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終わりのその向こうを
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神木に続く石段を護るように、階段を登り行く者を閉じ込めるように、朱く紅い鳥居が連なっている。
鳥居の隧道に妖たちの悲鳴が響いて通る。『鬼』たちに牙を立てられ、鋭利な爪に引き裂かれ、そうすることで己の持つ記憶を全て奪われた妖たちが悲鳴と共に世界から姿を消す。
「彼女を追います!」
鳥居の天辺を駆ける少女のかたちした『鬼』の背を夜色の優しい瞳に映し、
宮祀 智瑜
は控えめな普段とは打って変わった切羽詰まった声をあげ、走り出す。
(こんな、……)
こんな悲しい終わり方は嫌だった。
黄昏の世界に会い、互いの名を知った。幾つもの言葉を交わした。好きな果物が何か、そんな他愛ないことだって知っている大好きな日暮に、幸せになってもらいたかった。
だから、たとえ役に立てないとしても力の続く限りは足掻きたくて、智瑜は駆ける。
「僕も追うよ」
鳥居に阻まれた黄昏空を見仰ぎ、
音羽 紫鶴
は唇を引き結んだ。右足で地面を三回蹴る。身に宿るろっこんを発動させ、背に鶴翼を顕現させる。
鳥籠のように空を覆う鳥居の隙間を縫い、空へと飛び出そうとしながら、紫鶴は薄墨色した瞳を顰める。もの言いたげな視線を日暮へと向け、けれど言葉を告げる余裕もなく、飛び立つ。今は、ともかく神木の巫女の元へと向かい、巫女を守らなければ。
「えっと、」
千本鳥居に押し包まれた石階段の上方、神木への道を塞いで威嚇するように吼え続ける『高鬼』を、ゼロは無垢な灰の瞳に映す。鳥居の朱をも写し取って、薄雲の色した瞳はまるで夕陽を浴びたような銀の色に煌いた。
「日暮さんはヒトバシラになっちゃうのですー?」
神木の巫女と同じ背格好した幼い少女にのんびりと声を掛けられ袖を引かれ、日暮は息の仕方を思い出したかのようなぎこちない息を吐いた。いつの間にか傍らに立っていた銀色の少女へと視線を移す。
「せや、わしがヒトバシラになるんや」
それが唯一の救いのように呟く日暮の横顔を見仰ぎ、ゼロは波打つ銀の髪を揺らして首を傾げ。
「ヒトバシラになるのは怖くないのですー?」
「セカイに溶ける、と言っていたな」
『鬼』たちが現れるまで、日暮と並んで石階段を登りながら話をしていた
八神 修
が切れ長の瞳をそっと顰める。
「言うたやろ、待ちかねとったて」
己を見送るため集うたがために『鬼』たちに一番に襲われている妖たちに日暮は背を向ける。
「行かなあかん。神木に繋がれば、わしが次のヒトバシラになれば、『鬼』共を抑え込める。あいつもセカイの底へ一緒に沈めるはずや」
決意込めた視線を『高鬼』の塞ぐ道の先へ向ける『ヒトバシラ』を、
御剣 刀
は一瞬きつく睨みつける。
刀剣を佩いた少年の強い視線を受け、日暮はほんの僅か唇の端を緩めた。
諦めと焦燥を帯びたヒトバシラの笑みから眼を逸らし、刀は踵を返す。力任せに階を蹴る。
「桜庭!」
飛ぶように階段を駆け下りながら呼ぶのは友人の名。
「はーい」
「そっち任せた!」
『高鬼』を見、日暮を見、状況把握に努めていた
桜庭 円
の返事を耳に確かめつつ、刀は階段の下方で腰を抜かす女妖の手を取り立たせる。強引に手を引き、階段を駆け下りる。
「逃げろ!」
周囲の妖たちに警告を発し、階段下の能舞台へ、この世界で縁を得た神木の巫女カンナの元へ、刀は向かう。
「任された」
友人の背を見もせず、円は低く応じた。間髪入れず、『高鬼』と向き合おうとする日暮の冷たい手を掴む。
「なんや、離せ」
「今行っても恋人さんと一緒になれない」
背を向けたまま鋭い声だけを返す日暮を、同じほど鋭い言葉で刺す。
「恋人さんは正気だよ」
でなければ、あんな悲しそうな顔はしない。
日暮の腕に籠るのを感じて、円は手を掴む指に一層力を籠める。
