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悪徳は芳しき香りに満ちて
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【駆引】
通信機から届くのは、仲間たちの声のみならず。
「メカのバッテリーが、もう持たない……八神君、何をしてるんだ……?」
ヤーガ
の声には、いささかの焦りが滲む。
「動かないほうが良いよぉ」
3種のクッキーを噛み砕き、
壬生 由貴奈
の指先には、ぴたりと宙へ静止した釘。眼前の彼らが少しでも不審な動きを見せれば、壬生はそれを射出するだろう。
鈍く光る釘の先端が自身へ狙いを定めているのにも構わず、
如月 庚
は語る。
「言ったろ? 取引だ、悪いようにはしねぇよ……あんたらにはあんたらの、俺らには俺らの仕事がある。そして……俺たちは、黒崎に用がある。それだけだ……」
「見返りは、私たちが皆さんの逃走の手助けをしまーす。条件は、その絵を5秒間だけ、たったの5秒間だけ私たちに手渡して、その間目をつぶっていること。それだけ!」
「……どういうことかなぁ?」
壬生の差し挟んだ問いに、
屋敷野 梢
はぱちりと片目を閉じて、
「その絵にちょちょいっと、ラブレターを入れるだけでーす。内容は、乙女の秘密! 不埒な詮索は……めっ! ですよー。あ、このこと、桜栄さんには話さないでくださいねー? 彼女は知らないほうが、きっと安全ですから」
「へぇ、そこまで知ってるんだねぇ」
同時に屋敷野は、スケッチブックに書き入れた文字を、壬生やその仲間たちへと掲げて見せる。どうやら彼女らが相手取るのは件の『クロサキ機関』であり、盗聴の類を警戒しているようだ……スケッチブックには、OKなら『断る』、断るなら『OK』と答えるように、と記されている。
本命の絵を前に、不意に投げかけられた問い。とはいえ一連のやり取りを、ヤーガは通信機からの音を通じてしか受け取れず、仲間らの思考を表す沈黙は、彼女をことさらに焦らすことになった。
「……? 電話? こんな時に……」
そんな中で、唐突に鳴り出した、ヤーガのスマートフォン。アジトへ響く着信音を遮り、作戦のさなかでありながらも通話を受けたのは、画面に見えた名前が、見知ったものだったからだ。
「城山さん? 久しぶり……でも今、ちょっと取り込んでて……え?
黒崎 俊介
?」
城山 水樹
は理由を、ごく簡潔に述べた。
「……私の復讐は、まだ終わっていなかったのよ」
かつての仲間たちへと知り得た全てを伝えるのは、それが彼女にとって一番の近道であるだろうと判断したからだ。中沢邸での一件で、城山は真に頼るべき相手と繋がりを持っていたことを、心の中、誰ともなく大いに感謝した。
「私のほうでも、黒崎のことを調べていたの。その中で、分かったの……
中沢 リッカルド
、彼もまた、フロントに過ぎなかった……」
三ヶ島 葵
、裏の人間向けに名乗るところの鹿島 あおいの協力を仰ぎながら、城山はまず、中沢がかつて手掛けていた裏事業を探った。それらは中沢の独断によるものではなく、その大元をたどっていくと、より大規模な投資詐欺組織へと行き当たることが分かった。そして、同じような規模と性質を備える組織は、実のところこの街に幾つも存在し、それぞれが異なる犯罪行為を受け持つことを、城山は突き止めた。
「その、元締めが……『クロサキ機関』?」
「ええ。私の父を破滅させた投資詐欺組織は、黒崎の持つ事業のひとつに過ぎなかった。彼は幾つもの犯罪組織を束ねていて、その中に……芸術品の違法な売買に携わるものがあるらしいの」
「……! 『子猫を抱く女』……?」
通話の向こう、ヤーガも気付くところはあったようだ。何しろ聞けば、彼女とその仲間たちは今まさに、黒崎の求める絵画を盗み出そうとしているのだ。
「確かにあの絵は美術館の所蔵で、個人がおいそれと売買の交渉をできるような代物じゃないわ。それに、黒崎は美術コレクターを名乗っているけど、本質はとてもそうは思えない……彼の求める絵はいつだって、一貫性というものが無い。ちぐはぐなのよ。ならどうして、彼はあの絵をあなたたちに盗み出させてまで、欲しがるのかしら?」
