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悪徳は芳しき香りに満ちて
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【間際】
大きなシルクハットに、腕を振り上げれば翻るマント。怪盗、などと聞けば、人はそんな姿をイメージするだろうか。
八神 修
は当然のこと、そこまでに仰々しく着飾ることこそしないものの、その行動原理はまさしく怪盗のそれであり、鮮やかな手並みは言わずもがな。
窓の蝶番へと手を添え分解、音も無く取り外し侵入を果たした手腕には、同行する
壬生 由貴奈
も感心したのか、小さく手を叩くジェスチャーをしてみせた。
「へえ~、さすがだねぇ」
「家系かな? 美人が隣にいるとね、張り切ってしまうのさ」
森繁美術館では、夜間もスタッフたちが作業に徹しており、照明も落とされず、まるで不夜城といったところだ。侵入した1Fは巡回警備の頻度も高く、あまりのんびりと構えてはいられない。
「えーっと、それで。この虫メカちゃんたちを、放してあげればいいのかしら?」
どちらかと言えば古いタイプの泥棒と言える
桜栄 あずさ
は、手のひらに乗せた小さな、アリかクモのような精密な小型ロボットを眺めて、ハイテクに慄くようなそぶりだが、
「うん。その辺に放ってくれれば、あとは自動的に動いて配置に付くから」
通信機から聞こえた
ヤーガ
の声に、それをひょいと放ってやると、小型メカはかさかさと床から壁を這い、天井近くのダクトの中へと飛び込み消えていった。
彼らの拠点たる廃ビルでは今、ヤーガが仲間たちへの手厚いバックアップのため、コンピュータの前へとかじりついている。彼女の指示で、仲間たちがそれぞれに持ち込んだ虫型メカを放ると、モニタ上に描かれた美術館の見取り図が徐々に色付き、状況制圧率を増していく。
「……よし。1F西側は制圧完了。壬生、始めていいよ」
「りょーかいだよぉ」
ヤーガの虫型メカはセキュリティに侵入し、そこら中に設置された監視カメラへと干渉する。美術館の地下にあるという管理室では今、何の変哲も無い映像を繋ぎ合わせ、ループさせたフェイクを眺めているだろう。
壬生の役割は、後々のため、それをより盤石なものとすることだ。
「それじゃ、いくよぉ?」
腰のポーチから取り出したのは、クッキーが三枚。それぞれに形や味の異なるそれらを一度に口へ含み、頭上に見える監視カメラを指差す。
途端、
カメラは、ばちりと電弧を上げた後に火花を散らし、やがて静かに煙を噴き上げ始めた。ヤーガがセキュリティを掌握していられる時間は有限で、しかしこうして監視カメラを無力化しておけば、その後に足が付くことも無いだろう。
「……素晴らしい腕前だね。惚れ惚れしてしまうな。無論、君自身にもだが」
「あははー、ありがとぉ。でもヤーガに聞いたよぉ、きみって誰にでもそんな風に言うんだってねぇ?」
「おっと、これは手厳しいな。俺は本心を述べているだけなんだがね」
八神と軽口を交換しながら、壬生は次の監視カメラの無力化へ取り掛かる。
壬生の動機を述べるなら、仲間たちの中でも、それはいささか特殊であると言える。彼女は報酬の額面にはさほど執着せず、さりとて八神のように盗みへ伴うスリルを楽しむでもない。壬生が見据えるものは、もう少しばかり、遠くにある。
(うちはねぇ。盗み出した後の、『結果』が見たいだけなんだよねぇ)
美術館の奥に鎮座し動くことのない『静』へ、盗みという『動』を与えた時。全ては、どう変化するのか? 様々な方面へと波及しながら移り変わっていくであろう、その『結果』を観察することこそが、壬生の内なる目的と言えた。
他者には理解しにくい感性が、壬生の口から語られることは無いだろう……監視カメラの回路をショートさせながら、彼女は一人、その瞬間へと思いを馳せた。
こつ、こつ、と。静まり返る2Fの廊下を、警備員が歩く。
雪月
は通信機から届く仲間らの声を逐一確認しつつ、周囲に並ぶ美術品たちへと視線を巡らせる。大きな彫像などは、その陰を覗き込み確認も怠らない。
