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メリーさんのお手伝い大作戦、なの
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御剣 刀
は眉間に皺を寄せていた。頬の汗が流れる。掌で顔を拭った。全身に汗を掻いているのか。刀はシャツの袖を捲り上げ、眼前に聳える強敵に果敢に挑んだ。
「……これは壁なのか、いや、違うな。高い塔なんだ」
弱気になった目が横へと流れる。
隣にいた
日暮 ねむる
は汗だくの顔で項垂れていた。辛うじて口元は動いている。
「日暮、まさか限界が近いのか?」
「がんばってはいるんだけど、僕には向いてなかったみたいだね」
ねむるは力なく笑う。刀は目を剥いた状態で声を失った。
三十分前、二人は陽気に洋食店を訪れた。店内の匂いにうっとりとした表情となり、仲良くカウンター席に座った。コック帽を被った恰幅の良い人物にハンバーグチャレンジへの挑戦を告げる。
周囲の客の目が二人に集まる。気付いた刀はねむるに顔を寄せた。
「さっきの雑誌、もう一度、見せてくれないか」
「いいよ。ハンバーグチャレンジの記事だよね」
ねむるは持参した観光雑誌を広げた。大皿に横たわる巨大なハンバーグの写真に目を奪われる。記事が小さな添え物のように見えた。
刀は安心した表情で頷く。
「制限時間は一時間。成功したら金一封で間違いないな」
「そう書いてあるね。御剣くんがいるから僕も安心して挑戦できるよ」
「任せてくれ。このくらいの大きさの一枚なら何とかなるはずだ」
二人は成功を確信していた。余裕の表情でハンバーグを待ち受ける。
そこに現れた。店員が大皿の左右を持って慎重な手付きでカウンターに置いた。
驚愕した刀が目を上下に動かす。
「なんだよ、これは」
「なんだろうね」
ねむるは遙か彼方をみるような目で言った。
大皿に乗っているハンバーグは一枚ではなかった。上に幾つも積み上げられ、圧倒的な質量を誇る。
刀はねむるの雑誌を引っ掴んだ。急いで掲載された写真と見比べる。
「一枚しか写ってないじゃないか」
「……写真の上の方に重ねられたハンバーグが僅かに写っているね」
横から覗き込んだねむるが写真の上部を指差した。
二人の会話が耳に入ったのか。コック帽を被った人物が足を止めた。
「自慢のハンバーグの全部を写して貰いたかったんだが、掲載枠の限界で切れてしまったみたいなんだよ」
にこやかな顔で説明を終えると、反論を許さない速さで奥に引っ込んだ。やられたね、とねむるは口にして表情を引き締める。
「あまりゆっくりはしていられないね。でも、コレ、僕らで食べ切れるのかな?」
「完食するしかない。時間はたっぷりあるんだ」
二人はナイフとフォークを手にした。背筋を伸ばしてハンバーグの上部から切り崩していく。各々が取り皿に盛った状態で猛然と食べ始めた。
刀は全力で食べた。口の中に切り分けたハンバーグを押し込み、咀嚼を惜しんで更に詰め込む。取り皿の残りがなくなる前に継ぎ足し、配分を無視して食べ続けた。
その速さにねむるは対抗した。口の中に詰め込んだハンバーグは水の力で押し流す。コップが空になれば置かれていたピッチャーで補充した。
二人の勢いは凄まじい。ハンバーグの塔は徐々に高さを減らし、遂に限界を迎えた。
汗まみれの二人は絶望的な表情でのろのろと食べていた。
ねむるは刀を横目で見やる。
「御剣くんは、まだいけそうだね」
「死ぬ気になれば二枚くらいなら。そっちはどうだ?」
「期待はしないで欲しいかな。それより食べ切れなかった時のペナルティが、ちょっとね。野口さんが何枚も消し飛びそうだよ」
刀は取り皿から目を離し、高速で横を向く。感情が入り乱れた顔で戦慄いた。
「俺、金を持ってないんだけど」
「はは、それは困ったね。僕は半分しか払えないよ」
笑い事ではなかった。二人は、そっと入ってきたドアを振り返る。よこしまな考えを振り払うかのように揃って頭を振った。
「食べるしかないんだ」
刀は再び、ハンバーグを口の中に押し込んだ。
ねむるは横を向いた。空席だったところに、いつの間にか女の子が座っていた。身なりは小さく、品の良い着物姿であった。
