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寝子島高校
悪徳は芳しき香りに満ちて
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【明暗】
夜の街の片隅に、貨物列車の停車場が佇む。昼間はともかく、この時間帯であれば概ね人気も無く、ぽつりぽつりと灯る脇道の街灯が届ける明かりがあるのみで、闇の中を動く者は無い……彼らを除いては。
「あッ、ハハハハハハァ!! ああ、楽しいなァ!! サキリ君の他に、君みたいなのがいたなんてねェ……」
が、とぶつかり合う二本の刃。幅広のブレードを振り抜き、勢いのままに回転しつつ間合いは離れ、ぴたりと身を止めたところで、
矢萩 咲
は愛憎入り混じるといった複雑に歪んだ笑みを伴い、
御剣 刀
を睨む。
あの夜から、数日が経った頃。諸々に被った打撃のため、今は地下へと潜伏中である『クロサキ機関』の刺客が、黒崎を見事に欺いた彼らを襲った。その中の幾人かは早々に行方をくらまし、職業柄の危機察知能力と身軽さを持って、足取りを追うことは極めて困難だったが、中には自ら姿をさらし、堂々たる構えで迎え撃つ者もあった。
御剣は正眼に刀身を定め、剣先を矢萩のふくよかな胸元へと据える。
「……ああ、こっちもな。狙い通りだ。あいつらに手を貸せば、釣れると思ってたよ」
「へぇ、じゃあ待っててくれたのかな? 嬉しいねェ……君ほどの手練れと、こんな風にヤリ合えるなんてさ。ああ、滾るなぁ……ッ!」
弾丸のように迫る矢萩の剣閃を、御剣は半身を引いて避けながらに、横薙ぎの一刀。打ち合う刀身が再び、夜闇へ火花を散らす。
剣戟や戦闘音は、ひとつ限りではない。
サキリ・デイジーカッター
、
レイ
もまた、ぎらつくナイフや消音機付きの拳銃を構える黒服の一団に囲まれ、背合わせに各々の武器を彼らへと向ける。
「やれやれ。今回は、流血沙汰は避けたいんだよね」
「甘いことを言ってると、足元をすくわれるぞ?」
「何だか、そういう気分なんだよ。最初から最後まで血を見ないのも、たまには悪く無いかなってね」
「まぁ、それもいいさ……」
サキリは、短距離連続転移。瞬時に黒服たちの背後を数珠つながりに飛び回り、元は矢萩の手に握られ、今ではすっかり馴染んだ感触の日本刀を振るい、峰打ち。時には強い閃光を放つフラッシュ装置で目くらましをかけながら、次々に叩き伏せ、昏倒させていく。
「ああ。オレも付き合ってやるさ」
拳銃を持った相手には、レイが幾本もの矢を同時に番えて撃ち放ち、地へと突き立ったそれらの矢尻から局所的に噴出するガスで視界を奪い、その隙を突いて接敵。流れるような格闘術で意識を刈り取り、手刀から繰り出す無色の刃で銃口を断ち落とした。
「いいよ、いいよ、君たち……! 盛り上がってきたねぇ。それじゃ僕も、取って置きを披露してあげようかなァ?」
矢萩が不意に腰を落とし、ブレードを線路の枕木へと突き立て、拳を握り込む。
「僕……『凶剣』、なんて呼ばれてるけどさ。実は、本当に得意なのは……こっちなんだよねェッ!!」
突き出した拳から真っ直ぐに伸びた、光をも呑み込むほどの漆黒の光条。御剣はとっさに身をかわすも、それは意思を持つかのように弧を描いて曲がり、御剣の胸を穿つ……その瞬間に、
「……この刃が届くまで。世界よ、凍てつけッ!」
御剣は脳裏に撃鉄を叩き落して精神へと点火、肉体は加速し、光条は彼の身をかすめつつも通り過ぎ、黒服の何人かを巻き込み薙ぎ倒していく。そのまま死角へ踏み込み、
「まだだ。まだ、これからだ……!」
「そうさ、もっと、もっと……僕を満たしてくれるよね?」
暗闘を車両の上から眼下に観察し、雪月は……いや。
「……
スノウ
。任務完了」
卯木と接した際、ほのかに覚えた感情の揺らぎも、今は無い。さざ波すらも立たない平常心、いつもの虚ろな自分を保ちながら、スノウは『クロサキ機関』に関する調査報告を、ひどく簡潔な報告とともに送信した。
夜も眠らないこの街へ根を張らんとする者たち、闇を好み暗がりを行く者たちを束ねる組織の類は、いくつもある。スノウに命令を下す、今はまだ名も知られぬ国際犯罪組織。未だ多くの裏ビジネスを手掛け、多大な収益を上げる『クロサキ機関』。そして、
「困るんだなぁ。同胞たる黒崎くんの、邪魔をされちゃあ……君のようなちっぽけなネズミごときに、さ」
「…………情報屋の、『
クズ
』」
『七星』。その実態はようとして知れず、深淵の中に蠢くばかり。
瞬間、スノウの手には釵が握られ、冷たく感情の宿らぬ瞳で、銃を片手に八極拳か何かの構えを見せた葛木を……その後ろに展開する、兵たちを見据える。スノウはそれらに動く余地を与えぬままするりと踏み込み、両の釵で連続の殴打。葛木の横面と鳩尾を穿つ。
すぐさま後方へ飛び退き、間合いを取り……しかし。
「僕たちのやってるのはね、立派な『弱者救済』だよ? 依頼人が自ら叶えることのできない切なる願いを、僕たちは成就させてあげるわけさ。それを君は、邪魔するっていうのかい?」
こたえたそぶりは無い。ぴくり、といつしか張り詰めたスノウの肩を、葛木の発する威圧が、かすかに震わせた。
「……知らない」
それでも、踏み込む。いつもの自分。スノウは、葛木のまき散らす恐怖が肌へと這わせた怖気に、気付きもせずに。
「興味も無い。私はただ、命令に従うだけ」
「つまらないネズミだなぁ。まぁ、ちょっと退屈してたところさ。遊んであげるよ」
