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冬のイチゴの甘い思い出。
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皆でフユイチゴを摘んでいる光景を、
大天使 天吏
は俯瞰した眼差しで見つめていた。その表情からは一見して、何を考えているのか悟る事は難しい。
少し離れた木の枝を見上げれば、興味深げに人間達を見下ろしている、鳥達の小さな瞳がある。時ならぬこの賑わいに、怯えてはいないのだと解って天吏は少し、ほっとした。
それから改めて、眼前の光景へと向き直る。本来ならフユイチゴはこの季節の鳥獣達の食物の1つで、天吏はそれを観察しようとやって来たのに――考えかけて、小さく首を振る。
今の天吏の目標である、人間らしい心が芽生えたフリに、その思考は相応しくない。だから天吏が言ったのは、まったく別の事だった。
「……フユイチゴ、食べるなら、ちゃんと食べきりましょうね」
そう言ったのは、こうしてフユイチゴを摘んでいる人々に、自然の物を頂くことに対する敬意があるのかどうか、見極めようと思ったからだ。もしなかったとしたら、その時は――その時は?
再び思考を止めた天吏の言葉に、うんうん頷いたのは
屋敷野 梢
だった。
「よかったら、全部は取らずに残しておいてあげてくださいね! 野生動物たちにとっては、食べ物の少ない時期ですのでー」
そんな梢はと言えば、自分は観察に来ただけだからとフユイチゴの採取は断り、けれどもそんな様子や周りの植生を双眼鏡で観察していて。もちろん、と幾つもの返事が返ってきたのににっこりしながら、フユイチゴの茂みを改めて見る。
九夜山には時折生物観察にやって来るけれど、植物は正直あまり見ていなかった。もっとも、蝶の食草のサルトリイバラなどは彼女の興味とも直結するから、どこに生えているかはチェックしていたのだけれど。
フユイチゴは、完全に範疇外。まだまだ新しい発見があるものですねー、と感心する。
ただ、もちろん植生のバランスから採り過ぎる事は好ましくないにせよ、マクロな視点で言えば、動物達がここの餌だけに頼ってるとも考え難い。フユイチゴは確かにこの季節の貴重な食物だが、そもそもここが唯一の餌場なら、もっと動物の姿や痕跡が見られるだろう。
だから、そこまで深刻になる必要はないと、梢は思う。それに何より――
「人間も自然の一員ですので!」
「………」
皆を安心させるように、笑顔で言った梢の言葉に、けれども天吏は沈黙を返すに留めた。普段の天吏だったら「動物のため森が与えた恵みを人間如きが勝手に奪うのか」と冷たくした所だが、『フツウ』の人間はきっと梢のような視点を持っているのだろうし、まったく何も考えていないよりは良い。
人間よりも鳥や妖怪・怪異などを心から愛し、けれども今は人間の感情こそを学んでいる天吏は、そう結論付け、自分に言い聞かせた。だから何も言わぬまま、山の中のゴミがあれば拾って帰ろうと持参したポリ袋を取り出す。
「……私も一緒に良いかしら」
「はい、もちろんです!」
天吏の言葉に応えたのは、隣のクラス(確か)の少女だった。聞かなくてもあちらから、志鳥 紫乃と名乗ってくれる。
ありがとう、と口の中で呟いて近くの茂みに近づくと、丁寧にフユイチゴを摘んで詰めていった。丁寧に、丁寧に。
(……山の恵み、頂くなら敬意を示さないと)
せめて自分だけでも、と。そうして天吏が1つ、1つとフユイチゴを摘む茂みの中から、不意にぴょこっと
水 カジカ
が顔を出した。
天吏を見て、カジカが驚いたように目を見張る。ああ自分も驚いてみせなければと、一瞬遅れて考えた頃にはもう、カジカは慌てた様子で茂みの中から抜け出していた。
「ごめん、なさい……!」
ぴょこん、と天吏に頭を下げて、それからちょっと距離を置く。小さなカゴを重たそうに大事に肩にかけ、きょろ、と辺りを見回して。
びっくり眼の紫乃と、目が合ってカジカはええと、と胸元のお守りを握り締め、口ごもりながら尋ねてみた。
「……おねーちゃん、も……イチゴ?」
