らかに鳴り響く。駆けつけた警察官の群れがずかずかと『カジノ・オーシャン』へと踏み込んでいくのを、
リサ
は真正面に建つビルの屋上から見下ろしている。
カジノでディーラーとして働くのは、存外悪くは無かった。客たちを相手取り、難攻不落の仮面として君臨するのも。場所柄、予期せず飛び込んでくる意外な情報は、彼女の本業にもまた役立った。
とはいえ、潮時だ。
「……また会いましょう。フフ……」
月を纏い、リサの姿は夜へと滲んで、やがて見えなくなった。
「そらよ」
夜海霧 楓
が投げ渡したのは、確保しておいた札束だ。
泉 竜次
が安定して健やかな老後を過ごすには、十分な額だと言えるだろう。
「今回、俺たちは飛び入りだし、あんたと山分けだ」
「これも持って行ってください」
加えて
八神 修
も、札の梱包を解く前にしっかりとキープしていた分を、泉へと手渡す。
「黒崎には、あなたの代理で、ひと泡吹かせておきましたよ」
「ははは! いや、痛快だったな。君たちに依頼して正解だったよ、ありがとう」
泥棒たちがアジトと定めた廃ビルの一角で、ささやかな祝杯が上げられた。今回の仕事は、泉の報復を果たすことが主な目的であり、稼ぎで言えば微々たるものではあった……が、仕事は仕事だ。大いにスリルを味わった後、高揚の残り火のような火照りを冷ますのは、仲間たちとあおる酒に限る。
桧垣 万里
がトレイに乗せたグラスを運んでくると、
鴻上 彰尋
はそれをふたつ取り、ひとつを泉へ手渡して、
「一緒に仕事が出来て、光栄だったよ。次はぜひ、計画から参加させていただきたいね」
「その時はまた、ご一緒させてくださいね?」
「さて、俺はもうロートルだからな。ま、機会があればと言っておこうか……ともあれ、楽しかったよ」
ちりん、とグラスを合わせる、小気味の良い音が響く。
「本当に、会ったことないかー?」
とは、
深雪
へ尋ねた
卯木 衛
の言葉だ。
「無い……わ」
「ふーん、そっかー。似てる気がするんだけどなー」
「なんだ卯木、ナンパか?」
アキ
が悪戯っぽく横やりを入れると、卯木は唇を尖らせ、ちっげーよ! と言った。
アキは深雪に、どこか近しいものを感じていたかもしれない。出自は違えど、どちらも異なる組織のエージェントであり、立場は似ている。アキ自身、名乗っているのは偽名であり、正体を明かせないもどかしさには覚えがあったのかもしれない。
卯木の朗らかな笑みに覚える、この安らぎのような感情もまた、彼女とはきっと共通の思いだったことだろう。
グラスを空けると、
レイ
は早々に踵を返し、
「じゃ、オレは行くぜ」
「私も。今回も上手くやったわね、お疲れさま!」
城山 水樹
もまた、身支度を整え始める。
「もう行くのかい?」
ヤーガ
が呼び止めると、ふたりはうなずいて、
「ええ、やることがあるから。黒崎を追い詰めるのに、立ち止まってはいられないもの」
「良い仕事だったぜ。何かあれば、また呼べよ」
軽い足取りで去っていく。いざとなればチームとして素晴らしい連携を見せる彼らにも、それぞれの日常がある。ヤーガにもまた……それ以上に引き留めはせず、彼女はただグラスを掲げて、爽やかな別れを告げた。
「それじゃ、次の仕事で。また会おう!」
このまま帰すには惜しいと、
御剣 刀
は引き留める手管を脳裏へ巡らせる。
しかしどうにも、
北条 冬華
は手強い女であるようだ。
「またお会いしましょう。あなたとも、彼らとも、いずれまたご一緒することがありそうですから……ふふっ」
「そうだな。楽しみは次に取っておくとするか」
今夜は、諦めるほか無さそうだ。
とはいえ、金と女、心躍る戦い……今夜の騒動では、そのうちふたつは存分に堪能し、手に入れることができた。気分は上々、あまり贅沢を言うことも無いだろう。
呼びつけたリムジンに乗り込み、カジノの狂乱を背に去っていく女を、御剣は満足げに見送った。
抱えた重たいアタッシュケースを胸に、
呉井 陽太
はどこか浮き浮きとして。
「次は、どんな眼鏡を作りましょうかねぃ?」
「そうですね。よりエレガントで、より奇抜な……裕福な物好きが食いつきそうな……」
芽守 健作
も揃って、次なる構想を巡らせる。
ふたりの眼鏡詐欺は、今夜に得た金を元手として、さらなる高みへと昇ることができるだろう。より洗練された、クォリティの高い眼鏡を作ることができたなら、目の肥えた裕福な好事家をも騙しおおせるかもしれない。
資金は潤沢。想像力は、無限大だ。
放電刀を一振り、二振り。纏う電弧はスパークし、隆々とした黒服の男たちを容易く昏倒させていく。
最後のひとりを斬り倒すと同時に、
桜栄 あずさ
の手首を拘束していた手錠が真っ二つに切断され、床へ落ちた。
「……またあなたに、借りを作っちゃったわねぇ」
「借りがあるのは、僕のほうだよ。あの時の恩を、片時も忘れたことは無い」
手首を揉み解しつつ言った彼女の苦笑いに、
サキリ・デイジーカッター
は首を振り、微笑んだだけ。
