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パーフェクトワールドⅡ ~苺の宮殿に堕天の鴉は嗤う~
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見る間に外界と通じる穴が閉じていき、地下迷宮から光が失われていく。
暗く陰鬱な通路から入り口だった場所を見上げて、
「ははは……これは……さらに厳しいことになったね」
参ったな、と、
ロベルト・エメリヤノフ
は乾いた笑いを漏らした。
彼と共にあった翼獣――ミーシャは、そんなロベルトにぴたりと寄り添っている。
その目には不安の色が宿っているが、何が何でもロベルトを守る心積もりらしい。
そのことを心強く思い、ミーシャの背を柔らかく撫でながらも、
(まったく、ミーシャ達がついているとはいえ……どうしよう。面倒なことになったね……)
ロベルトは、胸の内に過ぎる不安に密か表情を厳しくした。
(ただ……ここで頑張らないと、きっと帰れなくなる。しっかりしないとね)
きゅっと口元を引き結んだのはほんの一瞬のこと。
ロベルトはすぐに頼もしいような笑顔を作ると、近くにいる面々に朗らかに呼び掛けた。
「皆、怪我とかしてないかな? 大丈夫?」
「さあ、どうでしょうね。この状況を大丈夫と言っていいものか、私にはわかりかねます」
乱れた灰の髪を整えながら、
エレノア・エインズワース
が皮肉めいた物言いで応じる。
その調子なら心配ないね、とロベルトは苦く微笑した。
「ていうか、なんだかピンチっぽいー? 地下も悪趣味でいやな感じー」
こちらもエレノアと同様マイペースに、
茨城 音夢
。
そんな音夢の傍にじぃと控えていた翼獣――タナトスが、不意に、不穏な唸り声を上げた。
ミーシャも、タナトスと同じ方向を鋭く睨みつける。
暗闇の中から浮かび上がるは、一行と同じく地下に飲み込まれたらしい犬杜 初の姿だ。
「あら、奇遇ですね。特に嬉しくはないですけど」
「……それはこっちの台詞よ」
エレノアの囀りに、初は敵意を隠そうともしない刺々しい声を返す。
初はすっくと立ち上がると、淀みのない足取りで一本道へと足を進めるが、
「ちょ、初ちゃん落ち着いて! 一人で進むと危ない」
怪我したら本末転倒だよ、と、
桜庭 円
が慌てて彼女を止めに掛かった。
キッと、刺すような目を円に向ける初。
その眼差しを恐れるように、円の肩にひっついているぬいぐるみ――きゅーちゃんが、きゅっと身を縮めた。
「ご心配なく、ういは強いから。それに、ういが怪我をしたって、あんたは痛くも痒くもないでしょ?」
「痒くはないけど、ちょっと痛いかな。お菓子の森で、一閃さんと少し縁があったから」
犬杜 一閃の名がとび出したことで、初の攻撃的な態度が僅かに緩む。
「あ、ボク、桜庭円。よろしくね」
「……そう」
ぽそりと短く零して、初はそのまま口を閉じてしまった。
身の置き場のないような居心地の悪い静寂を打ち破ったのは、
大天使 天吏
だ。
「初ちゃん、無事で本当に良かった……」
「へ? な、何よ……」
自分を打ちのめした一団の一人である天吏に甘く声を掛けられて、動揺を見せる初。
その隙を突くようにして、天吏はなおも言葉を重ねる。
「お腹痛くない? あの時は止められなくてごめんなさい……」
労わりと謝罪を口にして、天吏は痛ましげな表情を作ってみせた。そして、
「あ……顔が汚れてる。良ければこれ、使って?」
天吏は、取り出したタオルを初へと差し出す。
(犬杜は……なんか……怪しいから要警戒。大天使の動きにも、気をつけておこう)
と、ロベルトは2人のやり取りに注意深く耳を澄ませた。
会話の内に自分達にとってマイナスになる要素が生まれないように、との思いだ。
円もまた、過去に天吏がクローネに味方したのを覚えているが故に聞き耳を立てている。
そんな2人の懸念は確かに的を得ていて、
(犬杜一閃の心に杭は打てた。問題の犬杜初……クローネ様を盲信する一閃の鍵と接触できたのは、幸運だわ)
という具合で、天吏は胸の内に策を巡らせていた。
初のことは最後まで盤上に残しておきたい、という考えである。
けれど初は、受け取ったタオルから顔を上げると、
「……こんなことされても、簡単には信じられないから」
と、天吏に向かって言い放った。
今はそれでいいわ、と天吏も微笑だけ零して引き下がり、ロベルトと円は胸中に安堵する。しかし、
「貴女を信じられないのは私も同じですよ」
そのかんばせには優美な笑みを湛えて、今度はエレノアが場をかき乱すようなことを言った。
己が撒いた種ながら、宝石の森でエレノアに痛い目に遭わされている初である。
ピリピリとした険呑な空気が辺りを満たすが、エレノアは揺らがない。
「私も怒ってんですよ? 貴女を拷問し損ねてね」
「……あれは拷問じゃなかったってわけ」
「ええ、まだ足りませんね。貴女が死ななかったのは、私を除く面々が善良であるという証左です」