黒崎が泥棒に依頼し、絵を盗み出させるのは、今回が初めてのことではない。これまでに幾度もそうした仕事を彼は依頼し、数々の美術品を手に入れてきた。
「それって、つまり……」
ヤーガの問いに、城山は断ずる。彼女なりに導き出し、そして三ヶ島の協力を経て、裏付けを取ることもできた答えだった。
「黒崎は、幾つもの裏の顔を持ってる……でも少なくともその一つは、『美術品の闇ブローカー』。およそ個人で所有することが叶わないような大作を、手練れの泥棒に盗み出させては、それを求める富豪や権力者たちへ、多大な報酬と引き換えに売り渡す……それが、『子猫を抱く女』を求める理由。どんなに素晴らしい絵画も、彼自身の感性にとっては、これっぽっちの価値も無いのよ」
そしてそんな男を、城山は、許せない。あの夜をともにした彼らへと無償の情報提供を申し出た、それが最大の理由だった。
「断る!」
八神 修
の決断は、早かった。
つまりは、『OK』だ。
桧垣 千里
がその耳元へ口を寄せ、
「いいの? そんなに簡単に」
「ヤーガからの連絡を聞く限り、黒崎はなかなかに油断ならない男のようだ。それに、デイジーカッターが言っていたよ……黒崎が目的の物を手に入れた後、桜栄をそのまま放っておくとは限らない、と。取引現場での襲撃の可能性も否定はできない……美人が傷つけられるのは忍びないからね、保険を打っておくのも悪くは無いさ」
軽薄に見え、然るべき措置は講じておく堅実さもまた、怪盗がこの現代を生き延びる秘訣でもあるのかもしれない。
ともかくも、取引は成立した。
「後悔しませんねー?」
答えがどちらとも取れる返答を経て、屋敷野が絵を受け取り、彼らが瞳を閉じたのはきっかり、5秒間。
「……よし。これでいい。じゃ、絵は返すぜ……後はお前らのやり方で盗んでくれ。俺らはそいつを手伝わせてもらう……っとォ」
「悪いが、眠ってな……!」
闇の中へとにわかに蒼い光が灯り、駆け込んできた警備員を、如月が一撃のもとに叩き伏せた瞬間。
鳴り響いた警報が耳をつんざき、館内中を乱反射しながら駆け抜けていく。
「メカのバッテリーが限界だ、セキュリティシステム再起動!」
通信機から響く声。照明は明るさを取り戻し、再び美しい絵画の並びを来館者たちへと紹介し始める。
「さあて、忙しくなって……」
「きましたねー! さ、次はどうするんですかー?」
未だ遠くでありながら、警察車両がかき鳴らすサイレンの音も聞こえてくる。唐突な助っ人たち、如月と屋敷野の挑むような視線を受けて、八神は腕組み、
「さて、そうだな。警備主任は聞いていた通り、手際が良いな……恐らく昼間の内に警察へ連絡し、出動の手はずを整えさせていたんだろう。良い判断だ。壬生が監視カメラの類を無効化してくれたとはいえ、かさばるこの絵を抱えたまま逃げるのは、少々骨だな」
「あ。ということは……」
ぱちり、と。桧垣は彼の思考へ思い至ったようで、両手を叩き、どこか嬉しそうに言った。
「彰尋君の出番だね?」
「そういうことだ」
怪盗の策が、発動する。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
前回シナリオ
悪徳は小粋な調べに乗せて
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
コメディ
推理・サスペンス
バトル
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年03月02日
参加申し込みの期限
2016年03月09日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年03月09日 11時00分
参加キャラクター一覧
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