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終わりのその向こうを
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紅色した袴が、白い袂が、夕風に翻る。
小さな白い手に握られた神楽鈴が涼やかに鳴り響く度、幾重にも結いつけられた金の鈴が黄昏の光を跳ね返す。
四方の柱に榊を供えた舞台の上、町の住人には『神木の巫女』と呼ばれ、寝子島から迷い込んだ人々には『カンナ』と自ら名乗った黒髪の少女が、白い頬を茜色に染めて舞っている。
舞台の前には幾枚もの筵。町の住人である異形の妖たちが巫女の舞に物珍しげな視線を向けつつ、鈴が鳴り響く毎に賑やかな拍手を送る。それぞれがそれぞれに手にした酒の盃を傾け、酒肴を食む。
「おう、嬢ちゃん、いつのまに」
一升瓶にそのまま口をつけていた一つ目の老人がふと気づいて驚いた声を上げた。
「こんにちはなのですー」
賑やかに祭を楽しむ妖たちの輪の中に混ざり込んで、銀色の少女、
ゼロ・シーアールシー
。
「ゼロはゼロなのですー」
「そうじゃった、ゼロちゃん」
頬も一つ目も真っ赤に染めて、随分と酔った風の一つ目翁は酒臭い息で笑った。
先の荒々しい祭で言葉を交わしたことのある一つ目翁の隣に純白のスカートを広げて座り、ゼロは鈴音のみを伴に舞台に舞う神木の巫女を眺める。
「これは何の集まりなのですー?」
「あ、僕もそれ、聞きたいです」
長い銀髪を波打たせて首を傾げるゼロの傍ら、
猫島 寝太郎
が小さく手を上げた。
「今日は何のお祭りなんです?」
妖たちの集う鳥居前の広場を鳶色の瞳に映す。ここに来るまで、同じようにここへ迷い込んだ友人、
御剣 刀
と黄昏の町を歩いてきた。神木の巫女カンナをよく知るらしい刀は、舞台奥の石段へと向かったけれど、ここに至るまで、町を何度も訪れたことのある刀が知る限りの町のことを教えてもらった。
一つ目翁の隣へと座り直し、寝太郎は此方に迷い込む直前に手にしていたポテトチップスの袋を開く。不思議そうな一つ目翁に袋ごと勧め、神木の巫女の舞を見遣る。
神楽なのだと、周りの妖たちは言っていた。
妖たちの住まうこの地の神に奉納するため、彼女は舞っているのだろうか。
「神木にな、ヒトバシラを送るんじゃ。これまでは巫女とヒトバシラだけの祭事じゃったがの、巫女が急に皆で賑やかにやりたいと言い出してな。まあ、ヒトバシラとは将棋仲間じゃったしの。送れるに越したことはない」
「今までは町にも全然出てこなかったのにね。巫女の変化は、こっちに貴方たちみたいなかたちしたのが迷い込みだしてからかなあ」
老翁の言葉を継いで、翁の膝に丸くなっていた二又尻尾の三毛猫がふわりと欠伸する。
「ヒト、バシラ……?」
呑気な妖たちの口から飛び出した物騒な言葉に、寝太郎は言葉を失った。
「人柱って……」
「ほれ、階段を登っとる。あんたたちには日暮と名乗っとったか」
寝太郎の顔色の変化に首を傾げ、一つ目翁は舞台の奥の石段へ視線を投げた。追えば、幾人もの妖に送られ、幾度か顔を合わせたことのある和装の男が迷いのない足取りで階を登るその最中。
「ん、あれ?」
いつも掛けている面がないことに気付くと同時、つい先程まで傍に座っていたはずの銀色の少女が男の後ろについていることにも気づき、寝太郎は目を丸くする。いつの間にあんなところにまで行っていたのだろう。
「先代のヒトバシラがあの子の恋人なのさ」
桜色に染まった胸元をしどけなくはだけた絡新婦が一つ目翁の手から一升瓶を奪う。白い喉を晒して酒を呷る。
「因業だ、ああ因業だねえ」
酒臭い溜息を吐く、先の祭で世話になった絡新婦の女医を見、
「だが、送らねばセカイが滅ぶ。わしらも滅する」
仕方なさそうに首を振る一つ目翁を見、寝太郎は栗色の瞳をゆっくりと瞬かせた。背筋を正し、その場に端座する。
「あなた達や人柱の事を聞かせて貰っても良いですか?」
「うん?」
「このセカイのお話を、聞かせてください」
己の住む世界とは違う、黄昏色に染め上げられたこの世界のことを、知りたいと思った。ヒトバシラを立てねば滅ぶセカイの因果を、知りたい。
そうして、少なからず縁を得たヒトバシラを、カンナを、――
(でも、……)
思い出すのは、先の祭に垣間見たヒトバシラの瞳。面の奥の瞳は、全てを見通して受け容れたような諦念の光を宿していた。
このセカイを知ったとして、日暮とカンナの事情を知ったとして、あんな目をした彼に信頼され頼られることは可能だろうか。
(……難しいなぁ)
それでも己の出来る限りをしたくて、寝太郎はこの世界の住人に頭を下げる。
「お願いします」
異界からの迷い人のその癖、こちらの世界を真摯に知りたいと願う少年に、人のかたち持たぬ住人たちは顔を見合わせる。
「セカイの話なぁ」
「あなた達の語れる一番古い記憶を。例えば、……」
