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パーフェクトワールドⅡ ~苺の宮殿に堕天の鴉は嗤う~
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石造りの迷宮の内は、暗く、冷たく、淀んでいた。
地上と地下迷宮を繋ぐ穴が完全に塞がれてしまったのを見上げて確かめながら、
「はぁぁ、結構落ちたねぇ」
なんて、
壬生 由貴奈
はのんびりと、けれど冷静に現在の状況を分析する。
「いてて……」
落下した際に打ってしまった腰を擦るのは
来島 アカリ
だ。
「あーもー、どうなって……って、ここ、どこだろ……?」
学校の帰りだったはずなのに、気づいたらそこは知らない世界。
しかも、先ほどまではメルヘン全開の世界に足をつけていたのに、今は黴臭い通路の中だ。
急流に放り込まれたような勢いで目まぐるしく変わる状況にアカリが首を傾ければ、
「地下に放り込まれたみたいね。放り込まれた、という表現が正確かはまだわからないけど」
と、立ち上がり、服についた埃を払っていた
仙藤 紫
が淡々として応じる。
そうして、思案げにひとりごちることには。
「……あの化け物みたいな城と同調していたということは、何か繋がりがあるのかしら」
「その可能性が高いかと。ともかく、みんな、怪我はないか?」
赤い眼差しを油断なく周囲に走らせながら、
サキリ・デイジーカッター
が問いを零す。
「は、はい……。私は、大丈夫です……津止先生、も……」
同じく崩落に巻き込まれたらしい
津止 孝道
先生に手を貸しながら、
勅使河原 悠
が応じた。
沈着な声の奥に心配の色を滲ませていたサキリが、一行の無事にやれと安堵の息を吐く。
「他のみんなとは分断されたみたいだね。ここは……先生も入れて6人、か」
「それと、翼獣達だねぇ。ミケも、うん、無事でよかった」
ミケと名付けた翼獣がこちらの身を案じるように身を寄せてくれば、
「うんうん、うちも大丈夫だよぉ」
ありがとねぇ、と、由貴奈はミケの黒く艶やかな毛並みをもふもふもふもふ。
中々のもふっぷりだが、しょうがないなという顔はしながらもミケも何だか嬉しそう。
悠の傍らにも、彼女に懐いている若い翼獣がぴたとひっついている。
その様子は悠を守ると思い決めているように見えて、
「ありがとうございます……」
と、悠は恐怖に強張っていた顔を幾らか和らがせた。
そこで、ふと気づく。
この、大切な相棒を呼ぶ為の名前を、自分が持ち合わせていないことに。
(不便、な気もする……だけど、名前で呼ぶ、っていう概念はあるのかどうか……)
相変わらずもふもふを楽しんでいる由貴奈へと、視線を移す悠。
由貴奈とミケを見る限り問題はなさそうだけれどと、思案に眉を下げた、その時。
「なあ、あいつも俺達の仲間かな?」
アカリが、不意にそんなことを言った。
彼の視線を、皆が追う。
そこには、こちらへと向かってくる一頭の翼獣の姿があった。
「んーと、多分そうだと思うよぉ。おーい」
アカリの言葉に応じて、由貴奈が翼獣へとひらと手を振ってみせる。
翼獣は由貴奈を見て、それから一行の中に悠の姿も見つけて、
「成る程。随分懐かれているんだね、思った以上だ」
と、サキリが感心混じりの声を漏らしたように、目に見えて警戒の色を失くした。
「嬉しそうね。だけど……この子には、パートナーはいないのかしら?」
すっかり安心した様子でミケ達と無事を確かめ合うはぐれ翼獣を見遣って、紫が言う。
その声を耳に、アカリは愛らしいかんばせに、ちょっと切ないような表情を乗せた。
「こいつ、巻き込まれちまったのかな……」
翼獣の仲間はいるし、由貴奈たちへの親愛の情だってはっきりと見て取れる。
けれど、目の前の翼獣には、ミケ達とは違い『特別な人間』が少なくともここにはいない。
「……仲良く、なれないかな」
ぽつり、零した声を由貴奈の耳が拾う。