どっかの神様とは違ってね、と吐き捨てるようにして付け足された言葉に、初が猛る。
「クローネ様を悪く言うな!!」
「あ? 私が言ったのはテオのことですよ? え、クローネのこと連想したんです?」
「っ……!」
すらすらと捲し立てられて、初がぐっと言葉に詰まる。
そんな彼女へと、エレノアはトドメのように言い放った。
「それは無意識の内、クローネの振る舞いに疑問を持ってるってことですよ」
初の双眸が、大きく見開かれる。初は何かを堪えるように口元をきゅっと引き絞って、
「……うい、あんたのこと大嫌いだわ」
と、怒りやら焦燥やら、数多の色に震える声でどうにかそう言い切った。
その様子に、エレノアは内心でほくそ笑む。
エレノアにもまた、天吏とは方向を異にする、しかし確かな企みがあった。
(そう、それでいいんです。思った通りに操られてくれる、いいお人形ですね)
地下迷宮での再会より後、初を挑発するような言動はいずれも敢えてのもの。
偽悪的な振る舞いは、他の仲間達に信頼を抱かせる為にと計算し尽くされたものだ。
(これで他の皆さんへの態度が軟化するなら重畳……まあ、全ては)
――後々の私自身の楽しみのためですけどね。
手のひらに踊る人形を前に、エレノアはかんばせを彩る笑みを殊更に深くした。
エレノアがそれ以上動く様子がないのを見て取って、ロベルトと円はまた密か息をつく。
彼女と初のやり取りの危うさに、いざとなればフォローをと身構えていた2人である。
天吏が、エレノアを睨みつけたままの初を背に庇った。
「……少し距離を置きましょう。また怪我をするようなことになれば、大変だもの」
緊張を孕んだ声で初に言って、天吏はエレノアに厳しい目を遣る。
あらあらと、エレノアは口元に弧を描いた。
「よくわかんないけど、アナタはアタシと同じクローネちゃん派ってことよねん」
きゃるん♪ とポーズだけは愛らしく頬に手を添えて、身をくねらせるは
ミッシェル・ナイスゲイ
。
ミッシェルの仕草とビジュアルのギャップに半歩身を引いて、けれど初は、
「ほ、他の奴らと一緒にされたくないけど……まあ、あんたがそうならそうなるわね」
と、やや不本意そうな顔ながらもそう応じた。
「ふ~ん、そう……」
その答えに、ミッシェルはくねくねしながら頭の中に情報を整理する。
(この世界はクローネちゃんのもの、よねん)
苺とイケメンに溢れた世界は、明らかに彼女の好むものだ。
故にミッシェルは、この世界にとばされて間もないものの、ここがクローネの世界だと確信している。
そしてこの世界は、ミッシェルにとっても魅力的なものだった。
空高くにいる数多くのイケメンにすり寄れないのが、酷く残念に思えるほどには。
(ここなら、クローネちゃんのお祭りを開催するのにもぴったりだわ~ん♪)
けれどその為には、どうにかしてクローネの元に辿り着かないことには始まらない。
そしてミッシェルには――胸の内に、もう一つ野望があった。
(クローネちゃんに会ったら、彼女のもれいびにしてもらうのよん♪)
そのことを思うと、とびきりのイイ男を前にしている時のように心が躍った。
さて、そんなミッシェルにとっては少女の姿をした神は『異端』なわけで。
彼(彼女?)の視線が、じとーっと初に注がれる。
「な、何よ……」
「アナタ、本当にクローネちゃん側の人間なのよねん?」
「そうよ。ういはクローネ様に選ばれたの、あんたとは違ってね」
ふふん、と胸を張る初へと、ミッシェルは幾分冷やかな眼差しを送った。
「でも、アナタの力はクローネちゃんから授かったものじゃないんじゃな~い?」
「……もしかして、あんた、ういに喧嘩売ってるの?」
「別に~。アタシは、そうはならないつもりってだけよん♪」
やっぱり喧嘩売ってる! と初が熱くなるのを、天吏が押し留める。
「放っておきましょう、本気にしない方がいい」
囁かれて、初はぐっと口を瞑った。
暫くの間の後、絞り出すようにその唇から音が紡がれる。
「……仕方ないじゃない」
――ういはこの力のせいで周りの奴らに捨てられて、この力のお陰でクローネ様に救ってもらえたんだから。
小さな小さな呟きを耳に留めて、天吏は彼女の言葉を頭の片隅にきちりと置いた。
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3人まで
シナリオジャンル
冒険
SF・ファンタジー
バトル
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年06月19日
参加申し込みの期限
2016年06月26日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年06月26日 11時00分
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