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パーフェクトワールドⅡ ~苺の宮殿に堕天の鴉は嗤う~
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広々とした、なのにどこか窮屈な印象を与える迷宮の通路を、かさそこと毛玉が行く。
通路の雰囲気に怯えの色を見せている
勅使河原 悠
はその音にびくりと肩を跳ねさせたが、
「レオ……あ、ありがとう、ございます……!」
彼女が名前を与えた翼獣は、悠の服の裾を咥えて引っ張ると、大丈夫だと目で訴えた。
(そう、大丈夫……私一人じゃない、から……)
同行する仲間達の存在は、悠の胸に勇気を注ぎ込むものだ。
悠は恐れを胸の底に押し込めると、傍らを歩く
津止 孝道
先生へと声を掛けた。
「あの、体調はもう、大丈夫、でしょうか……?」
「……ああ」
手を貸す必要があればと思っての質問だったが、返ったのはごく短い言葉。
端的な返事はどうにもそっけないものだけれど、その声音は冷淡なものではない。
それに格別無理をしているようでもなさそうだと、悠は胸中に安堵の息を吐いた。
また、一行が進む通路には、毛玉の他に空飛ぶぬいぐるみの姿も見られるのだが、
「あのぬいぐるみ、危ないって聞いたけど本当に全然近寄ってこねーな」
と、
来島 アカリ
が零した通り、ぬいぐるみ達は彼らをそそくさと避けている様子。
本当に、と言ったのは、ぬいぐるみの習性をアカリも情報として知っているからである。
「それだけじゃない、かもしれないけどね」
携帯しているナイフに衣服の上から触れて、
サキリ・デイジーカッター
が言った。
ぬいぐるみの仲間を屠ったナイフを、彼は今も所持している。
サキリの言葉にアカリは不思議そうな顔をしたが、その唇から問いは紡がれず。何故なら、
「……そういえば」
と、
壬生 由貴奈
が思い出したように口を開いた方が早かったのだ。
由貴奈は、眠たげに見える眼差しを津止先生の方へと寄越した。
「落ちる直前に、津止せんせー何か言いかけてたよね」
あの時何を言おうとしたのか、との問いに、津止先生の足が止まる。
常と変らぬ仏頂面の向こう、津止先生は何やら思案を巡らせている様子だったが、
「これは僕の見立てだけど、先生には特別な秘密――おそらくろっこんがある、とか」
あれだけ厳重な鳥籠に囚われていたくらいだし、との言葉に、その目が僅か瞠られた。
仮説を口にしたサキリは、その様子に「ビンゴかな」と仄か口の端を上げる。
「他にも幾つか仮説はあるけど、こちらから一方的に攻めるだけでは不公平だし……先生からも聞きたいことがあれば、先にどうぞ」
可能な範囲でにはなるが説明する、と、サキリが笑みを向けて促せば、
「……特には、ない」
と、津止先生はどこまでも彼らしく、仏頂面を余計にしかつめらしくしてそう応じた。
「ということは、せんせーもうちらと同じもれいびってことになるのかぁ」
由貴奈の呟きに、暫しの逡巡の後――津止先生は、頷くことで応える。
それを見留めて、由貴奈は口元に手を宛がった。
「ええと、せんせーを捕えようとしたのはクローネ、で合ってる?」
独り言めいた確認の言葉。津止先生は、また無言で首肯する。
静かに話を聞いていた
仙藤 紫
が、整った眉を僅か寄せた。
「だとしたら、先生の能力は少なくともなにかしらクローネの目を引くものと見るべきね」
更に言葉を続ける紫の声は、状況の危うさを鑑みてこその固さを帯びたものだ。
「関心のない相手をそうやって扱う真似は、いくらクローネが退屈凌ぎで混乱を起こすとはいえ考え難いわ」
その懸念を、杞憂だと笑い飛ばす者はここにはいない。
お得意の気紛れだったらまだいいのだけど、と付け足して、紫は一旦口を閉じた。
由貴奈が、「うーん」と、ちょっと難しいような声を出す。
「野放しは困るってことかなぁ。だとしたら……どんな力か、気になる」
ちらと見遣れば、津止先生は、相変わらず何を考えているのか、難しい顔だ。
サキリが、再び口を開いた。
「見立てをもう一つ。もしかして先生は僕達と違い、自発的にこの世界に来たんじゃ?」
ぴくり、津止先生の眉が僅かに動く。
自分を見る眼差しに混じる怪訝な色に、サキリは苦い微笑を漏らした。ただの見立てだ、と。
「現に、先生は能力の原理は理解してないと思ってたけど、こっちは外れだったし……」
最初の問いへの反応を見るまでは、実際にそのように当たりをつけていたサキリである。
自身や仲間達の問いとそれに対する津止先生の対応が、サキリの考えをより深めていく。
こちらも皆の話を耳に、むう、と思案顔を作って音を紡ぐアカリ。
「先生が自分でこの世界に来たっていう、その力が狙われてるってことか?」
「そうだけど……それだけじゃないんじゃないかと、僕は思ってる」
謎掛けのようなサキリの言葉に、アカリの首がこてんと傾く。
すっかりアカリのことが気に入ったらしい翼獣が、アカリの背を頭で突いた。
「えっと……負けるなって? そうは言っても、俺には先生を絶対守るぞ、としか……って、うわっ!?」
