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悪徳は芳しき香りに満ちて
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【生業】
その日のフェロー商会に来客はいつになく大入りで、売り上げも惜しげなく景気良く上がり、店主の顔にはにこにこと日がな一日笑みが張り付いていた。もっとも、
トワ・E・ライトフェロゥ
の曇り顔ほどに希少価値を持つ売り物は、この店のどこにも置かれてはいなかったが。
ともかくも、花びらが開くような華やかな笑顔で、店主は一組目の客を出迎えた。
「料金前払い制デ、世界中の何処でも配達! お金があれば敵も味方も、正義も悪もかんけーねーでございマス! アンシンとシンライの『フェロー商会』、だいひょーとりしゅまり役、トワなのデス!」
上手く言えた! とばかり、薄い胸を反らせて得意げな彼女に、訪れた
如月 庚
と
屋敷野 梢
は、揃って眉をひそめたものだ。
「ガキが店主か。世も末ってやつだな……」
「いーんじゃないですか? 可愛くて。しゃべりがちょっと気になりますけど」
「しょーばいするトキは、見た目が褒められるから、ワイルド変換した結果でござりやがりマス!」
「……褒められる?」
「舐められる、だろ」
天真爛漫といった言葉が似合う店主と言えど、世渡りにはひとかたならず心を砕いているようだ。とはいえこの店で扱う商品と、それを買い求めるような客層を考えるなら、それも当然のことではあったろう。
普段はちゃんとしてるのよ? と悪戯っぽく言い置いてから、少女は、ふたりの客へと尋ねる。
「それで。ごちゅーもんは?」
如月と屋敷野、厄介ごと請負人を自負する彼らが店を訪れた理由、二人の追う目下の標的は、とある男であるという。フェロー商会とその店主を当たったのは、この店が往々にして後ろ暗い、裏社会に生きる者たちをも手広く相手にしているからだろう。客が集まれば自ずと、情報も集まる。
「……とある依頼でな、調べてる。『クロサキ機関』について、何か知らねぇか?」
「はー、クロサキキカン。手広く悪いことしやがってるってウワサデスネ。情報料は、タケーでございますデスヨ?」
「あ、知ってるんですか、おいくらですー?」
店主は具体的な数字の類など述べようとはせず、ただ黙して、にっこりと笑ったのみ。如月と顔を見合わせた後、屋敷野がサイフから紙幣を数枚取り出して手渡すと、トワはそれを数えながらに口を開く。
ひとつには、美術コレクターであるという黒崎が、とある一枚の絵を欲しがっている、という噂。求めるのは近代画家、瀬島 作太郎の『子猫を抱く女』……確かに芸術を嗜むなら、コレクションを彩るにふさわしい一級品だ。というより、個人が所有するには少々、過ぎた逸品とも言える……それほどの価値を持つ絵だ。
しかし、続いてトワが語ったふたつ目の噂は、いくらかそれに相反する。
「クロサキは以前から何度も、ドロボーを雇っては欲しい絵を盗み出させてるってハナシ……でも、そのラインナップがあんまりにも、セッソーが無さすぎるんデスって」
「どーいうことです?」
絵画を収拾するような趣味の持ち主であれば、そこには多少なり、好みの偏りが見られるものだ。ひとりの画家の作品ばかりを揃えたり、風景画を好んだり、人物画へ偏ったり……裸婦画ばかりを集めたり、ある特定の色にこだわったり。芸術とは人の感性に基づくものであり、だからこそそのコレクションには、隠し切れない人柄や嗜好が覗くものだ。
しかし、黒崎の求めるそれらはあまりにも法則性に乏しく、何かしらの傾向を見出すことが難しいのだという。
如月は腕組み、しばし思案。ややあって、
「……自分のために集めてるんじゃねぇ、ってことか?」
「あ、なるほどー。噂に聞く黒崎さんが、誰かさんみたいなロマンチストなわけじゃなし。これは、黒いビジネスの予感がしますねー!」
「ロマンチストだぁ? 誰だそりゃ……」
「さー、誰でしょーね?」
フェロー商会における本業たる品物の売買に付随して耳に入ってくる程度の情報ではあったものの、如月はうなずき、屋敷野は何に使うものか強力なGPS発信機など購入し、
「ご利用いただき、ありがとーごぜーマス!」
見送るトワにひらひらと手を振って、店を出て行った。
訪れた二組目はお得意様で、いつも大量の注文を軽快に飛ばしてくれる大口の客だ。
「やあ、こんにちは」
「桧垣様。御三様方にはいつもごひーきに、ありがとーごぜーマス……今日はフンイキ、ずいぶん違いやがるデスネ?」
顔を見せた
桧垣 万里
は何故だか、見慣れぬ男装をしていた。いつもはひらひらとしたクラシックなメイド服を身に着け、その所作のひとつひとつたるや実に麗しく、世渡り上手な店主も見惚れるほどに見事なものだが、今日の桧垣は男物のラフな服装にキャップをかぶり、長い髪を後ろで纏めている。記憶との印象の違いに、トワが首を傾げると、