大食いとは無縁の出で立ちの女の子にねむるは声を掛けた。
「お、お嬢ちゃん。僕らと一緒にハンバーグを食べてみないかな?」
「ハンバーグ、とても美味しそうなの」
女の子はハンバーグの塔に熱い眼差しを向ける。遣り取りに気付いた刀がねむるの肩を軽く叩いた。
「日暮、切羽詰まっているからと言ってだな、こんな小さな子に頼むのはアリじゃないかな! ここの店主は心が広そうだから、途中参加を認めてくれるよ、きっと!」
コック帽の人物は呆れたように笑うと、通り掛かった若手に新しい取り皿を用意させた。
「三人ならいける、と思いたい。俺は金が無いんだ!」
悲痛な叫びで刀は手を動かした。泣きそうな表情でハンバーグを口の中に押し込んだ。
女の子は何もしないで、ただ座っている。ねむるは心配そうな顔を向けた。
「食べないのかい?」
「ハンバーグが高くて手が届かないの」
「あ、そういうことなんだね。僕に任せてよ」
ねむるは女の子に代わってハンバーグを取り皿に運んだ。
「ありがとなの」
女の子はナイフとフォークを手に握る。食べ始めるのを見て、ねむるは新たなハンバーグを切り出しに掛かる。
「え、もう食べちゃった? お嬢ちゃん、凄いね」
ねむるは空になった取り皿にハンバーグを追加。女の子は黙々と食べ始めた。無駄のない動きで肉を口の中に収めていく。見惚れている間に綺麗に平らげた。刀も例外ではない。その淑やかな速さに目を奪われていた。
ねむるは巨大なハンバーグを一枚、試すかのように女の子の前に差し出した。難なく高速で切り分けてフォークに突き刺し、艶やかな唇に運んだ。次々と後を追い、一枚の寿命は一分を切った。
ねむるは思い切った行動に出た。目にした刀が慌てる。
「日暮、それはいくらなんでも無茶だろ」
「もう、残り時間がないんだよ」
女の子の前には大皿が置かれた。ハンバーグは数を減らし、五重の塔となっていた。
「これくらいの高さなら、あたしでも手が届くの」
塔を鮮やかな手並みで切り刻む。解体された肉片は愛らしい唇に飲み込まれた。最後の一口は惜しむようにして食べた。
周囲から拍手が沸き起こる。そこにコック帽の人物が封筒を片手に現れた。
「おめでとう。ハンバーグチャレンジは成功だよ」
差し出された封筒には金一封と墨で書かれていた。拒むように刀が頭を左右に振った。
「俺達だけの力じゃないんで、そのお金は受け取れません。できれば甘い物が食べたいんですけど」
「わかったよ。三人分のデザートを用意しよう。もちろん、私の奢りでね」
コック帽の人物は柔和な顔で引き返す。
「僕はもう限界なんだけど」
ねむるは腹を摩りながら苦笑した。
間もなくパフェが運ばれてきた。白い雲に見立てクリームの中に色取り取りのフルーツが埋め込まれていた。
三人は同時に食べ始めた。刀はクリームを頬張る。ねむるは限界を超えてフルーツの味を噛み締めた。
「ごちそうさまなの」
女の子は手を合わせて速やかに席を立つ。ねむるは食べる手を止めた。
「お嬢ちゃんのおかげで助かったよ。あの、名前を聞いてもいいかな?」
「あたしはメリーさん。今日はお手伝いで島に来ているの」
「え、メリーさんって?」
そこに刀が割って入る。
「ま、いいじゃないか。今回は助かったんだしな。ありがとう、メリー。困ったことがあったら今度は俺達が助けるからな」
「十リットルお化けプリンの早食い競争の時に声を掛けるの」
「いやいや、それは許して、おい!」
瞬きの合間に消えた。刀は虚ろな目で笑うしかなかった。
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担当ゲームマスター
黒羽カラス
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グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年04月04日
参加申し込みの期限
2016年04月11日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年04月11日 11時00分
参加キャラクター一覧
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