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悪徳は芳しき香りに満ちて
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【再動】
信頼という言葉に紙くず以下の価値も無いと再認識させられるような瞬間を、
ヤーガ
とて幾度となく垣間見てきた。口にすればするほど、その価値を貶めるような唾棄すべき人間と対峙してきた、幾度となく。
「はは。恵御納とこんな風に歩けるなんて、役得だな? おっと、今は『ヤーガ』だったか」
しかし、
八神 修
だけは別格だ。彼はヤーガが繕わず信頼すべきと呼ぶことのできる数少ないひとりであり、長年のパートナーでもあった。
「……君は本当に、変わってるよね。ボクなんかと一緒なのが、そんなに楽しいの?」
「もちろん。俺は裏社会に名高い天才ハッカーが、実は可愛い女の子なんだと知ってるからね……そこ。赤外線センサーがもうひとつ。なるほど、鉄壁だな」
「了解。君はその口で、誰にでも同じことを言うんだろう? 八神君」
「ははは、心苦しくも否定はできないな。よし、次はあちらだ」
軽口とともに、タイピンへ仕込んだカメラで間取りを撮影する。
盗みを生業とする者たちの中でも、世には怪盗と呼ばれる人種が存在し、八神という男はまさしくその類だ。快楽主義の極みのような手口は彼の家系に代々受け継がれてきた伝統であり、犯行予告をしたためたカードを現場に残すことこそしないものの、彼の豪胆さや鋭い機転、それでいて繊細な手並みに、ヤーガが救われたことは数知れない……いささかの軽薄さを差し引いたとしても、だ。
昼間の森繁美術館はたいそう混雑していて、人いきれにむせるようだ。腰まで届く長髪の少女を装うヤーガは、八神の腕に自身を預け、瀬島 作太郎の名画を堪能する……振りをしながら、厚いセキュリティの突くべき隙を模索する。同じように下見へ訪れている仲間たちとも時折目配せしては、小さくうなずく。
隣へやってきた
壬生 由貴奈
が、眠そうな瞳でつぶやく。
「監視カメラに赤外線センサーが山盛り、絵の周りには感圧センサーがぎっしり……」
「いけそうかい? お嬢さん」
「もちろんだよぉ。本番が楽しみだねぇ」
名画『紅葉狩り』を鑑賞する体で並び、八神が尋ねれば、壬生は半ば垂れ下がったまぶたとは裏腹に、揚々と答える。
「やるからには、完璧を求めなきゃ二流。手抜きは許されないよぉ」
語る言葉はさておき、初対面の初仕事とあってはヤーガも警戒したものだが、彼女のどこか気の抜けたような柔らかい人当たりには、毒気を抜かれてしまった。それに、機械屋を名乗る彼女が合流したことは、作戦の幅を大いに広げたと言える。ソフト面に優れるヤーガと、ハード面に長けた壬生の手腕が揃えば、およそ無力化できないセキュリティは無いだろう。
もっともそこに至るには、彼らの得意とするような、アナクロな手段によるお膳立てもまた必要となる。
「うん、彼は良さそうだ。体型が俺とそっくりだ」
曲がった背中に、ひどく人相の悪い、目つきの悪い中年男は、
鴻上 彰尋
。変装の達人にして、警備員として内部への侵入を図る彼は、化けるべき相手を物色している。彼の本当の素顔は仲間たちの多くですら垣間見たことはなく、それを知るのは今や伝説とも称される三人組、その仲間たちくらいのものだろう。
ひそやかに小型カメラのシャッターを切り、無愛想に行き過ぎていく警備員らを撮影する彼の耳元へと、
夜海霧 楓
が小声を寄せる。
「おい、鴻上。今回もハードな仕事になりそうだぜ……見てみな」
彼の示す先。展示フロアの最奥に、件の名画……『子猫を抱く女』。その筆致を楽しむ多くの客たちの向こうに、二人の警備員らのやり取りが目に入った。
「千歳飴さん。また休憩ですか? 仕事中に、ずいぶんと余裕がありますね」
「ああ……警備主任。立ちっぱなしは疲れるものでね。今戻るよ」
「ええ、ぜひそうして下さい。巡回ルートに乱れが出ると、警備に支障をきたしますから」
長髪の内側を鮮やかな水色に染めた、およそ警備員らしくない女はともかく……
八咫 鏡
。プロの派遣警備員。その顔には大いに、見覚えがあるものだ。
「……なるほど。これは、楽しめそうだね」
