this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
【クリスマス】メリークリスマス、旧市街
<< もどる
1
…
23
24
25
26
27
つぎへ >>
焼き鳥とチキンに始まり、唐揚げ春巻きメンチカツにハムカツ、生ハムサラダポテトサラダに肉味噌グラタン、オレンジジュースにサイダーにコーラに林檎ジュース、とどめにチョコレートケーキ苺ケーキチーズケーキ。『やきとり ハナ』で四時間散々飲み食いした挙句のぱんぱんのお腹を擦り擦り、
後木 真央
は九夜山の小路を懐中電灯で照らす。
「もっと飲食したかったのだ~」
防寒着替わりに頭に乗せた、ろっこんの力で召喚した三毛猫がおーが溜息まじりの声で短く鳴いた。
頭上を覆う木々の梢に積もった雪が、空から降る雪風に払われ落ちる。
雪が落ちる音にぎくりと周囲を見回して、山路の果て、雪の帳の向こうにぽつりと灯る鬼火を見た。
揺れる明かりに引き寄せられ、真央は月詠寺の境内に踏み入る。古びたお堂の向こう、降る雪を吸い込むように暗い三夜湖が見える。
木々に囲まれた寺社を見回す。噂に聞いた『クリスマスツリーに見える木』というのはどの木だろう。
かじかむ指先に息を吐きかけ、真央は境内を探す。
「千年杉よりこっちの方が御神木に近い気がしたのだ……」
白い息と共に零すのは、時折迷い込む黄昏空の世界に見た、あの世界の住人に『御神木』に呼ばれる歪な大樹への思い。もしも『クリスマスツリー』を見つけられたら、あの世界を再び訪えはしないだろうか――
雪の空に月の影がぼうやり見えている。
「うーん、今からじゃパーティーには遅刻よね」
「この時間じゃもうパーティーは無理か」
同時に言って顔を見合わせる
御剣 刀
と
橘 千歳
を雪の闇越しに見、
小山内 海
はくすりと笑みを零した。
神魂の影響により九夜山に現れた黒サンタと魔物たちが消えて、あれだけ激しかった吹雪も嘘のように静かになっている。深く積もっていた雪も、気づけば靴底に踏みしめられるほどに少ない。
山を下り帰路を辿る人々の背をしばらく見遣り、刀はふと足を止めた。
(……そうだ)
「鬼灯堂っていう寺にある大樹が凄い綺麗らしい。一緒に行ってみないか?」
折角のクリスマスイブを、黒サンタたちに邪魔されたまま終わらせたくはなかった。
「寺でクリスマスって不思議な気もするけど……」
結い上げた黒髪を揺らして首を傾げる千歳に、
『月詠寺か。いいと思う』
鬼灯堂を知る海が笑いかける。
『そんなに離れてない。行こう』
「そうなの?」
サイドテールの柔らかな茶髪を尻尾のように揺らして頷く海に、千歳は小さく笑み返した。友人のかじかんだ指先を取る。さっさと一人で歩き出してしまう刀の背をふたりで追いかける。
雪が降っているとは言え、先ほどまでとは打って変わってうっすらと雪明りに明るい山道を辿る。山道とは言え、舗装はされている。ところどころに街灯も立っている。古びた看板に従い、雪のうっすらと積もった木立に挟まれた砂利道へと路を逸れて行けば、幾許もせずに三夜湖畔の鬼灯堂境内に出ることが出来た。
お堂に鬼火のように揺れる灯りと、クリスマスツリーの噂を聞きつけた誰かの手にする懐中電灯の彷徨う境内を三人でぐるり巡る。
『おっきい木』
海がふと足を止め、スケッチブックの文字を示した。境内の裏手示す白い指先を千歳と刀が辿れば、確かに、節くれだった梢を縦横に伸ばした椿の古木が雪の空に高く聳えている。
あまり掃除の行き届いていない境内を渡り、古木の前に立つ。
三人で手を繋いでも囲い切れないほどに太い幹にはところどころに浅い虚。見上げる梢には、冬であろうと青々と重なり合って茂る葉。綿雪を乗せた紅白斑の椿の花の央、まるで幽かな灯のように金色の蕊。
風が三夜湖の湖面を渡る。
雪雲が晴れて月と星が顔を出せば、月星を梢に輝かせ、湖面に煌く月光を浴び、満開の椿が清かに香る。
「これは綺麗だ……」
「……確かに雰囲気は悪くないかも」
呟きを零す刀と千歳の傍ら、海は何度も頷く。こうして見上げると星明りがイルミネーションのように見えて、
