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パーフェクトワールドⅡ ~苺の宮殿に堕天の鴉は嗤う~
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それから間もなくして、ごく短い間中断されていた鍵(と日記の頁)探しが再開された。
一仕事を終えた
恵御納 夏朝
と
御巫 時子
は、昏々と眠っている。
「シュー君、大丈夫?」
まだ頭をぼんやりとはさせながらも、
椿 美咲紀
の心遣いを確かに汲み取って、
「何とか、な……ありがとう、美咲紀」
と、床に腰を下ろして頭を抑えている
八神 修
は、美咲紀へと仄か微笑を向けた。
「ぬいぐるみやクッションなんかも怪しいかもなー」
なんて、苺柄のワンピースを着た兎のぬいぐるみを手に取るは
卯木 衛
。
その声に「成る程」と頷いて、
呉井 陽太
も複数あるクッションに目星をつけた。
一つ一つ手に取り、触り心地に違和感がある物はないかと陽太は丁寧に検めていく。
幾度かその作業を繰り返した末に――陽太は、それを見つけ出した。
「このクッション……中に何か入ってる? 綿の奥に固い物がある気がするよぅ」
躊躇いがないではないが、あまり悩んでいる場合ではない。
陽太は「ごめんなさい」と手を合わせると、エメラルドを思わせる刃のような葉を、クッションに滑らせた。
そこでふと、陽太は思いつきに振り返る。
「そーだ、確か、大罪に当てはまる花言葉があった気がするよぅ」
絵の残りを調べていた
楢木 春彦
が、陽太の方へと顔を向け、丁度目が合った。
「扉の先は『傲慢』の温室、だよねぃ。傲慢は……デルフィニウム、だったかな?」
「でるふぃ……何だ?」
ええっと、と、陽太は春彦に、デルフィニウムの特徴を端的に説明する。
話を聞き終えて、春彦がこくと頷いた。
「わかった、テーブルは俺が調べてたし、それも責任持って調べてくる」
「よろしくねぃ。あ、ついでに花瓶も調べた方が良さそうかも」
「うっし、任せとけ!」
請け負って、春彦は急ぎテーブルへと戻る。
「花、花……うーん、これは違うっぽいか……?」
花瓶の中には、現実世界に存在するのかも怪しい、メルヘンチックな様相の花。
また花瓶自体は、苺模様が目立つばかりで特におかしな点は見当たらない。
「つーかこの花……また平和なのは見た目だけー、ってやつじゃねぇだろーな」
なんて細心の注意を払いつつ、春彦は花瓶から花を抜き取る。
そして、花瓶の底を覗き込めば。
「……ん? 何だ?」
水底には、黒い光が静かに沈んでいた。
慎重に取り出して、手に取る。
それは、黒く怪しい輝きを放つ、小さな石の欠片だった。
触れると、ほんの僅かだけ引き込まれるような何かを感じる。
春彦は、石の欠片を手に目を見開いた。
「これ……もしかして、悪魂石か!?」
思わぬところでとび出した険呑なワードに、部屋に俄かにざわめきが生じる。
「ちょっと見せてくれないか?」
と、
御剣 刀
が緊張を帯びた声を出して春彦に頼んだ。
以前、悪魂石の欠片に実際に触れ、それを他の世界へと送り込んだことのある刀である。
触れて、確かめて――刀は、僅か眉を顰めた。
「見た目は以前触った悪魂石の欠片と同じだ。なのに……」
――この欠片からは、あの時と違って邪悪なオーラが殆ど感じられない。
重々しい刀の言葉に、常の調子に幾らか近づきつつある修が難しい顔をする。
「本物を模した作り物なのか、或いは、本物が何らかの変化を?」
問いに、明確な答えは出ない。
「……とりあえず、念の為に確保はしとくか」
真剣な面持ちでそう呟いて、春彦は謎の欠片を失くさぬように仕舞い込んだ。
辺りに、何とはなしに重い沈黙が落ちる。それを打ち破ったのは、
「皆、これ見てよぅ!」
という、陽太の声。敢えて明るく、朗々と響かされたその声に皆が振り向く。
夏朝と時子も、ようやっとお菓子の効果が切れてきたようで、
「あれ……僕……」
「私……寝ちゃってました……?」
なんて、それぞれにまだ少しぼんやりとはしながらも、目を覚まして陽太を見た。
陽太の手に皆が見たのは――星の形をしたオーナメントのような物。
