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冬のイチゴの甘い思い出。
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フユイチゴを知れたのは今日一番の収穫かも知れないな、と
御剣 刀
は手と口を交互に動かしながら考えた。考えながら1つ摘んでは袋に入れて、1つ摘んでは口に運ぶ。
件の制服姿の少女は、このフユイチゴを摘んでジャムを作りたかったらしい。他にも何人かが一緒に居て、それぞれにフユイチゴを摘んだり、辺りを観察したりしていて。
何個目になるのか、もう数えるのもとっくの昔に止めてしまったフユイチゴを口に放り込みながら、刀は少女・志鳥 紫乃に話しかけた。
「これ、ほんと美味しいですよね。ジャムにしたら確かに、アイスクリームやヨーグルト、パンに付けて食べたら美味しそうだ」
「はい! とっても美味しいんです!」
「うーん、確かに。冬いちごっていいねー。赤くてプックリしてて、美味しそうで可愛いよね」
刀の言葉に力説する紫乃に、笑いながら
高梨 彩葉
もそう同意する。気付かなければ見過ごしがちだけど、それと知って見れば何とはなしに愛着も湧いてくるもので。
それを聞いていた
屋敷野 梢
が、そーいえば、と双眼鏡から目を離して言った。
「フユイチゴも栽培できるみたいですねー。フユイチゴがお気に入りでしたら、挑戦してみるのもいーかもですね」
「そうなんですか? 寮でも育てられるでしょうか」
生物部部長らしい梢の言葉に、紫乃が真剣な顔でフユイチゴの茂みを見つめ始める。だが、さすがにそんなことまでは梢に解るはずもなく、どうでしょうねー、と肩を竦めるに留めた。
そうしてから、そういえば、と当初の疑問が首をもたげる。どうやら彼女がここに居る直接の原因は迷子のようだけれど、そもそも山の中で迷子になった理由は何なのだろう?
何か山に用事でもあったのでしょうか、と梢は少し首を傾げた。今もけっこう真剣に、梢の言葉を吟味しているし――
「もしかして生物に興味が……?」
ぽつり、呟くように尋ねた梢の言葉に紫乃は、情けない顔になって「まっすぐ歩いてただけなんです……」とため息を吐いた。そもそも、山に向かってもいなかったようだ。
そうなんですね、と梢は残念な気持ちと、どこか「やっぱり」という気持ちで同じくため息を吐いた。だがすぐ気分を切り替えて、では、と紫乃に声をかける――彼女のカバンには、もう十分にフユイチゴが詰まったはずだ。
「そろそろ出口まで案内しますよー」
梢の言葉に、うん、と
高梨 彩葉
は立ち上がる。まあまあ取り終わったし、そろそろ収穫をやめようと思っていた所なのだ。
紫乃のカバンを一緒に覗き込み、まあまあだねー、と頷く。それからちょっと首を傾げて、うーん、と考えた。
「この冬いちごを早速調理したいところなんだけど、どこがいいかなぁ」
「あ、じゃあ学校行ってみるか? ここからなら近いし」
彩葉の言葉に、もはやフユイチゴを摘んでいるのだか、食べているのだかわからなくなっている刀がそう提案する。ここからだったら、山を下りて行けばすぐに寝子高に辿り着けるはずだ。
先生に事情を話せば、家庭科室を使わせて貰えるかもしれない。これだけ食べておいてまだ、と周囲から言われてしまいそうだけれども、紫乃とジャムの話をしているうちに、なんだかお腹も空いてきた。
だから、手っ取り早く近場で。そう言ってから刀はふいと、紫乃の方を振り返る。
「そうだ、先輩も一緒に行きませんか? 学校へ行く途中だったんですよね?」
「志鳥先輩はちょっと」
「まだ止めた方が」
だが刀のこの提案に、紫乃の迷子っぷりを知る
八神 修
と
羽生 碧南
がそろって反対した。下手に歩かせると、うっかり目を離した隙にまた、ふらりと迷子になりかねない。
そう、真剣な顔で告げる2人の言葉に、紫乃は恥ずかしそうに「最近は迷わなくなったんですよ!」と力説した。だが、今日も結局迷ってたんでしょう、と声を揃えて言われたのに、うぅ、とあっさり撃沈する。
どうやらこの先輩は本当にすぐ迷うらしいと、そのやり取りで刀も何となく理解した。だからまずは自分だけでと、ひとっ走り学校まで先生に聞きに行ってみたが、あいにく家庭科室の先生は今日は不在らしい。
これじゃあ仕方ない、と再び山に戻った刀が首をすくめて見せたのに、じゃあ、と修が携帯を取り出した。この人数で、集まって何か出来そうな場所はどこだろう?
