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悪徳は甘美な美酒の味わい
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【違算】
明かりも灯さず。支配人室に蔓延する暗闇の中、
海原 茂
は脱力するように深く椅子へ沈み込む。
ふと目に付き、デスクの上の本を開くと、ホログラムのバニーガールが宙へと浮かび上がり彼へ笑いかけるも、すぐに床へ投げ捨てた。
「……なぜ……」
なぜ、こんなことになったのだろう。海原は記憶の中、幾つかの夜を遡る。
思えば……崩壊はとうに、数日も前から始まっていたのだろう。彼は思い出す。月明かりの照らし出す、あの夜に対峙した、男女の不敵な笑みを。
目の前の男は、敵か、味方か? 海原は未だ、態度を決めかねているように見えた。
「レイズだ」
「……ずいぶんと強気じゃないか」
「それが取り柄でな。さあて、チップも残り少なくなってきたようだが……どうする」
如月 庚
は、大いに海原を揺さぶる。カードで、大胆不敵な表情や鋭い瞳で。言葉巧みに翻弄する。その駆引きを通じて、如月は大様にして、海原という男の本質を見極めていた。
つまるところ……駒に過ぎないのだ。この男は。カジノの支配人などとご立派な肩書きは、
黒崎 俊介
という後ろ盾の持つ力に威を借り甘い汁を吸うための、仮の姿でしかない。
「儲かってますかー、先輩!」
不意に聞こえた、明るい声。見れば窓枠に、ひとりの女性が腰かけている。月夜をバックに浮かびあがる、
屋敷野 梢
の姿は美しく見えたものの、海原は深々と嘆息し、
「セキュリティには金がかかっているはずだが、君たちに効果はなしか……何だね、先輩というのは?」
「なんか先輩って感じなので、先輩って呼びまーす。さてさて! 調子はどうですかー如月君?」
如月がひらりと手で示したデスクの上には、チップの山。ここまでのポーカー勝負の結果、双方の持ち金にはいくらか偏りが生まれているようだ。
屋敷野の役割のひとつは、危うい表面張力のように留まっている海原を突き崩し、如月に大勝を呼び込むことだ。
「ところで。先輩ー? これって何だか、分かりますかー?」
勝負のさなか、何気なく言って掲げたのは、スマートフォン。画面には彼女が方々飛び回り、撮影してきた動画が映し出されている。
「……! なぜ、そんなものを。お前たちは……」
「おいおい、海原さんよ。勝負の最中だぜ? よそ見は困るな」
あくまでクールな海原の能面に走る、かすかな動揺を読み取ったのかもしれない。
「伸るか反るかだ……腹ぁくくってもらおうか?」
チップの山を鷲掴み、じゃらじゃらと目の前へ落として見せてやれば、海原の顔は渋面に染まった。
そう。負けたのだ。彼は。
少し冷静になっていたなら、彼らふたりこそが、黒崎が渡して寄越した資料の中にもある厄介事請負人たちであったことにも、気づけたかもしれない。
気付いていたなら、油断は無かったかもしれない。泥棒風情に何ができると、高を括ることも無かっただろう。
グラスを傾け、秘蔵していたとっておきの酒をあおる。が、記憶の中の苦い夜に舐めた辛酸、目の前に横たわる絶望感がその味を曖昧に濁し、もはや香りのひとつも分からない。
少しでも、気付いていたなら。あの映像……『カジノ・オーシャン』の裏の顔を突き付けられながらも、この酒の味のごとくにのらりくらり、かわすことはできたかもしれないというのに。
肩をすくめる。
「なるほど。それで? 知ってどうする?」
賭けは賭け。海原にも支配人として最低限のプライドはあるのか、彼はあっさりと真実を認めた。
「確かに、君たちの言うとおり。『カジノ・オーシャン』はクロサキ機関の主導で、複数の犯罪組織による出資を元に開かれた、マネーロンダリングの担い手だ」
屋敷野の見せるスマートフォンに映り込むのは、黒崎を始め、この街で大きく名を挙げられる、主要な犯罪組織の長たちだ。そうそうたる顔ぶれこそが、彼の言葉を裏付けている。
如月は挑戦的な瞳を海原から外さずに、
「強盗、身代金、詐欺に脱税に……汚れた金はカジノを巡り、客の注ぎ込むそれと混ざり合い、洗い清められていく……って寸法だ」
「先輩は、その管理人ってところですか。見たところ先輩もそのおこぼれで、ずいぶん羽振りが良いみたいですねー?」
ぐるりと見回した支配人室は、なかなかに豪奢な作りだ。椅子やデスクはいかにも高級だし、棚に並ぶウィスキーボトルは上等なものばかり。壁に掲げられた絵画、調度品の数々、海原の身なりに至るまで、後ろ暗い業務と無縁だとは到底思えない。
「……警告しておこう。君たちがその情報をどこかへリークし、ひと儲けしようなどと考えているのなら……やめたほうがいい」
「ほう。そいつはどうしてだ?」
あくまで視線を逸らさず尋ねた如月へ、
「君たちは、一体自分たちが誰を相手にしているのか、全く理解していない。クロサキ機関を敵に回すつもりかね? それに、出資者たち全ての恨みを買うぞ。そのリスクに見合うほどのメリットが、果たしてあるのかね?」
「そいつはあんたの知ったことじゃねぇさ。俺たちは俺たちの仕事をこなすだけだ。それに……」
超然とした相棒の言葉を、にんまりと口角を上げた屋敷野が引き継いだ。
「誰を相手にしてるのか? 分かってないのは、先輩のほうなんじゃないですかー?」
事実、その通りだったのだ。万事を理解していなかったのは、海原自身。
支配人室の端末へ監視カメラの映像を回してみれば、カジノフロアには相も変わらず、白雪めいた札が舞う。客たちは熱心にそれを拾い集め、別のカメラでは、警備兵が
八咫 鏡
の部下らによって鎮圧される映像が映り込む。
事ここに至っては、黒崎はもはや海原を守ってなどくれないだろう。あの男が、カジノの支配人風情を律儀に救い出してくれるような殊勝な人物ではないことは、海原自身痛いほどに熟知している。自分は切り捨てられるだろう。
渋い顔で酒を飲み下すも、味はひとつも分からない。
「あらあら。良いご身分ですねぇ?」
音も無く。気配も無く。いつの間にか暗闇の中、ひとりの女が佇んでいた。
「……何の用だ。お前は……八咫の部下だろう?」
長い黒髪。眼鏡をかけた、気弱な美女。七瀬 明日奈は打って変わって、堂々たる足取りで歩み寄ると、
「黒崎君は、また失敗しちゃったみたいだねぇ。やれやれまったく、世話が焼けるよ」
「誰だ……お前は?」
ずるり。黒髪のウィッグを引きずるように床へ落とし、眼鏡を放り捨て、笑った。
「……!! まさか……
お前
、は……」
「どうやら君には、お仕置きが必要みたいだねぇ?」
にやりと。底冷えするような、凄絶な笑みだった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
前回シナリオ
悪徳は芳しき香りに満ちて
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
コメディ
推理・サスペンス
SF・ファンタジー
定員
20人
参加キャラクター数
21人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年06月07日
参加申し込みの期限
2016年06月14日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年06月14日 11時00分
参加キャラクター一覧
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