そう聞いたのは、彼女の手にしていた赤い実ももちろんだが、ここがカジカが去年見つけた、フユイチゴがいっぱい生っていた場所だったからだ。
だから、気になって。そんなカジカの気持ちを、沢山の『山の宝物』でいっぱいになった小さなカゴが、後押しした。
ゆえに聞いたカジカの言葉に、聞かれた紫乃ははい、とおっとり頷く。ついでにフユイチゴを入れているカバンの中も、ほら、と嬉しそうに見せてくれた。
ああ良かった、と思う。きょろ、と嬉しくなって辺りを見回してみれば、他にもフユイチゴを摘んでいる人が居た――中には、名前は知らないけれども顔を合わせたことのあるお兄さんやお姉さんも、居る。
それにまた嬉しくなって、カジカは少しばかりハイテンションで言葉を紡いだ。
「いっぱいとって……ジャム、パンケーキ……!」
「良いですね! 私も大好きです」
そんなカジカのはしゃいだ言葉に、紫乃も嬉しそうに何度も頷く。そうして他愛のない話をしながらフユイチゴを摘む、賑やかな人々からは、少し距離を置いたフユイチゴの茂みの前に、
白草 朱乃
と
呉井 陽太
は居た。
真っ赤に熟れた赤い実に、朱乃がはしゃいだ声をあげる。
「わぁ~こんなに沢山! どれにするか迷いますの」
「ねー♪ フユイチゴ、美味しそー」
どれを摘もうか目移りしてしまう、朱乃の言葉に傍らの陽太も大きく頷いた。この後に陽太の為に作るお菓子に良さそうなものを、と選びながらも瑞々しい果実の甘い匂いに、ついつい心惹かれてしまう。
このままでも食べられるのだろうかと、陽太の様子をこっそり伺ってから、朱乃は1つだけ口に含んでみた。そんな朱乃の様子をけれども、陽太はちゃぁんと気付いていたけれど。
微笑ましく見守って、それから陽太もいっぱい摘もうと張り切って手を動かして。目ぼしい実を摘んで、他には、と辺りを見回し新たな茂みを見つけた朱乃は、呉井先輩、とごく自然な仕草で陽太の服の裾を引いた。
「こっちです!」
「お、どこどこ?」
朱乃に服を引かれた陽太が、足取り軽くついてくる。それに朱乃はくすぐったく笑いながら「こっちですってば」と、やはり軽やかな足取りで歩き出した。
今日、このフユイチゴが採れる裏山へ来るまでも、迷わないよう地図を見ながら、こんな風に服の裾を掴んでいて。それが自然に思えるのは、共に歩く足取りが軽いのは、フユイチゴを採るのが楽しみだったから……それとも?
何でだろう、と朱乃はふと考える。昨夜は妙に落ち着かなくて、あまり眠れていないのに――或いはだから?
そうして摘んでいるうちに、2人のカゴはあっという間に一杯になった。あとはこれを料理してもらうだけ、と考えて陽太は伺うように朱乃を見た。
「ええっと、ちょっと事情があってオレは寮に住んでるんだけど、実家は星ヶ丘にあるから、うちで料理してもらってもいーい?」
「え……」
その言葉に少し、朱乃は驚く。提案内容よりも、星ヶ丘に自宅があるのに寮で暮らしている、という事が引っかかった。
だが聞いてはいけないと、自身を戒め朱乃は努めて、明るい声で頷いた。
「実家が星ヶ丘にあるなんてお洒落ですの!」
だがいきなり自分が行って良いのかと、不安を見せる朱乃に陽太は、大丈夫、と微笑んだ。そうして「少し遠いけど案内するねぃ」と明るい素振りで歩き出した、陽太に朱乃も急いで並び、歩き出したのだった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
蓮華・水無月
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
10人
参加キャラクター数
11人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年04月19日
参加申し込みの期限
2016年04月26日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年04月26日 11時00分
参加キャラクター一覧
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