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ミッドナイト・フリーキー・リポート!
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【つくり話】
ごう、ごうと、たいまつに炎は渦巻き。びょう、と吹き荒れる風に、樹々はざわめき。
サキリ・デイジーカッター
もまたそんな不穏な風にあおられながら、彼は今、見も知らぬ場所に佇んでいます。
いやにまぶしい、月明り。森の中。周りに仲間たちの姿は無く。九夜山の中腹あたり、落神神社付近の脇道。奥まったところに開けた空間。サキリはそこが、先ほどまで立っていたはずの、あの石碑のあった一角であると分かりながらも同時に、そこが紛れも無く自身にとって見も知らぬ場所であると、直感的に悟りました。
あたりには一面の、赤。おびただしくまき散らされた、赤黒い色。そこらじゅう無造作に散らばっているのは、それぞれが、先ほどに彼らを……正しくは少女を追いかけていた、あの男たちを構成していた一部分であるのだろうと、サキリにも分かりました。
(これは……なんだ?)
理解が追い付かないのは、空間の真ん中に『在る』、『それ』。
『何か』。サキリの語彙に、『それ』が何であるのか、表現するための言葉は存在しません。ただ『何か』、としか言い表しようの無い、異形の、
「おっどう。わだじ、おぢよ。おっどう。わだじ、おぢよだよ。おっどう。わだじ。おぢよ。おぢよだよ。おっどう、わだじ」
化け物。
(これは……こいつは。今までに戦ってきた、どんな相手より……)
「見てはならぬ!!」
サキリはとっさに、『それ』を、視界から外します。声に従ったわけではなく、正しい判断であると直感したので。
どこかの寺の住職……といった装いの壮年の男は、やはり『それ』を視界に捉えず、目の端でかろうじて見据えながらに、
「見てはならぬ……見れば、気を奪われるぞ。狂気に囚われるぞ」
大玉の数珠を震える腕で突き出し、告げました。
『それ』。化け物、そんな単語も安く聞こえる、『何か』。
「見てはならぬ……我らには、いいや……人には、理解の至らぬものなのだ。そう、あえて、あえて例えるなら……地を這う蟻が我らを見上げようとも、それが人なるものであると、およそ理解には至らぬように……遠き空の果て、瞬く星の向こうから訪れた、我らの何もかもを上回る…………分かるか? 分からぬか? 我らこそが、蟻なのだ……!!」
サキリには、男の語る言葉の意味が、分かりました。どこか時代がかっていながらも、言わんとするところは十分に、大いに理解が及びました。
目の前の異形が、およそ自分には理解の及ばぬものであるのだと、分かりました。
「……ああ。分かるよ」
だからこそ。
「良いじゃないか?」
逃げるべきだ。サキリの本能は、叫びます。
戦ってみたい。サキリは強く、その欲求を自覚します。
『それ』は、歌うように、
「わだじ、おぢよ。おぢよ。おぢよだよ。おっどう。わだじ、おぢよ。おっどう。おっどう。おぢよ。わだじ。わだじ」
「闘っておる……娘は未だ、闘っておる……」
「……あの子が?」
痛ましげに顔を歪め、男はうなずきます。
「ああして自分の名と、近しき者、父を呼ばわっておらねば、たちまち呑まれてしまうのだろう。お千代は、まだ……抗っておる。この世に、縋っておる……!!」
壮年の男はその時初めて、サキリと視線を結びました。
「我ら人に、滅ぼすことは敵わぬだろう。しかし、『あれ』は、弱っておるのだ……人の身に巣食わねば、生き延びられぬほどに……封ずることはできよう。お千代を解き放つことはできよう……! いずこから訪れしも分からぬ、若武者よ!」
彼自身がサキリへと、すがるように。男は必死の形相で、請いました。
「どなたか存じ上げぬが、名のある侍とお見受けする。あの哀れな娘のため、どうか力を! 力を、貸してはくれぬだろうか……!」
「言われるまでもないよ」
するり、両手に抜き放つのは、短刀。幅広のブレード。手に馴染む獲物の感触を握り締め。
サキリは、『視』ました。『それ』を。
「…………あァ。良いじゃないか。く、クク、あハハ。いいぜ……やり合おうぜ。俺が切り刻んでやるよ…………ハハ、アっハハハハ!!」
逃げるべきだ。戦いたい。相反する思考の対立はやがて意識の片隅へと消し飛ばされ、真っ白に。サキリはただの一色に染まり、無心に足を踏み込んで。
「正気なんて、くれてやるッ!! ははは、ははははは。はは、あハハハ、アハ。ハハハハハハハ ハハハハ ハハハッハハハハハハハハ ハハ ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ」
刃を『何か』へ、ねじ込みました。
……夜は、明けて。
「デイジーカッターさん。ぼんやりとされていましたけれど、どうかしましたか?」
サキリの目の前には、にんまり。カメラを構えた、桃色髪の彼女。
「……ああ……うん?」
「? デイジーカッターさん?」
「記憶が、何だか……曖昧で……、あれ?」
手にした刃には、何に使ったものか、べったりと何か……形容しがたい色の、粘性の液体がへばりついています。
何に、使ったものか。
一体、『何』に?