(確かにクリスマスツリーだね)
『クリスマスツリー』を仰ぐ少女ふたりの横顔をちらりと見、刀は微かな笑みを漏らす。ふたりにとって、今日のクリスマスが少しでも思い出に残るものであればいいと願う。
再び椿の大樹を見仰いだ刀の脳裏を、椿の紅と同じ色した袴を身に着けた小さな少女の顔が過った。黄昏空の不思議な町に住む、『神木の巫女』。
(カンナ……あいつもここに居たら喜んだかな)
少女を思いつつ、刀は携帯電話のカメラ機能で雪景色に浮かび上がる椿の大木を撮る。並んで『クリスマスツリー』を見上げる千歳と海を己の携帯電話に写し撮る。
「あっ、もう」
写真を撮られたことに気付いて、千歳が凛々しい眉を寄せる。海が困ったように唇を尖らせる。そうしてから、ふたり揃ってそれぞれの鞄からクリスマスプレゼントの包みを取り出し刀に差し出す。
「予定していたのとはちょっと違ってしまったけど」
千歳の言葉に同意を示しつつ、海はマグカップの入った紙箱を三つ、両腕に抱える。刀と千歳に取ってもらい、自分の箱を開けて出してみせたのは、三毛猫柄のマグカップ。刀は黒猫柄、千歳は茶柄。
『お揃い。どうかな?』
「小山内さんも猫柄選んだんだぁ」
くすり、千歳が楽しげな笑みを零した。千歳に手渡された包みを開いてみれば、可愛い猫柄の膝掛けが入っている。取り出して抱きしめ、温かさに思わず千歳へ笑み返す。
「絵を描いてる時に足元が冷えないように」
海に倣い、刀も千歳からのプレゼントを開く。出て来たハンドタオルは、こちらにもやはり猫。
「剣道の稽古で使うし、ちゃんと拭かないと風邪を引いちゃうでしょう」
生真面目に言われて、刀は大真面目に頷き返す。ふたりが二人とも、自分のためにプレゼントを考えてくれたのかと思うと、嬉しいけれどどうにも照れ臭かった。
(それでも)
この気持ちは二人に伝えなくては。
「ありがとう、嬉しいよ」
穏やかに笑み、刀はふたりに感謝の気持ちもこめてプレゼントを差し出す。銀色のシンプルなボールペンにそれぞれのイニシャルが彫り込まれているのを見つけて、千歳は黒い瞳を丸くする。
「気に入ってもらえるといいんだけど」
自信なさげに頬を引っ掻く刀に向け、声を出すことが叶わない海は精一杯の笑顔を向ける。スケッチブックに文字を書いて意思疎通を図ることの多い海にとって、筆記用具は必需品。絵を描く時には長く座っていることも多い。足元を温めてくれる膝掛けはだからとてもありがたい。
嬉しかった。
嬉しさをこめて、海はスケッチブックにお礼の言葉を書き込む。
『大事に使わせてもらうね、二人ともありがとう!』
「ありがとう、二人とも、どっちも大事にするね」
『クリスマスツリー』の下、笑顔の少女たちに刀は微笑む。
「二人とも、メリークリスマス」
雪降る夜が更ける。
椿の根元に浅く空いた虚に背中を沈め、真央は腹に抱いたがおーを抱きしめる。抗議の声を上げかけるがおーの口を押えて黙らせる。
静かに静かに息を吐き出し、首をもたげる。
月星の光を梢の雪や花に集め、幽かに光ってすら見える椿の古木。
クリスマスイブの今日は向こうの世界には行けなさそうだと思いながら、真央はただひとり、椿の古木に抱かれて雪の夜を仰ぎ続ける。
<< もどる
1
…
23
24
25
26
27
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
【クリスマス】メリークリスマス、旧市街
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
SF・ファンタジー
定員
1000人
参加キャラクター数
49人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年02月06日
参加申し込みの期限
2016年02月13日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年02月13日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!