また突かれた。真っ直ぐな言葉と微笑ましいやり取りに場の空気がいい意味で緩む中、
「この世界に自分の意思で来たなら、逆のこともできるのでは?」
と、サキリが彼の持つナイフのように鋭く攻め込んでいく。
「この歪んだ世界から、寝子島の現実世界に干渉できるとしたら……」
それは悪用されると凄まじく危険なことだと、サキリは言葉を切った。
津止先生が、覚悟を決めたようにぽつと口を開く。
「……干渉、等という大仰なものではない」
恐らくあちらに戻ることもできる、それだけだ、との言葉にアカリは目を丸くした。
「なら、今すぐ寝子島に帰れたりとかは……」
「……この場所では不可能だ」
曰く、津止先生の能力は特定の場所に出入り口のようなものが見える、というものであるらしい。
そして、今回の経験から、その出入り口は世界と別の世界を繋ぐものではないかと。
「……出入り口にとび込んだのは今回が初めてだ。詳しいことはわからない」
そこまで言って、津止先生は紫へと視線を移した。
「……先ほどの言は正解だ。あのカラスは私に、力を貸せと言っていた」
それきり、津止先生はまた口を真一文字に引き結ぶ。
口数少ない彼としては、答えるべきことには答えたというつもりであるらしい。
最後にこれだけはと、サキリは慎重に問いを零す。
「先生のろっこんの発動条件は?」
津止先生は、無言で顎に手を宛がってみせた。それが答えかと、サキリは頷く。
(あの時は、何かに邪魔をされたような感じがして、何も見ることができなかった……)
鳥籠の中の先生へとろっこんを使用したことを思い出しながら、悠は右目を手で覆った。
見えたビジョンは、扉が開き掛けているというもの。
扉の向こうには、扉のこちら側とは異なる色が広がっている。
手を下ろして、悠は密かにほうと息を吐いた。
(疑っていたわけでは、ないけど……イメージは、先生の話と一致してる、かな……)
津止先生の横顔を仰ぎ見る悠。
今でこそ自分の足でしかと立っているが、流石にまだ万全の態勢ではないだろう。
(……少しでも助けてあげられたら……)
決意を抱えて、悠は胸元をきゅっと握り締めた。
紫が、すいと小さく手を上げる。
「先生、一つお話しておきたいことが」
津止先生が目だけで諾の意を示すのを確かめて、紫は凪いだ声で話し始めた。
「この先に戦闘が待っていた時に……戦わないという選択を、頭に入れておいてください」
その言葉の含む意味に、津止先生は表情を常以上に厳しくする。
そこに垣間見えた彼の意を察して、紫は更に言葉を重ねた。
「生徒が戦うことになるとして、不安に思う気持ちも、なんとか助けてやれないかと思う気持ちも判ります」
けれども、と紫は津止先生の目を真っ直ぐに見る。
「先生の能力は戦闘には不向きです。そしてこの先、戦闘に長けた者ですら苦戦する可能性があります」
紫とて、戦闘に向いたろっこんを持っているわけではない。
(戦闘向きのもれいびでなくても戦える人はいる。けれど、少なくとも私は荒事に向いていない……)
故に、戦闘行為に深く関わっては足手纏いになりかねないという自覚が紫にはあった。
しかし紫は、戦闘時は大人しく待機するのも致し方ないことだと冷静に割り切っている。
だから紫は顔を上げて、真摯に声を紡ぐのだ。
「言ってしまえば、先生には戦闘能力はないでしょう」
覚えておいてください、と紫は言う。
「戦うことだけが役割じゃない……少なくとも現時点で戦闘に関与するのは得策ではない、と」
諭すような言葉に、津止先生はその顔に苦い色を寸の間過ぎらせ、つと目を逸らした。
その唇が、「……わかった」と掠れた音を漏らす。
その返事に、紫は本当にほんの僅かだけ、表情を緩めた。
「きゃ……!」
束の間生まれた静寂を打ち破ったのは、悠の控えめな叫び声。
見ればレオが、早く進もうと言わんばかりに悠の服の裾を引っ張っていた。
ミケも由貴奈の背に優しく頭を当て、アカリはまた翼獣の可愛らしい攻撃を食らっている。
「わかったわかった。行こう、じめじめにはもう飽きちゃったしねぇ」
言って少し笑い、由貴奈はミケの頭をわしゃわしゃもふもふと撫でた。
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パーフェクトワールドⅠ ~音楽教師は白亜の鳥籠に眠る~
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ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
冒険
SF・ファンタジー
バトル
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年06月19日
参加申し込みの期限
2016年06月26日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年06月26日 11時00分
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