それは本物の星のように、見惚れるような煌めきを帯びている。
「星! きっと扉の鍵だ!」
衛の声が、陽太の手の中の星以上に眩しいような響きを得た。
欠片の存在に曇っていた修の顔も、見出した光明に晴れる。
「恐らく、これで先に進めるな。準備が整ったら……」
「ま、待ってほしいのですよ!」
修の言葉に、美咲紀が慌てたように声を被せた。
「写真を! あれもこれも、見つけた物の写真を撮っておきたいの!」
「……それ、前に失敗してなかったか?」
勢い込んだ美咲紀の様子を目の当たりにしながらも、修が一応という感じで問う。
けれど美咲紀は、ぐっ! と力強く拳を握った。
「野っ原では駄目だったけど、ここはどうかわからないもん!」
懸命という言葉がぴったりの主張に、修は優しい苦笑を一つ。
「そうだな、何事も試してみないとわからない。他にもやるべきことはあるし」
この言葉に、美咲紀の顔があっという間にぱあっと明るくなる。
かくして一行は、扉の向こうに進む為の準備に取り掛かった。
美咲紀が、ここでもカメラが桃色の砂嵐しか捉えないことに、
「ううっ、また完敗なのです……!」
なんて、がくりと肩を落としてルークに顔を寄せられ慰められる中、
「うーん……日付がないので、並び変えは難しいですね……」
という具合に、時子は見つけ出した9枚の日記の頁と睨めっこ。
ちなみに、後から探し出した6枚にはそれぞれ、
『あれの弱点を見つけた。面倒臭いが、観察してみる価値はありそうだ』
『この世界の唯一の原住民はどうやら私に懐いたらしい。たっぷり可愛がってやろう』
『何て素敵。思い描いたままの世界だ。本物を手に入れるまで、精々踊り狂って頂戴』
『強情な駒だ。腹立たしい。従順になるまで閉じ込めておこう。あの能力は私のものだ』
『あれのおまけが面白いものを見つける。おまけにしては上出来の働きじゃないの』
『傷付いた心の隙に入り込むのはあまりにも容易い。これであれも、私の言いなりだ』
と、記されていた。時子の隣、その内容に目を通していた衛が、カイと一緒に首を傾げる。
「なんていうか……もっとわかりやすく書いてくれって感じだよな」
なんて、腕組みをして文句を零す衛である。
一方夏朝は、ベッドに腰掛けている犬杜 一閃へと話し掛けていた。
奮闘の末に眠ってしまっていた夏朝、自分の頑張りの結果と一閃の様子が気になったのだ。
「ちゃんと成功したんだ……顔色、少し良くなったね」
ほっと安堵の息を吐く夏朝の姿に、一閃はほんの僅かながら目元を和らげる。
「ああ……これで、まだ守れる。お前には、礼を言うことばかりだ」
まだ守れる、という言葉にどこか引っ掛かるものを感じながらも、
「僕がやりたくてやったことだし皆のお陰だから……だけど、良かった」
と、夏朝はどこまでも真摯に応じてみせたのだった。
部屋の片隅、春彦と2人で、陽太は「うーん」と頭を捻る。
「結局、地下の石像のことはわからなかったねぃ」
「だな。ゴーレムも何とかなったし先にも進めそうだけど……あー、もやもやするぜ!」
そんなやり取りを耳に留めて、「ちょっといいか」と2人に声を掛ける刀。
「さっき、花の話をしてただろ? 温室の名前が、大罪と関係あるんじゃないかって」
その話を聞いて考えが纏まったのだと、刀は言葉を続ける。
「鍵はこの部屋にあったけど、地下の獅子の像にも何かあるかもしれない」
「獅子の像? そういや、まだ調べてないな……」
「傲慢の大罪はルシファーや『獅子』に当たるし、明けの明星も示すから」
刀の言に、春彦と陽太は顔を見合わせた。
「おい、呉井」
「うん。調べてみる価値、ありそうだねぃ」
鍵と思しき物は既に見つけ出している。けれど。
「……調べてみるか?」
刀が言い、2人はそれに頷きで応えた。
3人(とリブとムク)が急ぎ地下に向かうのを横目に、時子はテーブルの上のお菓子へと手を伸ばす。
今もう一度お菓子を食べようというのではなく、
「これ、後々使えるかもしれませんよね……」
という考えからの行動だ。お菓子を幾らか、ポケットの中に仕舞う。
(修さんが調べてくださった感じでは、効果を見分ける術は現状なさそうですが……)