「ああ、怖かったぁ……でも、少しはお役に立てたかなぁ?」
ともあれ、空は白み。
夢宮 瑠奈
は、逃げ出しもせず仕事をやり遂げることができた自負に、笑顔を輝かせています。
隣で
綾辻 綾花
も、ほっと安堵。とはいえ内心では、
(……しばらくはにゃんこか、ぬいぐるみを抱いて寝ることになりそうです……)
百鬼夜行を見たら死んでしまう……なんて、以前に耳にした話を脳裏へ思い浮かべつつ。いくらか趣は異なるものの、少なくとも今夜に目撃した光景は、しばらく夢に見てしまいそうです。
「さて、さて! 番組もそろそろ終了、というところですね。皆さま、ご協力ありがとうございました」
秘子はくるり、くるり。カメラを手に、今日の頼もしい同行者たちの顔をひとりひとり、じっくりと映した後に。
「初めての実況生中継でしたけれど、視聴者の皆さま、楽しんでいただけましたか? わたくしは、んふふ……とっても、とっても楽しかったです♪」
レンズにどアップ、自分の顔を大映しにして、にちゃり、唾液が糸引く音とともに口を開き、
「皆さま、ご視聴ありがとうございました……あ、そうそう! ひとつ、大事なお知らせがあるんです。あまり詳しく教えてはいただけませんでしたけれど、プロデューサーさんからちらりと、お聞きしたところによりますと~……なんと! 今度、『ミッドナイト・フリーキー・ショウ!』の特番、スペシャル番組を放送するそうなんです! んふふ、楽しみですよね♪ わたくしも、出演させていただけるのかどうかは、分かりませんけれど。そちらはまだ、聞いておりませんけれど……」
ちょっぴり、ほんのかすかに、声は沈み。
けれどすぐにも、いつものにんまり笑顔を浮かべるままに。
「どうぞ、楽しみにしていてくださいね♪ 今夜の『ミッドナイト・フリーキー・リポート!』は、わたくし、
胡乱路 秘子
がお送りいたしました。それでは、ごきげんよう……んふふ!」
手を振る彼女、周囲の面々の顔をもう一度、ひと通りぐるりと映し出してから、番組は終了となりました。
「と、いうわけでーっ。
コズ
の『バグった寝子島を実況プレイ』、これにて終了でーす! お疲れさまでしたー、ああ怖かった! こーいうのはもう、私の番組ではやりませんからね……えっ、『面白かった』? 『次も期待してる』? じょ、じょーだんですよね……!?」
ぷっつりと途切れた放送を、勉強の息抜きがてらに眺めていたどこかの学生が、つぶやきました。
「……うっそくせー」
オフィスでひとり残業しつつ、実況を横目に眺めていた会社員も、鼻で笑いながら、
「B子は結局どうなったんだよ、B子は」
夜勤明け、始発電車の中で番組を見届けたアルバイトの女の子も、
「ま、ネット怪談なんて、こんなもんよね」
視聴者はきっと、とりとめのないコメントなど動画へ挿入しながらに、みな、そうした感想を抱いたことでしょう。つぶやいたことでしょう。
『バグった寝子島を実況プレイ』にしろ、『ミッドナイト・フリーキー・リポート!』にしろ。誰しも見る者は、話半分。いかに映像が生々しく見えようと、リアリティがあろうと、最初から信憑性などあって無きがごとし。ネットワークに転がっている怪談話なんて結局のところ、その程度のものです。
Aや、B子や。親子や、白い肌の男たち、謎めいた化け物も。番組を見る者にとって、所詮それらは創られた物語に過ぎず、信じるに値しない……けれど束の間、好奇心や怖いもの見たさ。そうした暗い欲求を満たすには足る、いわば、刺激的なエンターテイメントのひとつ。
きっと、そんなものに過ぎないのでしょう。
「あら! もう起きてたの? それとも、まさか、徹夜したんじゃないでしょうねー? どうしても手放してくれないから、そのスマホも許可してるけど、そんなことばっかりしてると、取り上げちゃうんだからね? ダメよー全くもう」
真っ白な壁が目に痛い、何かの薬品の匂いが鼻に付く、清潔そうな小部屋。やってきた白衣の女性がカーテンを引くと、ベッドに腰かけながらスマートフォンを眺めていた、20代くらいの痩せた女の子が、差し込む朝の光に目を細めて、ぽつりと言いました。
「……………………わだじ」
わけもなく、身体を前後に小刻みに揺らしながら、ニヤニヤと笑いながら。
くぐもって低い、まるで、中年男のような声で。
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あとがき
担当マスター:
墨谷幽
ファンレターはマスターページから!
墨谷幽です。『ミッドナイト・フリーキー・リポート!』のリアクションをお届けいたします~。
正直に言ってしまいますと、このシナリオは当初、『皆さんの怖い体験談を、ネット怪談風に表現する』といった形を考えていまして、ガイド冒頭のお話はもともと、そのサンプルとして書いたものだったりします。
ただ、皆さんに怖い話を語っていただく……というシナリオは過去に何度かあったとのことなので、急遽路線変更。『B子さん』をむしろ主軸に据えて、その真相を探ったり、その過程でいろいろ怖い思いをするシナリオにしよう! と、今回はそのような形へ変更することとなりました。
つまりは、墨谷はガイドに提示した情報を除けば、全くのノープランでありました。ははは。お話の流れは皆さんのアクション頼みでありまして、実際にひとつのストーリーとして、組み合わせてみましたら……こんなお話になろうとは、思ってもみませんでした!
とまぁそんな経緯からのリアクションになりますけれど、いかがでしたでしょうか? 楽しんでいただけましたら、幸いです~。
それでは今回も、ご参加いただきまして、ありがとうございました!
またの機会にお目にかかれますこと、心よりお待ちしております~。
お疲れさまでした!
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担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
ホラー
神話・伝説
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年03月22日
参加申し込みの期限
2016年03月29日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年03月29日 11時00分
参加キャラクター一覧
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