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終わりのその向こうを
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耳をつんざく悲鳴に瞬き、
志波 高久
は己の掌を照らす黄昏の光に気付いた。素早く見回す視界に捉えて、千本鳥居の石階段。背後には能舞台。
舞台の前、何かに怯えて逃げ惑う様子の妖たちすら見えて、高久は細い眉を寄せた。鳶色の瞳を胡乱に顰めて石段を見上げれば、こちらに降りて来ようとする『鬼』たちの姿。
(あぁ、)
『高鬼』に『影鬼』、『走鬼』。町で神木で、幾度か戦った『鬼』たちを眼にした途端、高久は悟る。
(この世界のフツウの危機とやらか)
千本鳥居の隙間に鮮やかな紅の色した黄昏空がある。
黄昏が終わると、夜が来る。
背後の舞台から聞こえる言葉の端々にこの世界の終焉を読み取り、思わず唇を引き結ぶ。この黄昏の世界を、
(終わらせたくはない)
少なからず縁を得た世界が目の前で消滅していく姿を無関心に見送る気など、一抹としてない。
鍛えた脚力を全稼働させ、駆け出す。夕暮れよりも赤い鳥居を潜り、石段を駆け上がる。段の端に転がる掌大の石を引っ掴み、拳に握り込む。
(鬼たちと戦うのも久しいか)
何にせよ、この場で行うことはただ一つきり。
高久は喚きつつ階段を駆け下りてくる『走鬼』に狙いを定める。
(ここでできる限りの鬼達を殲滅する)
高久を見つけ、『走鬼』が吠えた。牙の並ぶ顎を開き、強靭な四肢で石段を蹴り、躊躇なく飛びかかる。
「つくづく縁があるもんだな」
挨拶代わりとばかり、高久は『走鬼』の口に石掴んだ拳を叩き込んだ。拳に牙が刺さるも構わず、円盤投げの要領で『走鬼』の身体をその場で振り回す。拳に食い込んだ牙が緩む瞬間を見計らい、『走鬼』の身体を階段の下へと投げ捨てる。
「あら」
雄々しく闘う高久を目に留め、黒髪を撫でつけた大柄な少年が、その筋骨隆々な身体つきに似合わぬ優しい言葉を口にする。
「あらあら、……鬼、かしら?」
眉墨引いた黒い眉を持ち上げ、薄く色付けた眦に力を籠め、
尾鎌 蛇那伊
は階段の上方を見仰ぐ。
「刀ちゃん」
鬼を追う格好で階段を下りてくる同級生の姿を見つけ、蛇那伊は黒い瞳を楽し気に細めた。紅刷いた唇に、くすり、凶暴ながらも艶めいた笑みが刻まれる。
正直、状況の詳しい把握は出来ていない。気が付けば石段の途にいて、気が付けば妖たちが逃げ出していた。ただ、上から降りてきている『鬼』達を下に通してはいけないことだけは解る。
となれば、すべきことはここに立ち塞がり『鬼』達を叩きのめすことのみ。
「いいわ、」
蛇那伊は呼吸を整える。得意とするマッサージを極めるために学んでいる中国拳法の作法に従い、全身に練り上げた気を巡らせる。身体を戦闘モードに切り替え、視聴嗅味触、五感の全てを研ぎ澄ませる。
「思う存分相手してあげる」
精気に満ち満ちた表情で強気に笑む蛇那伊を敵と見定めたか、薄っぺらな小鬼の影のかたちした『影鬼』が奇声をあげた。何の予備動作もなく唐突に、気紛れに、蛇那伊に飛びかかる。
向き合う間もなく攻撃を仕掛けられ、蛇那伊はけれど不敵に唇を笑ませた。
「イケナイ子ね」
今一つ動きの掴めぬ相手に対し、瞳は慎重に、けれど身体は臆病にならぬように大胆に、前に踏み込む。全身の力を籠めた拳を『影鬼』に打ち込む。
「あら」
確実に鼻面を打ったはずの拳のその手応えのなさに瞬き、瞬きの間に『影鬼』が何の痛撃も受けていないかのように伸ばして来た鋭い爪の先をもう片方の手で捌く。皮一枚を削がれながら、分厚い肩を『影鬼』の小柄な胴にめり込ませる。
「あらあら」
関節と骨のある人間には出来ぬ動きで影の色した鋭利な刃のような爪を伸ばしてくる『影鬼』の攻撃を、半身で逸らしもう半身で蹴りつける。攻防一体の動きを見せながら、蛇那伊は一旦距離を置く。
呼吸を整える。
巌の如く石段のひとつに仁王立ち、己の打撃が効力を発揮する範囲を明確に意識する。
「厄介ね」
笑みつつ、己の範囲に入り込んできた『影鬼』の胴に鋭い突きを打ち込む。そのまま石段に打倒し、喚く『影鬼』の両腕を両足で踏みつけ動きを封じる。
「さ、どう料理しましょう」
思案して唇を尖らせつつ、一点を見ずに全体を見るその視覚に捉えたのは、巨躯を丸めて転がるように下りて来る『高鬼』と向き合おうとする茶髪の男。
長い髪をうなじでひとつに束ねた男は、柔和な雰囲気のその癖、衣服の下に鋼のようにしなやかで強い筋肉を鎧うていた。
店を持てるほどのマッサージ師としての腕持つ蛇那伊はその眼力で
天動 記士郎