時子もまた、ここがクローネの部屋なら効果がランダムなはずはないと思っていた。
故に、残念な気持ちもないではないのだが、念の為である。
そんなふうにして着々と準備が整う中、刀達が、息せき切って地下から帰還した。
春彦が、息を整える間も惜しんで声を上げる。
「地下! 御剣の言う通りだった!」
興奮のあまり要領を得ない春彦の言葉を、陽太が通訳。
「獅子の石像だけ動いたんだよぅ。そしたら、あの扉がゴゴゴゴって開いて」
「まあ、覗き込んでもどこに通じてるのかわからない、また妙な入り口だったんだけどな」
陽太の言葉を、少し渋い顔で刀が継いだ。
目の前には、傲慢の温室へと続くらしい扉。地下にも不思議な入り口。
どちらを選ぶかは、それぞれの判断次第だが、
「とにかく、先ずは扉に鍵を填めてみるか」
皆やりたいことは尽くしたみたいだし、と修が促す。
頷いて、陽太は手に入れた星を扉の窪みへと静かに填めた。そして――。
太陽と、月と、星明かり。
全てを得たことを喜ぶように、3つの扉はかちゃりと鍵の外れる音を零した。
――扉の向こうは、今はまだ誰も知らない場所へと通じている。
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あとがき
担当マスター:
巴めろ
ファンレターはマスターページから!
お世話になっております、ゲームマスターの巴めろです。
まずは、ご参加くださった皆様、本当にありがとうございました!
このシリーズも皆様のお陰で第2話目を迎えまして、
今回もお預かりした皆様の素敵なアクションに胸を躍らせ、
皆様から頂いたわくわくをリアクションを通してお返しできますようにと、
心より願いながら執筆に当たらせていただいた次第です。
皆様のパワーが、ここに至るまでの展開を生み出しました。
クローネや乙女チック異世界の秘密も益々その姿を確かにし始めましたが、
この度PC様方が掴み取った情報の数々は全て、
皆様がアクションに力を注いでくださった結果として得られたものです。
断片的な情報も多く、謎が増えたり深まったりということも多いかと存じますが、
これはこういうことじゃないかな? 等々の推理も、楽しんでいただけましたら有り難い限りです。
また、推理といえば、3つの扉全てに鍵を填めるという正攻法なルート以外に、
地下迷宮を通る3つのルートにはそれぞれ裏ルートがございまして、
マスコメに色々とヒントを散りばめてあったのですが、
そちらにも色々な推理を頂きました末にこの結果に辿り着きました。
この先にも関わってくる部分ですのでリアクション以上のネタばらしはできませんが、
PL様・PC様共、本当にお疲れ様でございました。
重ねてになりますが、ご参加くださった皆様に本当に心からの感謝を。
第3話でも、ご縁がありますことを心より願っております。
なお、今回も皆様に個別コメントをご用意させていただきましたので、
お時間がある時にでもお目通しいただけますと嬉しく存じます。
へんてこな異世界での冒険はまだ終わりませんが、
例によって時空の歪みやらのあれやこれで他のシナリオには問題なくご参加いただけます。
この先に待ち受けるものに興味を持ってくださった方々も、
どうぞ寝子島での素敵なフツウの日々を存分にお楽しみくださいませ。
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巴めろ
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シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
冒険
SF・ファンタジー
バトル
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年06月19日
参加申し込みの期限
2016年06月26日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年06月26日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!