「ああ……あはは。僕はね、桧垣 千里。万里の双子の兄なんだ。妹が手が離せなくてね、代わりにおつかいを頼まれてきたんだよ」
「おにーさん? なのデス?」
「うん、そう。それで、こういうの、用意できる?」
双子の兄、などという言葉にはどこか違和感を覚えないこともないが、もちろんトワにしてみれば、注文の品へ確かな対価を支払ってもらえるなら、兄だろうと妹だろうとあえて詮索する理由は無い。桧垣、自称兄の差し出した紙を受け取り、トワはそれを読み上げる。
「いつもの特殊メイクセットに、弾丸一式。暗視ゴーグルと小型通信機が十個ずつ、今回も大シゴトみたいデスネー。それに、えー……『
黒崎 俊介
風のカツラと、黒崎お気に入りのブランドスーツ一式』に、『子猫を抱く女』の贋作を数点?」
「そう。頼めるかな?」
どこか茶目っ気を感じさせる千里の表情を見るに、彼らもまた黒崎を相手に、何かしらを吹っかけようとしているらしい。先に請負人たちが尋ねてきた矢先のことであり、何とも奇妙な偶然だ。
そしてもちろん、トワには、『フェロー商会』には、そんな求めに応えるなど造作も無いことだ。しばしトワは、注文リストをしげしげと眺めていたが、やがて千里へ、あのとびっきりの笑顔を浮かべて見せると、
「もちろん、ガンバンに偽りナシ!」
「看板?」
「それデス! お金さえいただければ、何でもご用意いたしマス!」
いつもならそこで、配送の手続きを請け負い客を帰すところが、今回はいつにも増して突飛な注文だ。少しばかり、興味が湧いてしまった。
「それにしても、ふーん……今日は何だか、面白そうな注文が揃ったわねー。んー……折角だし、今日はトワ直々に、お届けに上がりましょうか。桧垣様、商品をご用意するのを、手伝いやがってくださいマス?」
「君が直接? いいの? 分かった、それじゃ手伝うよ」
ついでに千里を、『フェロー商会』の車へ配送する荷物と共に便乗させて送り届けてやれば、手間も省けるというものだろう。これもサービスの一環だ……あるいは店主の気まぐれ、と呼ぶべきかもしれないが。
さっそく諸々の作業を始めたトワの元へ、三組目の客がやってきたのは、贋作を馴染みの後ろ暗い画商へと手配し、千里と共に商品を車へ積み込み始めた頃だった。
「クロサキ機関について、聞きたい」
今夜はやけに耳にするその名を、男もまた口にするのを聞いては、もはや何らかの因果を感じずにはいられない。
「あれー? 君、
御剣 刀
君だったよね。君も黒崎に用事が?」
「あんたも……? 確か、桧垣だったか」
「僕は、万里の双子の兄なんだ。中沢邸でのことは、妹から聞いてるよ」
ふたりは、面識はないにしろ、繋がりがあるらしい。何とも、今日の客ときたら面白いものだと、トワは、くすり。ほくそ笑む。
「それで、御剣様。クロサキキカンのじょーほーを、お求めデス?」
「ああ。黒崎は今、ある絵画を求めていると聞いた……その理由を知りたい」
なぜ聞きたいのか? 興味本位でトワがそう問えば、彼はぶっきらぼうに、事も無く言う。
「奴が欲するものが分かれば、俺がそれを無価値なものにしてやれば……奴は俺を、狙うだろう?」
剣士たる御剣は、自身が更なる高みへと到達するため、黒崎の擁するであろう手練れの私兵を、あろうことか踏み台にしようと考えているらしい。
「へえ、噂通り、頼りになりそうだね。なら、僕たちと一緒にやらない?」
「……あんたたちと?」
彼の豪胆さは役立つだろうと考えてか、桧垣が事のあらましについて語る。そこには、店主が対価と引き換えに語ろうとしていた情報もまた含まれてはいたものの、トワは肩をすくめたのみで、口を差し挟みはしなかった。
腕組み、壁を背にしてじっくりと話に耳を傾けていた御剣は、やがてゆっくり、鷹揚にうなずくと、
「分かった……ただし、手を貸したとしても、俺は俺の目的を優先させてもらう」
「もちろん、それで構わないよ。よろしくね」
何がどう転ぶかは、直面してみなければ分からない。今夜は楽しくなりそうだ……と、トワは花のようににこやかな笑顔を浮かべつつ、高みの見物を愉しむことを決めた。
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墨谷幽
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シルバーシナリオ(150)
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3人まで
シナリオジャンル
コメディ
推理・サスペンス
バトル
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年03月02日
参加申し込みの期限
2016年03月09日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年03月09日 11時00分
参加キャラクター一覧
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