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パーフェクトワールドⅡ ~苺の宮殿に堕天の鴉は嗤う~
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じめじめとした地下迷宮から、射し込む光すら失われていく。
自分達を落とし込んだ穴の見る間に塞がったのに、
呉井 陽太
は難しいような顔になった。
「何だか益々大変なことになったねぃ……皆、怪我はないかな?」
薄闇の中に声を投げる陽太の頬へと、不意に柔らかな温もりが触れる。
彼と行動を共にしている翼獣――ムクが、頭を擦り寄せたのだ。
「ん、無事だったんだねぃ、ムク。良かったよぅ」
陽太の糸目が、安堵の色にほっと緩む。
その傍らで、
楢木 春彦
も相棒の翼獣と再会し――こちらは僅か、眉を下げていた。
「悪ぃ、オマエも巻き込まれちまったのか……ごめんな」
春彦の気落ちした様子に、元気を出せとばかりに翼獣は春彦の顔を舐める。
「っはは、くすぐってぇって! わかった、わかった! うん、ありがとな」
「何だか、楢木君と一緒に行きたい、って言ってるみたい」
一人と一頭の様子に、目元を和らげるはねこシールの残りを数えていた
恵御納 夏朝
。
夏朝の言葉にその通りだと応じるように、春彦の翼獣が喉を鳴らす。
「一緒にくんのか? なら、名前つけてやんねぇとな」
暫くの思案の後に「リブでどーだ?」と問えば、翼獣改めリブは嬉しそうに一声鳴いた。
そのやり取りに目を細めて、
椿 美咲紀
も傍らの翼獣へと声を掛ける。
「私も、あなたの事をルークって呼んでもいい?」
勿論だと答える代わりに、美咲紀に顔を寄せるルーク。
美咲紀は、その背を優しい手つきでなでなでなでなで。と、その時。
「あれ? あなたは……」
美咲紀の――正確にはルークの元に、翼獣がもう一頭歩み寄る。
ふむ、と
八神 修
が顎に手を宛がった。
「随分ルークと仲がいいみたいだな。もしかして……」
「あの時、椿さんが助けた翼獣さん、なのかな?」
夏朝が言葉を継いで、小首を傾げる。
ルークのもう一頭を労わるような様子を鑑みるに、どうやら当たりのようだ。
今ここにはいない翼獣達のことを案じながらも、
「君も、皆と一緒で怪我はねえみたいだな」
と、
卯木 衛
もずっと一緒だった翼獣の無事にほっと安堵の息を吐く。
心配するなと、衛に頭を擦り寄せる翼獣。
その頭をもふもふと撫でてやって、衛は翼獣へと声を零した。
「な、カイくんって呼んでもいいか? 解答のカイでカイくん!」
くるる、と満足げに翼獣――カイが喉を鳴らす。その返事に、衛は頬を緩めた。
「そんで、君も俺のこと好きに呼んでくれ。こう鳴いたら俺って教えてくれれば、何時でも応えっからさ」
その言葉に、暫く考えた後で、くぅ、とカイが鳴く。
それが俺の名前? との衛の問いに、カイは衛の顔をぺろりと舐めた。その時である。
「う……」
呻き声がして、壁際の暗がりが、ごそと動いた。
「一閃、さん……?」
そこに見留めた人物――犬杜 一閃の名前を呼んで、
御巫 時子
が彼の元へ駆け寄る。
「大丈夫ですか? すごく、具合が悪そうです……」
表情を曇らせて、時子は一閃の手を握った。
しかし一閃は、その手を緩慢な動作で振り払う。
「……放って、おいてくれ」
「そういうわけにはいきません。何故体調が悪いんですか? どうしたらよくなります?」
穏やかながらも気丈に一閃の世話を焼こうとする時子。
けれど、彼の声を耳に、翼獣達が俄かに殺気立った。
「落ち着いて。オレ達がいるから大丈夫だよぅ」
陽太がムクを宥めるように、敢えて凪いだ声を掛けてその背を撫でる。春彦も、
「何だ? アイツにナニかあんのか?」
と、状況を把握しかねて戸惑いながらも、リブの頭をくしゃくしゃと撫ぜた。
春彦とは対照的に、衛は一閃の姿に、隠しようもなく眉間に皺を寄せる。
(あの人も一緒なのか……)
胸を過ぎるのは、明確な嫌悪。
(翼獣に何かしたのはあの人達なんだろう……許せねえ)
怒りが衛の胸に湧く。けれどそれと同時に、衛の胸には一抹の迷いも確かにあった。
(……けど、だからってあんだけ衰弱してるのを、ほっとけねえ)
このまま捨て置いてどうなったって構わないとは、衛には思えない。
衛の抱える複雑な想いは露知らず、時子はめげることなく一閃に話し掛け続ける。
「もし病気なら、薬をお持ちじゃないですか……?」
「……薬は、ない。だから、もう……」
「それならなおさら、回復できるよう協力したいです……!」
時子の真っ直ぐな言葉に、一閃は痛いような表情になって顔を背けた。
ルークを修に任せて、美咲紀もまた一閃の元へと歩み寄る。
その手には、翼獣を癒した時と同じように一輪の花が握られていて。
「効果があるかは分かりませんが……私、ろっこんを使ってみるのですよ!」
弱っている人を放っておけないから、と美咲紀は癒しの舞を舞う。
少し離れた所にいるルークへと、明るく声を投げながら。
「ルークが一閃さんのことを快く思っていないのは判るの」
――でも、弱っている人の負担は少しでも減らしてあげたい。
真摯な想いを向けられて、ルークが僅か敵意の色を緩めるのを、傍らの修は感じた。
ルークともう一頭の翼獣に、優しく声を掛ける修。
「どうか、彼を見守ってはもらえないかな」
二頭が、困惑したように顔を見合わせる。
「彼が衰弱しているのは……恐らく、大切な人の為なんじゃないかと俺は思ってる」
その声を耳に、一閃の様子を冷静に観察するは
御剣 刀
。
(一閃の能力は、この世界を作っている事に関わっているのか?)