そうした行動は、監視カメラに映り込む自分の姿を違和感なく見せるためであり、警備員を装う雪月自身にとっては、何らかの意味が伴うわけでは無い。事を成し遂げるためにはそうすべきと判断し、あるいは命令されたがためにそうしている、というだけのことだ。そして命令に従い盲目的に行動することは、雪月にとっての日常と同義でもあった。
窓のひとつへ近づき、何気ない所作で外を確認するそぶりを見せながら、一瞬、目にも止まらぬ手さばきで鍵を解除する。雪月には、造作も無いことだ。
雪月には、感情が無い。少なくとも雪月自身は、そう認識している。この街に幾つか存在する、大規模な犯罪組織のひとつに所属し、盗みも殺しもひと通り、雪月は言われるがままにこなして生きてきた。命令は絶対であり、そこに感情が介在する余地など塵ほども無く、それに疑問を持ったことすら無かった。今回とて、どのような手段を講じてか組織が正式な警備員として美術館へ彼女を送り込み、雪月はそこで命じられるままに立ち回っているだけだ。
まるで、ロボットかアンドロイドのように。ひたすらに、組織のため……それが、雪月という少女の全てだった。
だから、だろうか?
「よっ、と! へぇー、夜の美術館ってこうなってんだなぁ。あ、鍵開けといてくれてさんきゅー、雪月くん!」
「……ええ」
身の軽さを活かし、外壁をひょいひょいと事も無く登って、2Fの窓から入り込んだ
卯木 衛
。雪月の姿を認めるなり、月明りにぱあっと照らされながらの明るい笑顔に、雪月は心の中のどこか、何かがざわつくような感覚を覚える。これまでに雪月が接してきた人間の中に、これほどまでに開けっぴろげで、素直な感情をぶつけてくる相手などいなかった。
「さって、ヤーガくんにもらったメカを放してやるんだっけ。よーしよし、ほーら、いってこーい!」
小型メカを、まるで子犬か何かでも送り出すような卯木の笑顔に、雪月は物珍しそうについ、じっと見つめてしまう。
「ん? 雪月くん、どーかした? 俺の顔、何かついてる?」
「……、何も。行きましょう」
「おっけー。合図があるまで、うまーく隠れ切らないとなー。雪月くんは警備員のカッコしてるからいいとして、俺は……まあその、ちいさ……と、とにかく、うまく隙間に隠れられんだろ!」
ころころと目まぐるしく変わる卯木の表情が何だかまぶしくて、いたたまれないように思えて。雪月はただ、廊下の先を一心に見つめる。
雪月には、感情が無い。命令に疑問を差し挟まず、拒むことも無い……それ故に、組織は現場における工作員としての彼女を、重宝しているのだろう。
しかし、あるいは。無いに等しい、というだけで……ゼロでは、無いのかもしれない。雪月自身にも、己の心の深淵に、何が眠るのかは分からない。
(……組織がなぜ、こんな命令を下したかは知らない。興味もない。私は、命令に従うだけ……)
今はひとまず、目の前の成すべきことへ注力するのみ。
定められた巡回ルートを大きく外れれば、すぐにも警備主任の不審を招くだろう。雪月は傍らを歩く卯木の明るさからは極力目を背け、命令だけを遂行することを、改めて心に決めた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
前回シナリオ
悪徳は小粋な調べに乗せて
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
コメディ
推理・サスペンス
バトル
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年03月02日
参加申し込みの期限
2016年03月09日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年03月09日 11時00分
参加キャラクター一覧
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