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『戦慄! 謎のサラリーマンと、恐怖の死亡申告書!』(8)
思い出せない。一体幾度、こうして
同じことを繰り返してきた
のだろう。
思い出せない。彼の名前は、何だったかしら? S男? T男? 彼は、何人目? そもそも、アルファベットや両手の指で数え切れるくらいだったかしら?
暗くて。重くて。息が詰まります。胸は締め付けられて。ぼんやりと現実感に乏しくて。心が底なし沼に沈んでいくような。これはまるで光さえ飲みこむ、ブラックホールのような。もはやどうあっても、逃れられないのだと。そんな暗黒からは。とうに、
朝鳥 さゆる
は身動き取れないほどに、行き詰った諦観の極みにありました。
心に巣食った絶望の穴からは、刃を手にした腕がずるり、ずるりと幾本も這い出して、さゆるの内側をずたずたに引き裂くだけで飽き足らず、行きずりの他者へすら同じものを刻み付けました。彼女の腰かけたベッドで、カエルのように開かれて赤黒い池の中に横たわる男が一体何人目なのか、一体幾度、こうして同じことを繰り返してきたのか。
思い出せない。
思い出せない。
覚えていない。覚えていたくもない。
「ああ。シャワーを浴びなきゃ」
ぬるつく裸身に不快感を覚え、同じようにぬめる柄を手放しナイフを床へ放ると、バスルームで熱い湯を存分にかぶります。気の済むまで。身体の真芯に残る悦楽の名残りとともに、汚れを丹念に洗い落とします。気の済むまで。念入りに、丹念に。
思い出せない。
覚えていない。
いつからあたしは、こうだったのかしら?
何がきっかけだったのかしら?
大切な何かまで洗い流してしまったような、正体の分からない虚無を胸に抱いて、さゆるは延々と、飽きずに身体を清めます。
「ちょっと、君。君!」
ああ。うっとおしい。声をかけた警察官を、ゆっくりと振り向いたさゆるは、気だるく見つめ返します。あなたは、何人目? アルファベットや両手の指が、まだ足りるかしら?
「こんな深夜に、何をしてるんだ? 女の子がひとりで……ご両親は? 家はどこ?」
覚えていない。覚えていたくもない。黙って去ってしまおうとしたら腕を掴まれて、相手をするのも面倒になり、さゆるはナイフを男の胸を差し込みます。ひゅう、と喉を通る呼気が疑問の色に染まるまでに、喉元を水平に。ああ、見覚えのある色だわ。
「な……何やってるんだ、お前!?」
ああ、お仲間がいたの。ちょうどいいわ。あっけなく倒れ込んだ警官のホルスターから銃を抜いて、銃口をもうひとりに向けて引き金をかちり。弾は出ない。安全装置というやつ? 使えないわね、やっぱりあたしには、こっちのほうが合ってるわ。腹部と背中へ、ナイフを一度ずつ。
夜の街に赤と青、目に痛いほど、無数の回転灯。やかましくわめき散らすサイレンを、暗がりに身を潜めてやり過ごし。時に何も知らない行きずりの男をホテルへ引っ張り込み、時に声をかけてきた警察官を黙らせて。そんな夜を幾度か繰り返すうち、いつしかさゆるは、追われる身となっていました。あちらへ行けばサイレンが彼女を追いかけ、こちらへ逃げれば、赤と青の回転灯が追いすがり。いつからそんなものばかり、相手にしていたのだろう。思い出せない。
ぴりぴりとスマートフォンがメールの着信を知らせ、さゆるは真っ暗な路地裏に潜みながら、ニュース速報を開きます。連続殺人犯、依然逃走中。名前は朝鳥。さゆる。15歳。身長174cm。黒髪のショートカット。栗色の瞳。ナイフを所持。
なぜ、こんなにも逃げ続けるのだろう。さゆるは、首を傾げます。彼女の得た能力は、散発的に彼女を追い詰めようとやってくる警官たちの敵意から、止めどなく彼女を守ります。強化された身体能力と、彼女の目ざとさがあれば、銃の一丁や二丁から射線を外すくらいの芸当はやってのけることができました。
なぜ、そんなものに縋ってまで、生き延びているのだろう。さゆるには、分かりません。逃げた先に、何があるわけでもないのに。捕まったところで、この絶望に勝る闇などありはしないのに。むしろ全身を突き抜ける弾丸の感触は、きっと、心地良い救いであるだろうとすら思えるのに。
「……どうして……」
「動くな!!」
夜の中に、ばたばたと慌ただしい足音と、見分けの付かない濃紺色の制服姿が幾つも。
「見つけました! あの女です! 朝鳥です!」
「動くな、動くなよ!! 武器を捨てて腹這いになれ、早く!!」
「至急応援を! 応援を!」
「動くな……動くなと言ってるんだ、おい!! お前!!」
「…………いかがだったかしら?」
ああ。こんな瞬間をこそ、自分は望んでいたのかも。さゆるは久方ぶりに心へ浮上した明るい気持ちに表情を緩めて、肩を震わせるほど、こらえきれない笑いを漏らして。
ぐり、と首を巡らせ、自分を撮影し続ける黒猫の、曇りないカメラ・レンズへと。
「この血塗れのコメディ。その結末を……とくと、ご覧あれ」
「う、う、動くなと……言ってっ!!」
一発の銃声は、やがて二発に。三発に。無数の銃声となって、夜を引き裂いて。
「…………さよなら」
長い茶番へ、さゆるはようやくにして、幕を下ろしました。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
1000人
参加キャラクター数
81人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年07月23日
参加申し込みの期限
2016年07月30日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年07月30日 11時00分
参加キャラクター一覧
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