寝太郎はちらりと首を傾げる。自分たちの世界には神様が居る。それも、天界から落っこちて、神魂を撒き散らしてしまうような、神様。
神木のあるこの世界にも神様は居るのだろうか。
居るとすれば、どうして人柱を欲するのだろう。
思い浮かんだ問いをそのまま口にすれば、老翁は皺深い口元を苦く歪めた。
「昔々の大昔じゃの。セカイに四柱の神が居った頃の大昔、四柱の神と神の眷属たちは大戦をしとった」
酷い戦での、と翁はまるで見てきたかのように一つ目を伏せる。
「『鬼』にこの記憶奪われぬは語り継げということか。……まあ、戦の末、神々は死んだ」
相打ちじゃ、と首を横に振る。
「倒れた四柱の神々の身体は四本の神木となり、セカイに根を張り巡らせた。死した神ゆえ、セカイを支える力は持たぬ。なればヒトバシラを立て、神木の髄とし、その命と記憶を使ってセカイを支える力とせねばならぬ」
このセカイの今の法則を呑み込み、寝太郎は小さく頷く。
「先代のヒトバシラはあの面の彼の恋人だと、言いましたよね」
「ああ、言ったね」
絡新婦が酒をあおる。
「彼は、恋人がセカイになるまで何も?」
「二人して連れて来られた直後に女の方がヒトバシラに立てられてさ。神木に繋がれてしまや、元に戻す手段なんかありっこないんだ。それでもあの子は恋人会いたさに神木まで行って、……行く度、恋人が繋がれた神木の内部に入る対価として『鬼』に自分の記憶やら何やら差し出して、」
つくづくバカだよ、と絡新婦は吐き捨てる。
(能面の貌に気分が引き摺られるような様子は、そのせいか)
ヒトバシラの青年の瞳を思う。あの、気概や強い感情を削ぎ落されたような印象の瞳。恋人に対する恋情さえ投げ出して恋人に会いに行き続けた男を想い、寝太郎は絡新婦の嘆きに悲しい首肯を返す。
失くしたくない記憶を持たないのならば、彼はきっと一気にセカイに溶けてしまう。
「記憶を戻す手段はありませんか?」
「知らん」
寝太郎は静かに首を振る一つ目翁を見つめる。日暮とは将棋仲間なのだと言っていた。長く顔を合わせる機会があったのならば、
「なら、彼の恋人の名は?」
日暮が記憶を神木の『鬼』たちに捧げるよりも先、日暮から恋人の名を聞いているかもしれない。
「忘れてしもうた。……いや、ヒトバシラがの、あんたたちに日暮と名乗ったと知ったとき、恋人とよく似た名だと思うたはずなんじゃ」
恋人の名が、失った記憶を引き上げる蜘蛛の糸になりうるかもしれない。
一抹の希望であっても希望は希望だと、信じたかった。
「なんじゃったかのう」
「日暮……茜?」
「違うのう、なんじゃったかのう」
揃えた膝に拳を作る寝太郎の肩をひとつ叩き、絡新婦は視線を巡らせる。一つ目翁から奪った酒瓶を片手に、膝元に転がっていた盃を拾い上げ、
「呑むかい」
妖に混ざって筵に座し、どこかぼんやりとした視線を神楽へと向ける黒髪の女へと差し向ける。
盃を渡されるままに受け取り、注がれる乳白色の酒の水面を見下ろして、
朝鳥 さゆる
は物憂げな鳶色の瞳を瞬かせた。
酒を見下ろし能舞台へと視線を戻すも、その瞳は巫女の神楽も、舞台の周囲に騒ぐ妖たちも見ていない。
幾度か訪れたことのある茜空の世界の只中に居て、けれどさゆる自身は己が何を見ているのかすら自分でも解らなかった。
「やあ、上手いもんだね」
同じ世界から来たと思しき栗色の髪に眼鏡の少年に声を掛けられても、気乗りのしないうつろな頷きを返すばかり。
「神楽だな」
妖たちと共に惜しみない拍手を送っていた赤銅色した髪の少年がちらりと肩越しに振り向いた。長い睫毛に縁どられた榛色の瞳の少年に気さくな笑みを向けかけて、
新井 すばる
は眼鏡の奥の目を丸くする。
「おや、悠月くん」
「……新井?」
異世界で思いがけず同級生に行き会い、
獅子目 悠月
は結い上げた赤銅の髪を揺らして首を傾げる。ふと気が付けば人外のものが屯する黄昏の空の下に立っていたことにも驚いたけれど、まさかこんなところで同じ高校の同じクラスの人間に会うとは思ってもなかった。
黄昏の空に鈴の音が鳴り渡る。
巫女の纏う衣装の袂が翻る。
「こういう舞と音楽もいいものだな」
(周りの奴らの見た目はずいぶん変だが)
邪な者はいなさそうだ。
「そうだね」
巫女の舞に喝采を送る人外の者たちを見遣って言う悠月に、すばるは大きく頷いた。
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3人まで
シナリオジャンル
冒険
SF・ファンタジー
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年05月11日
参加申し込みの期限
2016年05月18日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年05月18日 11時00分
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