「だろ?」
鋭くこちらへ向けられた視線へ、鴻上は何気なく一礼し、口元を緩ませた。
桜栄 あずさ
、奔放な女泥棒は悪びれず、言ったものだ。
「ま、そういうわけだから! みんなで楽しく、お仕事しましょ?」
大仕事はいわば、彼女の尻拭いであるとも言える。
黒崎 俊介
がこれまでに、貸しを取り立てるのに何らかの手心を加えたという話は聞こえてこない……尻込みし、桜栄の依頼に誰もが取り合わず、彼女をそこらへ放逐したなら、その運命がどこへ転がり落ちるかは想像に難くない。
「それじゃ、俺は囮役だなー。まぁ、精一杯頑張りますか、っと!」
その境遇を見かねたのか、協力を承諾した何でも屋、
卯木 衛
は報酬の交渉をしようとしなかった。どれくらい困ってる? そう尋ねただけだ。度を越えた世話好きは、裏社会に生きる者には得てして奇異に映ったかもしれないが、少なくとも彼がそれを気にするそぶりは無かった。
リカーブボウを手際良く組み立て、弦の引きを確かめる
レイ
などは、
「オレには、報酬はいらないぞ……?」
前回、中沢邸での一件でもそうであったように、本人は報酬の一切を受け取らず、代わりにNPOへと送金する手はずとなっていた。戦闘要員として類稀な能力を持ちながら、お人好しと呼ぶなら、彼とて相当なものだ。
「クロサキ機関とやらの噂は聞いてるよ。そんなのに手を出すなんて、桜栄もやるじゃないか」
サキリ・デイジーカッター
は、桜栄の旧知であるという。暗視ゴーグルや通信機の作動をチェックしながら、彼は恩人であるという彼女へ、親しみを込め微笑む。
「以前の仕事で助けてもらった恩は忘れてないよ。借りを返す時だね」
「いつぞやの坊やが、こんなにイイ男になっちゃうなんてね。ええ、期待させてもらうわ♪」
ナイフの名手として知られる彼ですら、受けた恩義のためと称してはばからない。盗みの算段をつけるにはいささか、場の空気は和やかに過ぎたかもしれない。
といって、この場に顔を連ねた面々の、求めに応ずる理由は様々だ。太陽の下で全うな道を歩む家族のため、この街で自由を謳歌し生きていくため……平坦な表情で睫毛を伏せた
雪月
のように、多くを語らぬ者もいる。
(……私は、命令に従うだけ)
彼らの歩んできた道は、桜栄の持ち込んだこのような機会でなければ、決して交わることも無かったかもしれない。それが今、こうして崩れかけの廃ビルにずらりと顔を揃え、ともにひとつの目的に向かって邁進することとなったのは、ひとえに彼らに共通する、ある気質があってのことだろう。
すなわち、彼らが安穏とした光の下、大手を振って歩むにはどうにも、日差しはあまりにまぶしすぎた。
「ま、だからこその、このメンツってわけだ」
夜海霧は手に馴染むリボルバーのシリンダーをスイングアウト、6つの黄金色を確かめる。鴻上へと視線を流せば、当然のように彼は、笑ってうなずいて見せた。
前回に引き続き、美術館の大まかな間取り、警備員の名簿など、多岐に渡る情報を提供した情報屋、
クズ
もまた、その顔ぶれをぐるりと眺めて、
「確かに、そうそうたる顔ぶれだねぇ。これなら僕も、仲介料を取りはぐれる心配はなさそうだ。成功を祈ってるよ? もちろん君たちなら、成功させてくれるだろうけどねぇ」
にんまりと口元を歪める。
楓は手首をしならせ、ぱちりとシリンダーを戻し、言った。
「楽しもうぜ。お前ら」
異論など、ただのひとつもありはしなかった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
前回シナリオ
悪徳は小粋な調べに乗せて
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
コメディ
推理・サスペンス
バトル
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年03月02日
参加申し込みの期限
2016年03月09日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年03月09日 11時00分
参加キャラクター一覧
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