身をかがめて放たれた銃弾をかいくぐり、勢いを殺さず跳躍。空中で一撃、着地ざまに二撃、円を描くように繰り出したスノウの蹴りを受け止め、避けると同時に葛木が繰り出す、背中から全身を打ち込む靠の一撃。肺から根こそぎ空気を抜き去るような衝撃、しかし弾かれた反動を保ったまま、スノウは背後から迫る『七星』の兵のこめかみへ足刀、振り下ろされる刃を釵で受け止め、足を払い引き倒す。
反転、再びの跳躍。薄い笑みを浮かべ手招きする葛木へと、スノウは、全力を込めた蹴りを叩き込む。
闘いは、続く。街に降りる夜は、未だ、明けぬまま。
客たちに紛れ、
八神 修
と
ヤーガ
は、絵画を見上げる。『子猫を抱く女』は、数日前に下見へ訪れたときと同じように、何事も無かったように、そこへ鎮座していた。
「やっぱり……良い絵だね。戻って良かった」
「ああ、それに、良い仕事だった。楽しかったよ」
二人はしばしじっと、絵に見入る。彼らは先日とは異なる変装を身に纏って、そんな窮屈な格好をして眺めなければならないのが少々残念ではあったが、それでもやはり、絵は美しく色付き、華やぎ、輝いて見えた。
「……?」
ふと。ヤーガは隣に立つ、やや派手な服装の、一人の女性の様子が気になり、ちらりとその横顔を覗き見る。
女は先ほどからじっと微動だにせず、『子猫を抱く女』を一心に見つめていた。凍り付いたかのように、真っ直ぐに。かと思えば、唐突に女は、頬へと一筋、つ……と、瞳からこぼれた雫を伝わせ。やがて、
(笑った……?)
どこか、切なく。それ以上に清々しい、何かが吹っ切れたような泣き笑いをひとつ、口元へ浮かべた後に。
女はくるりと踵を返し、振り返りもせず、去っていった。
「どうした、恵御納?」
「……いや。今の人……」
「これがサクタローの、『子猫を抱く女』デスカ? 良い絵デスネー」
ほくほくと機嫌の良さそうな、
トワ・E・ライトフェロゥ
の明るい声に、ヤーガの思考は中断を余儀なくされた。
「やあ、『フェロー商会』の看板店主じゃないか。絵を見に来たのか?」
「いえいえ。ココのけーび主任に頼まれて、新しいセキュリティシステムを納入しにきやがったデス。『お金さえあれば、何でも、誰にでも!』が、トワのモットーですカラ」
「なるほどね、しっかりしてるなぁ」
「ふふ。お褒めに預かり、光栄でごぜーマス!」
思えば、今回の件でもっとも恩恵を受けたのは、彼女だったかもしれない。売り上げは倍増、こうして新たに大口の顧客も獲得できたとあって、一際華やかに咲くような笑顔も、無理からぬことではあったろう。
二人の軽やかなやり取りを聞きながら、ヤーガは何とはなしに、再びあの女の後姿を探したが、見つけることはできなかった。
女の素性は、分からない。見覚えがあるわけでもない、ただ……どこか、何故だか、気を惹かれただけだ。
それでもヤーガは、涙をこぼしながらに浮かべたあの笑みに……ぴんと背筋を張って迷いなく、颯爽と立ち去っていった、後ろ姿に。
(……うん)
気分はどこか晴れやかで、澄み渡ってゆくように思えた。
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あとがき
担当マスター:
墨谷幽
ファンレターはマスターページから!
墨谷幽です。なんとなーく続けてみた、『悪徳』シリーズ第二段のリアクションをお届けいたします。
今さらですけれどこれ、この先も続けていくとなると、タイトル考えるの大変だなぁ……。
普段の寝子島では味わえない、悪徳と犯罪をテーマとしたシナリオですけれど、いかがでしたでしょうかー。
今回、皆さまの幅広いアクションをひとつのお話にまとめるのに、かなり大きなアドリブを採用させていただいた部分がいくつかありまして、もしかしたらちょっと意図とは違った行動をされてる方がいらっしゃるかもしれません……ただ、それぞれの根底にあるポリシーとか、譲れないところとか、そういったところからは外れないように、と配慮はしておりますので。
何にしろ、楽しんでいただけておりましたら、幸いです~。
墨谷はいつも趣味の書き物からして色んな文体で書いたりするのが好きなもので、このシリーズでいつものリアクションとは違う文体で執筆するのは、なかなかに楽しいです。
そのうち『悪徳』シナリオ第三段も出させていただこうかな、と考えておりますけれど、その際はまた、普段の墨谷シナリオとは違った空気を味わっていただければ、と思います。
いつもより多少目立ってる某黒何とかさんも、また登場するかも!
それでは、今回もご参加をいただきまして、ありがとうございました!
またの機会にお目にかかれますことを、心よりお待ちしております~。
お疲れさまでした!
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
前回シナリオ
悪徳は小粋な調べに乗せて
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
コメディ
推理・サスペンス
バトル
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年03月02日
参加申し込みの期限
2016年03月09日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年03月09日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!