携帯のメモリーを呼び出しながら考えていた、修の後ろから不意に「おや」と声がかけられた。聞き覚えのある、まさに今『あそこなら』と思い浮かべていた相手の声。
シーサイドタウンから少し外れた場所にあるカフェ兼雑貨屋『somnium』、修の馴染みでもあるその店のオーナー夫婦。
木原 高明
と
木原 伊都子
の姿を見て、同じく馴染客である
御巫 時子
がぱっと顔を輝かせた。
「高明さん、伊都子さん……実は……」
そうして今摘んだばかりのフユイチゴを見せながら、どこかでこの実を調理したいと思っていたことを説明する。それから、もし迷惑でなければ、『somnium』の厨房を借してもらえないだろうか――と。
そんな事を説明する時子に高明さんは、構わないよ、と快く笑顔を見せた。今日は夫婦で九夜山ハイキングを楽しんでいたとかで、お店はお休みだから逆にちょうど良かったようだ。
そう言って、ちょうど帰る所だからご一緒に、と微笑む夫婦に「ありがとうございます」と頭を下げた。それから紫乃に向って、一緒に行きませんか、と手を差し伸べる。
紫乃とは学校でも、『somnium』でもたまに顔を合わせたりして、その折に挨拶をする程度には顔見知りだ。だから時子も何となく、紫乃が迷子属性であることを知っている。
だから、逸れてしまわないように。
「足元、気を付けて下さいね」
そうして2人手を繋ぎ、歩き出した時子と紫乃を挟んで反対側には、手を繋いでこそいないものの、つかず離れずの距離を歩く碧南の姿があった。時子が手を繋いでいるなら大丈夫だろうけれど、油断は禁物だ。
何しろこと迷子属性に関しては、紫乃が信用出来たことは碧南の知る限り、ほとんどない。こんな所で見失ったら、今度はどこまで行ってしまうか解ったものではないから。
紫乃に意識を払いながらも、碧南が眼差しを向けているのはその反対側だった。そこには、以前にも会った事はあるけれども名前は今日初めて知った、
水 カジカ
が居て。
小さな肩にかけたカゴの中に詰まった、いっぱいの『宝物』。カジカが山で拾い集めたものを、嬉しそうにカゴの中から取り出しては、これはね、と碧南に説明してくれる。
「なんだかかっこいい枝、ちっちゃくてかわいいお花! 冬でもここは宝物だらけ!」
「本当、沢山だね。こんな花、咲いてたんだ……」
「うん! 他にはね……こっちは、ドングリ。クッキーにして食べられるマテバシイ」
「これは……キノコ?」
「うん。ヒラタケ……黒いシミがあったらツキヨダケ……は毒だからダメ」
怪しいものは拾ってないよ、と小さく胸を張るカジカに、すごいな、と一緒に『宝物』を見ていた修が感心した。お兄さんとお姉さんに褒められたのが嬉しくて、えへへ、とカジカがくすぐったく笑う。
その表情に目を細めた修は、ふと周囲からの視線を感じて辺りを見回した。そうして木々の枝の上、ちょこんと止まってこちらを見下ろしてくる幾つもの瞳に、くす、と笑みを零す。
鞄からパンを取り出すと、何羽かが寄ってきた。小さくちぎって放ってやりながら、穏やかな口調で驚かせないよう語り掛ける。
「怖くないよ。……大丈夫だ。君達のテリトリーからはすぐ出て行くからね」
そんな修と、修の手からパンを貰っている小鳥を見比べて、優しい人なんだな、とカジカはほっこり息を吐いた。本当に、今日は何て楽しくて嬉しい、宝物のようにきらきらとした日だろう、と思う。
以前に会った時には結局名前を知れないままだった、修や刀、そして碧南の名前を知れて、たくさんお話出来て。『宝物』もたくさん見つけられて――
えへへ、とまた嬉しそうに笑うカジカに小さな微笑みを零してから、碧南はスマホでのレシピ検索に戻る。さて、『somnium』に着いたらどんなお菓子を作ろうか。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
蓮華・水無月
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
10人
参加キャラクター数
11人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年04月19日
参加申し込みの期限
2016年04月26日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年04月26日 11時00分
参加キャラクター一覧
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