「十年も溶け込むのにかかったんだ、お兄さん以外の理由なわけがない」
先にヒトバシラとなった者と、次のヒトバシラとして置いて行かれた者。そのどちらもの辛さを思い、円は白い眉間に深い皺を刻む。日暮はセカイを滅ぼそうとする恋人に何故と問うたけれど、彼女の投げた哀しい一瞥を思えば、答えは明らかだ。
「お兄さんをヒトバシラにしたくないんだと思う」
先にヒトバシラとなった彼女は、その辛さを味わった。その辛さが何なのか、彼女の真意が何なのか、
「お兄さんは恋人さんに会って、確かめなきゃいけない」
そして、と円は語気を強める。
「結論を出さないと報われない」
振り返らない日暮の和服の背を拳で叩く。
「三度も離れ離れになる、そんな事が起きちゃいけない」
この世界には幾度も関わって来た。その度に日暮と会って来た。その度に、己に課された『お勤め』を果たす姿を散々見て来た。
(報われるチャンスも与えられないなら)
「このセカイは間違ってる」
お兄さん、と円はヒトバシラになろうとする日暮に呼びかけ続ける。
「自分の望みを忘れちゃダメだよ」
小さな拳で背中を叩かれ、日暮の肩が揺らいだ。
「ヒトバシラになるのは、今は待て」
揺らぐ肩を修が掴む。縁のある二人に引き留められ、日暮は忘れていたような息をひとつ吐いた。
「手ェ、痛いわ」
泣き出しそうな瞳で見下ろされ、円は自分の指が痺れるほど日暮の手を掴んでいたことに気付く。日暮が己を見たことに安堵して、冷たく痺れた指を解いて笑む。
「恋人さんの名前はなんていうの?」
惑いのない緋色の瞳で真っ直ぐに日暮を見上げる。『鬼』の身体を奪い取ってまで神木の巫女を殺そうとする日暮の恋人を説得する手段に、ひとつ心当たりがあった。
「チャンスは作るよ」
「俺も、先代の名を知りたい」
二人からの問いに、日暮は薄く唇を開いた。開いて、閉じる。目を瞠り、歪める。胸を射られたかのように呻く。
「……忘れとる」
そのまま蹲ってしまいそうな日暮に二人が手を伸べようとした、その刹那。
「グレちゃーん!」
赤いジャージが宙に舞った。
ジャージについた華奢な手足が、
後木 真央
の全身が、日暮にぶち当たる。
「ぅおあッ?!」
空中からの体当りを受けた日暮の身体が傾ぐ。踏み止まろうとできたのはほんの一瞬。
「なんやもう、堪忍してやァ?!」
悲鳴を残し、真央と日暮は階段の下方へとダイブする。
階段を転げ落ちたと思った瞬間、二人の姿は掻き消すように消えた。あまりに急な展開に声もなくしてから、円は思い当たる。そう言えば、ここで転べば階段の下まで瞬きの間に戻ってしまうと日暮が言っていた。
「思い切ったなあ、真央ちゃん」
小さな笑みをくすりと零す円の背後、『高鬼』が再び吼えた。
「桜庭!」
修に手を引かれ、鳥居の柱際に引き寄せられると同時、『高鬼』がその巨躯を毬のように丸め、半ば転がるように階段を駆け下りて過ぎた。階段に群れる妖たちを蹴散らし、階段の下へと向かう。
「行かねばなのですー」
ふわり、銀色の髪を黄昏の光になびかせ、『高鬼』の突進などなかったかのように、存在を霞としていたかのように、ゼロが軽い足取りで階段を下り始め――ふ、と。先のふたりと同じ仕組みを利用したのか、幽霊のようにその場から消えた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
冒険
SF・ファンタジー
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年05月11日
参加申し込みの期限
2016年05月18日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年05月18日 11時00分
参加キャラクター一覧
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