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ミッドナイト・フリーキー・リポート!
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【幻像】
墓地をひと通りぐるりと歩いてみた後に、
綾辻 綾花
がふと、
「あ。ほら、ありましたよ」
知らない誰かが立っていたり、墓石が誰かに壊されていたり……そんなハプニングにこそ、出くわしはしないとしても。綾花とて夜の墓地に漂う空気や、件の怪談話、その真相を探ることを、恐れないわけでは無いのです。むしろ恐いものは、得意なほうではありません。
けれどこれも、彼女が日々を過ごす、寝子島のため。そこに暮らす人々や、彼女の愛する猫たちのためを思うなら、恐ろしさよりも、真実を知りたいという欲求が勝りました。
かくして綾花が掲げて見せたスマートフォンの画面には、一枚の画像……タイトルは、『心霊写真:桜台墓地にて』。
「ちょ、ちょ、ちょっ! そんなの見せないでくださいよー!?」
屋敷野 梢
の声は必要以上にやかましく聞こえながら、すぐにも、深夜に横たわる墓地の静けさへと吸い込まれていきます。
「何か写ってるの?」
「丸で囲ってあるところに、霊が写ってる……そうなんですけど」
圭花が綾花のスマートフォンを覗き込むと、確かにこの墓地の中で撮られたらしい写真へ、赤い丸がいくつか、くるりと描き入れられています。けれどまじまじと目を凝らして見ても、そこに何かが写り込んでいるようには思えません。
「何かヒントがあれば、と思ったんですけど。これじゃ、良く分かりませんね」
「そうね……確かこの場所は、『どこからともなく聞こえるささやき声』と、『周囲の音を録音し再生すると、奇怪な音声が紛れ込む』、だったわね? 今回は、ちゃんと道具を用意してるのよ」
じゃん、とおどけて圭花が取り出したのは、彼女のアルバイト先である
ラジオ局
から借り受けてきたという、ハンディサイズの録音機器。そこへ綾花もうなずいて、スマホの録音用アプリを起ち上げます。
「B子さん、まるで、音声が再生され続けてるようにも見えますよね。こうして録音してみれば、何か聞こえるかも……」
「ほ、ほんとにやるんです? やめません? だってほら、本当に何か怖い声とか入ってたらどうするんですか、そんなの聞いちゃったらもう……」
「シッ。静かに」
圭花は指を立て、カチリ。ボイスレコーダーのスイッチを入れ、綾花も録音アプリで録音を開始。周囲の同行者たちもそれを妨げないようにと、一斉に声を潜めます。
しんとした墓地に、聞こえてくるのは風の音と、自分たちの漏らすかすかな呼吸音。遠くでか細く犬の遠吠えが聞こえて、梢がひとつびくりと肩を揺らします。
他には、何も。何も、聞こえません。話に聞くようなささやき声も、奇怪な何かしらの音声も。何も。
「……それじゃ、再生してみましょうか」
「ええ。巻き戻し……と」
録音した音声の頭から、さっそく再生。耳を澄ませます。
じじじ、とかすかなノイズ音がスピーカーから漏れ聞こえた後、
「……何も、聞こえませんね?」
「そりゃそーですよー、そんなの簡単に聞こえちゃったら、私はもう……」
「聞こえる」
「ええっ!?」
ぽつり。そう言ったのは、圭花でした。綾花は彼女の持つレコーダーのスピーカーに耳を寄せ、梢は目に見えるほどに肩を震わせながら、聞き入ります。
何も。聞こえてはきません。ざあ、ざあと、少しばかりのノイズが耳に障るのみで、ふたりには、何も。
「えっ、聞こえない? ほら、良く聞いてみて」
「……いやいやいや、何も聞こえないじゃないですか! お、脅かそうったって、そうはいきませんよー!?」
「はい、私にも、何も……」
ふたりには、何も聞こえません。ささやくような声など。何も。
「ウソでしょう……!? こんなにはっきりと聞こえるのに……!」
圭花の耳に届く、肌が粟立つこのささやきが、ふたりには、何も。
「……ああ、もう! 分かったわよ!」
いら立ち、圭花はレコーダーを彼女らの耳から引き剥がすように、踵を返しました。
「圭花さん? どこへ……」