そう考えれば、世界樹の下で起こった異変にも一応の説明がつくように思われる。
(この世界を作るのに、一閃の意思が関わっているなら……)
一つ聞いてみたいことがあると、刀は静かに口を開いた。
「一閃、初は苺が好きなのか?」
唐突な問いに、緩く顔を上げた一閃が僅か怪訝な顔をする。
けれど一閃は、刀の真剣な顔に背を押されたようにしてぽつぽつと音を漏らした。
「……好きだが、あのカラスほど苺に拘りはない。初は、可愛い物なら何でも好きなんだ」
『あのカラス』のことを語る時は不味い物を吐き出すような苦い声。
しかしその後に続いた台詞は、あたたかな色を帯びていた。
(初のことが大切なんだな……今の短い会話だけでわかる)
伝わってくるものが確かにあったから、
「初、早く会って無事を確かめないとな」
なんて、刀はほんの僅かだけ笑ってみせる。
何か口を開き掛けて、けれど一閃はそのまま俯いた。
「一閃さんも、気づいたらこの世界に? お二人も寝子島の方でしょうか?」
「……今は寝子島に暮らしている」
時子の問いに、一閃は考え考えそれだけ答える。
彼曰くの『話せること』の内ならば、問いには応じるつもりらしい。
(一閃さん……大丈夫かな。初ちゃん達も心配……)
と、一閃を見守っていた夏朝が、こちらを一方的に突き放すものではない彼の意を解し、
「知らない人もいると思うから……世界樹の麓で起こったことを、皆に共有しておくね」
と、その場にいる全員に向かって、世界樹の下で起こった異変について語った。
世界がぐにゃりと歪んだという話に、春彦が緑の双眸を見開く。
(ぐにゃりって……ソレって、ろっこんなんじゃ)
向けられる数多の眼差しに、一閃は深い息を吐いた。そして。
「……もう、いい。お前が疲れるだけだ」
一閃は、懸命に舞い続けていた美咲紀へとぽそりと声を投げる。
肩で息をしながらも、「でも……」と悲しいような顔になる美咲紀。
「……俺のことは、いい。捨て置いてくれ。その子達にとっても、その方がいいだろう」
一閃は少しだけ翼獣達の方を見遣って、すぐに居た堪れなくなったように目を逸らした。
諦念の色が濃く滲む男の声に、夏朝はきゅっと口元を引き結ぶ。
そうして、一閃の前にしゃがみ込んで曰く。
「初ちゃんと、君自身の為に……生きることを、諦めないで」
夏朝の言葉に一閃は眩しいような顔をして、けれどゆるりと首を横に振った。
「……俺は死なない。死のうとしても、あのカラスが許さないだろう」
だから放っておいてくれていいのだと、そういうことであるらしい。けれど。
「確かに、俺の推測が間違ってなければ、一閃の行いは褒められない」
修が、はっきりとした声で言った。翼獣達へと向き直る修。
「君達の怒りや憎しみももっともだ。けど、城まで行って阻止できたら状況も変わってくる」
翼獣達がざわめく。何を阻止するのか、何が変わるのか、わかりかねている様子だ。
胸の内にあるものを、余すことなく伝えるのは難しい。
けれど、だからこそ修は、ただただ懸命に言葉を紡ぐ。
「たとえ敵でも、救えるものをどうか見捨てないでほしい。彼を乗せてくれるだけで良いんだ、頼むよ」
突然の頼み事にまだ納得しかねている翼獣達の様子に、夏朝が立ち上がって、修の言葉に寄り添った。
「ええと、僕は、えみな・かあさ。八神君の言う通り――僕もできれば、一閃さんを乗せてほしいと思ってる」
丁寧に、正直に。夏朝が、喉を震わせる想いは。
「僕は……この世界を元に戻し、異変の元凶だと思うクローネにも対処したい」
翼獣達もまた、望む場所で平穏に暮らせるようになってほしいと夏朝は伝えた。そして。
「最後には、彼等を一緒に連れて、寝子島に帰りたいんだ」
こちらを見つめる翼獣達の瞳を、駄目かな? と揺らぎなく見つめ返す夏朝。
息を整えた美咲紀が、ひょこりと夏朝の隣に並んだ。
「もし良かったらだけど、私からもお願いなのです。ろっこんも効かなかったし……」
死なないにしてもこのままじゃ衰弱する一方だと、美咲紀は訴える。
それじゃあんまりでしょ? と問い掛けられて、翼獣達がまたざわざわとした。
翼獣達は、美咲紀が自分の為にどれほど懸命に舞ってくれたかを知っている。
そして今、彼女が一閃の為に同じことをしたのだってしかと見ていたのだ。
(無理は言えないけど、この子達には心がある)
情けを汲んでもらえたらと、美咲紀は胸の内に願った。
やがて――ルークともう一頭の翼獣が、すいと美咲紀の前に歩み出る。
彼らが導き出した答えが示されるのを、一行はただ静かに待った。
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3人まで
シナリオジャンル
冒険
SF・ファンタジー
バトル
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年06月19日
参加申し込みの期限
2016年06月26日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年06月26日 11時00分
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