「きみ次第で仲良くなれるんじゃない? 誠意を尽くせば、応えてくれる子達だから」
「誠意……」
ミケをもふもふしながらの由貴奈の言葉を、アカリは口の中に繰り返した。
そして、はぐれ翼獣の元へと静かに歩み寄る。
両手を上げて、敵意は一切ないのだと訴えながら。
翼獣の眼差しが、アカリへと真っ直ぐに注がれた。
こくと唾を飲み込んで、アカリは自身の胸の内を誠実に語る。
「……仲良くなりたいんだ。よく解んないで巻き込まれた、俺みたいでさ」
基本的に口が悪く、素直になれないタイプのアカリである。
大勢の前で心底からの気持ちを言葉にする面映ゆさに、その表情は少し難しいものだが、
「ちょっと親近感っていうか、ほっとけないっていうか……?」
精一杯紡いだ彼なりの誠実さは、翼獣に捻じ曲がることなく届いたようだった。
アカリの傍へと自ら歩みを進めた翼獣が、どこか尊大な態度でアカリの顔を見上げる。
群れを救った者達の仲間なら認めてやらなくもない、とでも言いたげな顔だ。
その上から目線に、アカリは少し笑ってしまった。
「あ……そうだ、俺、蒸しパン持ってるぞ」
スクールバッグから、いそいそと取り出した蒸しパンを、安全だと示す為に一口ぱくり。
そうしてそれを床に置こうとすれば、翼獣はアカリの手から直接蒸しパンを食べた。
まどろっこしいと言わんばかりの態度は、生意気にも見えるが信頼の裏返しだろう。
一人と一頭の様子に、サキリはくつと喉を鳴らした。
「似た者同士、って感じだな」
「ええ、いいコンビなんじゃないかしら」
サキリの呟きに、紫が静かに応じる。
その目前で、蒸しパンを丸ごと奪われそうになったアカリが「あっ、こら!」と声を上げた。
(……ろっこん、今回は必要なかったな)
視覚化しなくとも想いが伝わった嬉しさに、アカリは頬を緩ませる。
その様子に、傍らの翼獣の背を柔らかく撫でてやりながら、悠は再び思案の底。
(私も……もう一歩、踏み出したい……!)
迷いを断ち切って、「あの……」と翼獣へと声を向ける。
顔を上げた翼獣が、悠の神妙な面持ちに不思議そうに首を傾けた。
「私も、あなたに、名前を贈っても、いいですか……?」
懸命に音を紡げば、翼獣は勿論だとばかりに目を細め、悠に頭を擦り寄せて。
詰めていた息をほっと吐いて、悠はその顔を優しい微笑で彩る。
「ありがとう、ございます……ええと、改めてよろしくお願いしますね、レオ……」
翼獣改めレオが、嬉しそうに一声鳴いた。
「みんな、話はついたみたいだな。さて、それじゃあ先に進もうか」
「そうだねぇ。これは進むしかないみたい」
サキリの呼び掛けに、由貴奈が応じる。
通路は一本道、片側は行き止まりだ。ならば進むべき道は、一つだけ。
「よくわかんねーけど、とにかく先に進まないことには始まらない……よな」
そう零したアカリの背を、翼獣が急かすように励ますようにぐいと押す。
そうして一行は、闇の色が深い地下迷宮を奥へ奥へと進み始めた。
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巴めろ
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パーフェクトワールドⅠ ~音楽教師は白亜の鳥籠に眠る~
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3人まで
シナリオジャンル
冒険
SF・ファンタジー
バトル
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年06月19日
参加申し込みの期限
2016年06月26日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年06月26日 11時00分
参加キャラクター一覧
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