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パーフェクトワールドⅡ ~苺の宮殿に堕天の鴉は嗤う~
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地下迷宮に、またもや居心地の悪さを纏った沈黙が落ちる。
そんな中、一連の騒ぎを全く意に介さずひたすらにスケッチをしていた
茨城 音夢
が、不意に口を開いた。
「ねえ、めんどくさいけど一つしつもーん」
スケッチブックの頁を捲りながら、さして興味なさげに言うことには。
「今の話だと、そこのオカマとは敵対することになるわけー?」
それって最高に面倒なんだけどー、との音夢の言に、
「あら、その点は心配いらないわん♪ ここは一時共闘しないと、お互い目的を達成できないでしょ?」
と、
ミッシェル・ナイスゲイ
は対イケメン用の(本人的には)格別セクシーな笑顔で応じた。
けれど、音夢はもうミッシェルの顔なんて見ていない。
「ふーん。ま、別にいいけど。ボクは誰が誰の駒になろうが盤上から落とされようが構いやしないしー」
なんて、スケッチブックを捲り、これまでに描いた絵を見返している音夢である。
「翼獣達助けてあげたいし、ボク達も解決のヒント掴むためにクローネには会わなくちゃだろうしねー」
自分達を助けたいとの音夢の言葉に、タナトスが嬉しそうに頭を音夢の身体に擦り寄せる。
けれど相変わらず、翼の生えた仲間から犬杜 初に向けられる眼差しは険呑なもので、
「猪少女――彼女とは大天使がお話したいみたいだし? 任せようよ」
と、音夢はタナトスの頭を撫で、宥めるようにそう声を零した。
同じく初を警戒し毛を逆立てているミーシャの背を撫でながら、
ロベルト・エメリヤノフ
。
「さて、そっちはどうするつもりなのかな?」
「どうって……」
「現実的な選択肢として、僕らと一緒に行くっていう道もあるって話だよ」
ロベルトとしても、当然、初に気を許しているわけではない。しかし。
(……こうなってしまった以上、彼女を野放しにするのも危険だよね)
状況を冷静に鑑みれば、初と行動を共にするのは彼女に零した言葉の通り『現実的な選択肢』だとの判断だ。
にこり、人好きのするような笑みを向けられて、初は細いため息を一つ。
「……確かに、あんたの言う通りね。クローネ様の元に辿り着く為に協力する、誓うわ」
その先のことは保証できないけど、との言葉に、ロベルトは頷いた。
「じゃあ、決まりだね。一時的な協力関係、ってことで」
敢えて明るい声を上げるロベルトの傍らで、ミーシャが低く唸る。
手を組むというのなら、ミーシャとタナトスに何とか理解してもらわなくてはいけない。
ロベルトは「大丈夫」とミーシャに囁くと、荷物からスケッチブックを取り出した。
冷たい床に腰を下ろして、白い頁に筆を走らせる。
やがて描き終えた絵を、ロベルトはミーシャ達の前に広げてみせた。
絵の中、赤髪の青年は少女と握手をしているけれど、その背に翼獣を庇っている。
「ええっと……状況を打破する為に、彼女と一旦協力することにしたんだ」
絵の中の少女を指しながらのロベルトの言葉に、顔を見合わせるミーシャとタナトス。
信頼するロベルト達が敵視している相手と手を組むと理解したらしく、その瞳には不安の色が濃い。
そこにごく僅かながら疑念が混ざっているのも見て取って、ロベルトは丁寧に言葉を続ける。
「心配しないで。僕も茨城も誓ってミーシャ達の味方だ、それは変わらない」
もし彼女が敵対的な行動を取ったなら、と、ロベルトは再び絵を指し示した。
「この絵の通りに、必ず対処するよ。彼女の好きにはさせない、絶対に」
その言い様に初が何か言いたげな顔をしたが、結局彼女は口を開かずに終わる。
一方、ミーシャはロベルトの誠心誠意の言葉に一応は納得した様子で、
「っはは、ミーシャ、くすぐったいよ!」
その言葉を信じる、と口にできない代わりのように、ロベルトの顔を舐めた。
タナトスも、音夢に静かに頬を寄せる。
何かあれば、自分の方こそ音夢を守るとでも言いたげだ。
「ん、タナトス、改めてよろしくねー」
翼獣達の落ち着いたのを見て留めて、
桜庭 円
が改めて初へと声を掛ける。
「ねえ、初ちゃん。従兄弟の一閃さんの件だけどさ……彼氏?」
初を庇うようにして立っている
大天使 天吏
の後ろで、初が「はあっ!?」と素っ頓狂な声を上げた。
「一体、何をどうしたらそうなるわけ? あんた、どういう思考回路してるのよ」
「いや、あれは初ちゃんしか眼中にない反応だよ」
言い切る円は、どこまでも大真面目だ。
心底呆れ返ったような顔をして、初が言う。