「確かに、聞こえるの。ここで、何かが起きてる……否定のしようもないくらい、もっとクリティカルなのを録って来てやるわ! 見てなさい!」
なぜ自分は、こんなにもいら立っているのだろう。圭花はおぼろげにそう思いながらも、足を止めることができません。綾花の不思議そうな顔に、何もあんな言い方をしなくても良いのに、と自分を責めながらも、足を止めることができません。
聞こえるのです。彼女には。声が。
ぽそり、ぽそりと。声を潜めて、誰かがささやくのが。確かに。
ひとり、同行者らから離れて足早に、墓地の奥まった一角へ。脇目もふらず。
「何? 誰? 何て言ってるの?」
なぜ、自分は。どこへ。誰が、自分を。とりとめのない疑問が胸に湧いては消え、ひたすらにずんずんと足を進めます。仲間たちの持つ懐中電灯の明かりが遠ざかっても、不思議と、つまづくことはありませんでした。
「絶対……確かめてやるんだから」
あえて強い語気で、口に出します。背筋を這い上る恐怖を、気丈に振り払うように。今にも近づこうとしている何者かを、遠ざけるかのように。
レコーダーを確かめると、録音状態を示す赤いランプは点灯したまま。しばしそれを灯してから、録音を切り、再生ボタンを……押すまでも無く。
……さま…………よ。
「っ!! 誰、何を…………」
ぞわ、と全身の毛穴が一度に開くような、氷を脈絡なく首筋へ当てられたような、そんな感覚。
……る…………まが……く……よ。……くる…………さま……が…………よ。
ひそひそ。ひそひそ。ひそひそ。
ボロ切れのようなものを纏った、真っ白な顔の、男。小さな、女の子。縮みこんで身をかがめ、佇んでいます。暗がりの、墓石の陰に隠れるように。
圭花の、目の前に。
ぎぎぎ、と。ふたつの首が軋むようにこちらを向いて、異様なまでに小さく、剥いた黒目と、目が合いました。ひゅ、と鋭い呼気の音が喉から迸り、圭花はぴくりとも動けないまま、小刻みに全身を震わせて。
…………くる…………さまが……るよ。…………しの…………くるよ。…………さまが…………くるよ。
すう、と、いやに長く見える真っ白な腕を、こちらに伸ばして。男と、女の子はひん剥いた瞳で圭花を見て、縋るように両手を伸ばし、圭花の身体へと絡ませて。
圭花の、中へと。
「圭花さん!!」
「ッ、あああ!?」
綾花が肩に手を置くと、圭花は弾かれるようにして大げさに飛び退き、レコーダーを取り落としました。
「……えっ!? 私……あ、あれ? 何、どうして……」
「ちょっともー、やめてくださいよー! そーいう演技とかいらないですから! コメントは大盛り上がりですけど……!」
びくびくとしながら梢もやってきて、唇をとがらせます。
綾花には、圭花が先ほどの異様な様子から、すっかり覚めたように見えました。
けれどその上で、尋ねずにはいられません。
「あの……圭花さん。誰かと、お話してたんですか……?」
「……え。誰かって?」
きょとんとして、聞き返した圭花は、すっかり元通りであるように見えました。
けれど。先ほどの、あの様子は。尋常では無い、あの喉にひりつくような、異様な空気は。
「ずっと……言ってましたよ。今。つぶやいてました」
「私が? 何、を? 誰と……」
綾花は、首筋を伝う嫌な汗の感触に身をすくませながら、こくりとひとつ唾を飲み込み、告げました。
「…………ホシノゴさまがくる。ホシノゴさまがくるよ。ホシノゴさまがくる……って。『ホシノゴさま』、って、誰ですか? 何ですか?」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
ホラー
神話・伝説
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年03月22日
参加申し込みの期限
2016年03月29日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年03月29日 11時00分
参加キャラクター一覧
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