の筋肉と身体能力の高さを見破り、思わず乙女のように頬を染める。
「いい筋肉ね」
背に感じる熱い視線に何とも言えない感覚を覚え、記士郎は思わずポケットに入れていた手を出し、腕を回して己の背中を撫でた。撫でつつ、己の前で足を止める『高鬼』を恐れもなく真っ直ぐに見上げる。
夕焼けの朱さを不思議に思い、ポケットの内に隠した白蛇の鱗に指で触れ、ろっこんを発動させようとしていて、気が付けばこの世界に立っていた。大慌てで逃げ惑う人外の町の住人たちに囲まれていた。
(意思があるかはわかりませんが……)
大まかな事情は住人に聞いたが、敵方として現れた『鬼』にも尋ねてみたかった。
「先代は納得して人柱になったのでは、……」
問いかけて、『高鬼』の凶暴な面構えから眼を逸らす。口にしてから、それは違うと思った。
(いえ、)
納得など、できるわけがない。
(世界に溶け込むよりも、大切な人と共に生きたいと思うのがフツウでしょう)
考え込む記士郎に向け、『高鬼』が吼えた。吼えると同時に振るわれる長い腕の大振りの一撃を、記士郎は地を這うように深く屈むことで難なく避ける。
鞭のような風切り音を耳にしながら、
(それでも、騒動を大きくさせるわけにはいかない)
記士郎は『鬼』の踏み込んでからのもう一振りを大きく二歩下がることで躱す。攻撃を読んでいるかのような記士郎の動きに、『高鬼』は焦れてもう一度吼える。
(巨躯を相手に素手で向かうのは、不利ですよねえ)
背後に目があるかのような動きで後ろ向きに階段を飛び降り、かと思えば斜め上の段へと素早く飛び移る。鬼の力を真正面から受けないよう、足を使い避け続ける。
鳥居に閉ざされてはいても、ここは、
(リングより広い)
石段で足場は悪いのは、こちらも向こうも同じ。
無意識に拳へ偏りがちだった警戒の意識を相手の全身に向けるようになれたのは、
(あの人のお陰ですね)
前にこの世界で彼と戦い、痛い目を見た。あの経験が間違いなく糧になっている。
笑んだ瞬間、『高鬼』の太腿と裸足の指に尋常でない力が籠った。刹那のそれを、確かに見た。
「志波の兄さん! そこのあなたも!」
階段の下方で他の『鬼』と対峙する男たちに向け、記士郎は鋭い声を投げる。
「避けてください……!」
立ちはだかる邪魔者をその巨躯で潰すべく、『高鬼』が跳ぶ。一瞬の判断で、記士郎は身を低く地に這わせた。宙に浮く巨体の下を潜り、『高鬼』の背後に回る。振り向くと同時に勢いつけて石段を蹴り、『高鬼』の背に飛びかかる。『高鬼』と共に階段を飛び降りながら、太い首に腕を回す。落ちながら締める。
飛び退き避ける黒髪巨躯の青年に踏みつけられることで縛められていた『影鬼』が、滑り落ちるように階段を駆け下りるのが見えた。
石段の下に投げ捨てた『走鬼』がよろめき立ち上がる様子を捉えていた高久が、こちらを振り向き目を瞠るのが見えた。
(全力でぶつからないと)
拳で沈める戦い方に構ってはいられない。
(相手は、鬼……!)
記士郎に締め上げられ、『高鬼』は宙にもがいた。体勢を崩し、石段に膝を突きそうになる『高鬼』から高久は身を翻し避ける。そのままもう一回転し、『高鬼』の尻に痛烈な回し蹴りを放った。
直後、『高鬼』の背にしがみつく記士郎を指さし、両拳を胸の前で突き合せる。ろっこん『心の打鐘』を発動させ、
『そのまま締め上げ続けてくれ』
記士郎の心に直接呼びかける。それと同時、石段を一気に駆け下りる。
『高鬼』がうつ伏せに階段下の地面に激突する。それでも暴れてもがき、首を締めあげられて尚起き上がろうと仰向けにひっくり返る。
高久は石段を蹴って跳ぶ。己の体重の全てを乗せた拳を『高鬼』の鳩尾に打ち込む。
「お願いです」
しつこい『高鬼』が最後の足掻きとばかりに吼えてもがく間、ほとんど下敷きにされて擦り傷を作りつつ、記士郎は低く囁いた。
「暴れるのはやめてください」
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担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
冒険
SF・ファンタジー
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年05月11日
参加申し込みの期限
2016年05月18日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年05月18日 11時00分
参加キャラクター一覧
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