「お兄ちゃんは過保護なだけよ。お互い他に家族はいないし、保護者みたいなものだから」
「そっか、そうなんだ。……でもいずれにせよ、君が居なくなると、たぶん彼は潰れるね」
今度の台詞には、初は苦いような痛いような顔になった。
その唇から、躊躇いがちに音が紡がれる。
「……ういには、関係ない」
とても本心からそう思っているようには聞こえない声だ。
(……無自覚なのかもしれないけど、上手いわね)
天吏は頭の中に情報を整理しながら、密かにそんなことを思う。
ズバズバと切り込んでも嫌味さを感じさせない円の邪気のなさ。
それは天吏が内心舌を巻いた通りに円の武器になり、少なくない情報を引き出していく。
「この世界は、一閃さんが作ったんだよね?」
「……さあ、どうかしら」
「まあ、返事はどっちでもいいや。とにかくボクは、この変化を生んだのは彼だと思うんだよね」
痛めつけられた様子の初を見て、犬杜 一閃は叫び声を上げていた。
それと同時に地下迷宮が生まれ、そのせいで一閃は消耗したのではないか。
円が語った仮説に、初は何も応えなかった。けれどその表情はごく固いもので、
(今の話にも、何かしら思うことがあるのかしら?)
と、天吏は頭を働かせた。全てが正解でないにしても、どこか引っ掛かるものがあるのかもしれない。
「あら。そうだとしたら私も、不本意ながらこの状況を呼び寄せた張本人の一人ってことでしょうか?」
楽しげに歌うようにして、
エレノア・エインズワース
が挑発めいた物言いをする。
元より今は、徹底的に初にとっての悪役に徹するつもりのエレノア。
その立場だからこそ、引き摺り出せる話もあるかもしれないとの考えだ。かくして初は、
「……そんなの、わかんないわよ。わかんないことだらけだから、早くクローネ様にお会いしたいの!」
と、その本心を剥き出しにした。
エレノアの顔に、見目だけはどこまでも麗しい笑みが浮かぶ。
「ああん、もう、その子のことはどうだっていいわ~ん!」
いい加減焦れたというふうで、ミッシェルが声を上げた。
「さっさと進みましょ。アナタだって、それでいいのよねん?」
ミッシェルの問いに、初がふてくされたような顔でこくりと頷く。
「それじゃ、とにかく先へ進もうか。何が起こるかわからないから、用心しないとね」
ロベルトが音頭を取り一同が動き出す中、ちらり、初の背中へと赤い眼差しを遣る円。
(ボク達を呼んだのは、一閃さんだと思う)
家族愛かそれ以上のものかはわからないが、一閃は先ず間違いなく初のことを愛しているのだろう。
(初ちゃんを救いたくて、だけど、どうしたらいいのか良く解らなくて)
故に自分達はこの世界へと呼び込まれてしまったのではないか、円はどうにもそんな気がしてならない。
(だとしたら……ボクは、その気持ちに応えたい)
確固たる決意を胸に、円もまた、前を行く仲間達の背を追って歩き始めた。
その後ろで、音夢はぱたりとスケッチブックの頁を閉じる。
音夢のスケッチブックの一頁には、ろっこんを用いて地下迷宮の望みが描かれていた。
絵の形になったのは、入り込んだ者達を全て飲み込む暗黒だ。
(ボクらを食らうのがこの場所の望み……あーあ、めんどくさい)
そして音夢はまた――密か、天吏と初の望みも描き出していた。
天吏の絵には、糸に繰られる少女の姿をした操り人形。
初の絵には、多くの人間に囲まれて笑っている――恐らくは彼女自身が描かれている。
音夢は『誰が誰の駒になろうが盤上から落とされようが』特段気にするつもりはない。
それは、先ほど皆の前で口にした通り、彼の本心だ。けれど。
(ボク、自分が利用されるのは大ッ嫌いなんだよね。だから、自衛の為)
そして音夢には、クローネを描くという目標もある。
「――さて、カミサマの望みってなんなんだろうね」
誰にも聞こえない小さな声で呟いて、音夢はマイペースな足取りで一行の後についた。
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担当ゲームマスター
巴めろ
前回シナリオ
パーフェクトワールドⅠ ~音楽教師は白亜の鳥籠に眠る~
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
冒険
SF・ファンタジー
バトル
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年06月19日
参加申し込みの期限
2016年06月26日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年06月26日 11時00分
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