「律儀よね、あなたって。でも……ありがとう」
恩人に無用な危険が及ばないことこそが、デイジーカッターの望みなのだ。
「はあ。疲れた……ダルい……帰って寝たい……」
深々と吐息を漏らす。飾らない
千歳飴 楓子
のそんな様子は、彼女の本質を知らない部下たちにはどこか気だるげな色気として受け止められ、やみくもに士気は上がったりしたが、少なくとも
八咫 鏡
はため息を禁じ得ない。
「まったく、あなたは……もう少しシャンとしていてください」
「分かっているよ。楓子は悪行にも走らず、ちゃんと仕事をしている。だから、昇給についてはひとつよろしく頼むよ、八咫さん」
「考えておきます」
ともあれ確かに、身体を張った甲斐あって、一般客への被害は無きに等しく、
「やーっ、今日はめっちゃ楽しかったッスよー! お疲れさまッス、ありがとーッス!」
「そうですか、それは何よりです」
「それなら、報酬に色を付けてもらえると嬉しいんだが」
はしゃぐクライアント、
南波 太陽
の無邪気な笑顔を見ていれば、悪い気はしないというものだ。
スマートフォンの画面に流れるニュース速報と、そこに映り込む『カジノ・オーシャン』での騒動を、
如月 庚
と
屋敷野 梢
は揃って、まじまじと見つめる。
「八神だったか。あいつが上手くやったみてぇだな」
「これで依頼人の気は晴れて、私たちは報酬ゲット、ご飯が食べられる! ってわけですねー」
請負人たるふたりは、必ずしも泥棒らの味方であるわけではない。今回も、海原の人となりによっては、彼の金を守るという選択肢もあり得た……とはいえ、結果はこの通りだが。
「次はどうなるかね……ま、ともかく今は、メシにするか。たまには奮発して、ちょいと高級なフレンチでも食うか?」
如月が半ば冗談めかして言うと、屋敷野の答えは予想通り。
「えー? 豪華な食事もいいですけど、奢ってもらう焼肉のほうがいいなー。この前のお仕事の時に食べた、あのお店の特上ロース、美味しかったなーちらっちらっ」
「分かった分かった」
安定した生活とは程遠い彼らの稼業だが、時折そうして些細な幸せにありつくことができれば、活力は満ちた。
「さー焼肉ヤキニクー♪」
「お前はほんと、そればっかだなぁ……」
歌うような声とともに、彼らもまたきらびやかな街の光を背に、夜の中へと溶けていった。
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あとがき
担当マスター:
墨谷幽
ファンレターはマスターページから!
墨谷幽です。『悪徳』シリーズ、第三回目のリアクションをお届けいたします~。
素敵なフリーイラストを題材としてお借りしスタートした当シナリオですけれど、気付けばシリーズ化、回数も三本目を数えてしまいました。
関連イラストもたくさん作っていただけて、どうやら楽しんでいただけているようでほっと安堵しつつ、本当に嬉しく思っております。ありがとうございます~……!
さて今回も、全体のアクションをすり合わせてひとつのリアクションとするため、比較的大きなアドリブをかけさせていただいたり、アクションを取捨選択せざるを得なかったところもありました。パラレルワールドが舞台だから? なのか、特にこのシリーズはそうした傾向が大きくて、中には予期しない行動を取っておられる方もいらっしゃるかもしれません。あと、南波 太陽くんがゲスト出演してたりとか……警備員の皆さんのアクションからびびびっと来てしまって、急遽登場してもらっちゃいました。
ただ、キャラクターの根幹となるような部分は外さないよう心掛けていますので、そうしたところも含めてお楽しみいただければと思います。
次回はまだ未定ながら、これまでとはすこーしだけ、毛色の違った形のシナリオを考え中です。お楽しみにー!
それでは、今回もご参加をいただきまして、ありがとうございました!
また次のシナリオでおめにかかれますことを、心よりお待ちしております~。
お疲れさまでした!
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コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
前回シナリオ
悪徳は芳しき香りに満ちて
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
コメディ
推理・サスペンス
SF・ファンタジー
定員
20人
参加キャラクター数
21人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年06月07日
参加申し込みの期限
2016年06月14日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年06月14日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!