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【クリスマス】メリークリスマス、旧市街
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(どうしよう)
クリスマスプレゼントの箱とマフラーを胸に抱き、
月守 輝夜
は長い黒髪を不安に震わせて夜の山道を見回す。
ついさっきまでは、近所に住む
青木 慎之介
の元気な背中が先に見えていた。彼の持つ懐中電灯の光も雪の帳越しにしっかり見えていた。
夜だしご近所迷惑になるからと声を上げて呼び止められずにいるうちに、運動神経のいい彼は家を飛び出したときの勢いのまま、鉄砲玉のように山道を駆け登って行ってしまった。
(見失っちゃった)
夜道な上に雪も降っている。追いかけて捕まえるのはもう無理かもしれない。
(渡せなかった……)
コートの胸元に合わせた両手と彼へのプレゼントに、白い溜息を吐き出す。見失ってしまったものはもうどうしようもない。
プレゼントをコートのポケットにしまい、マフラーを自分の首に巻く。初めて自分で編んだマフラーの不器用な編み目が目について、輝夜はまた息を吐いた。落ち込んでしまいそうな自分をどうにかしたくて、顔を上げる。
(そうだ)
雪にうっすらと覆われつつある山道へと一途な視線を伸ばす。
確か、この山道の先には古いお寺があった。お寺の木がクリスマスツリーに見える噂を思い出して、輝夜は冷たい頬を掌でごしごしと擦る。
(行ってみよう)
一人はちょっと心細いけれど、こんな落ち込んだ気持ちのまま、クリスマスイブの夜を過ごしたくない。
決意の顔で記憶にある通りにお寺への道を辿っていて、
「あっ、月守じゃん! メリークリスマス!」
月詠寺の境内への入り口に立っていた慎之介にめっぽう明るく声を掛けられた。
元々の探し人に逆に見つけられ、声を掛けられ、輝夜は思わず言葉に詰まる。こんな夜中にこんな場所で、誰かと待ち合わせているのだろうかと思った途端、胸にチクッと痛みが走った。
「あ、えっと、……メリークリスマス、慎之介くん」
「月守も黒サンタ探しか? デンジャーだぜ?」
黒サンタ、の言葉に胸の痛みがふわりと和らぐ。
胸に痛みが走ったことも和らいだことも不思議に思いながら、輝夜はコートのポケットからプレゼントの箱を引っ張り出す。
「私は、慎之介くんにこれを渡したくて」
「えっ、なになに?」
黒いつり目を輝かせて駆け寄ってくる慎之介の勢いに、輝夜は思わず半歩後退る。どきんと跳ね上がる心臓に首を傾げる。
「クリスマスプレゼント」
「やっほー! リアリー?」
差し出されたプレゼント、猫柄のタオルとニャイキのタオルのセットを高々と掲げ、慎之介はどこまでもあけっぴろげに喜ぶ。
「部活の時使ってもらえるかなって思って」
「サンキュー!」
懐中電灯を振り回してはしゃいでいた慎之介が不意に立ち止まった。輝夜がどうかしたのか聞くより先、くしゃみをする。
「慎之介くん」
輝夜は巻いていたマフラーを外し、慎之介の首にそっとかける。
「これもプレゼントだけどあんまりまじまじと見ないでね」
初めて編んだから、と俯く。
「……その、……返品可だからね?」
「月守はコールドじゃないのか?」
「え? あ、コート着てるから」
コートの襟を寄せて、輝夜はふと思い出す。そう言えば、家族でしていたクリスマス会の途中で抜け出して来たから、母の用意してくれたサンタクロースの衣装を身に着けたままだった。
「一応クリスマスの格好はしてるよ」
そっとコートの前を開いて見せた途端、慎之介がびっくりしたように眼を瞠って見えたのは、頬が赤く染まったように見えたのは、周囲を包む深い夜闇のせいだろうか。
「胸元が開いてるし裾が短いから寒いけど」
「だよな! ベリーコールドじゃん!」
慌てたように言って、慎之介は輝夜のコートの両襟を掴む。丁寧に襟を合わせ、ミニスカサンタ衣装をコートの中に隠させる。
「どうしたの?」
「ノープロブレム!」
何だか怒ったような声を上げ、先に立って歩き始める慎之介の背を、今度は見失わないように追いかける。
(変なの)
輝夜にとって慎之介は近所に住む友達なだけのはずなのに、最近は少し変だ。彼が部活で活躍している場面を目にすると、嬉しいはずなのに距離が離れていく気がする。寂しい、とすら思ってしまう。
(前は違ってたのに)
「月守! ルック、月守!」
考えに沈む輝夜の耳に、慎之介の弾んだ声が届いた。慎之介が夢中で示す方向を見て、輝夜は思わず息を飲む。
お寺のお堂の向こうに、クリスマスツリーが見えた。
月星の光を梢に積もった雪と満開の椿花に集めて輝く大樹に、輝夜は声もなく見惚れる。
「綺麗だね……」
「ファンタスティック!」
『クリスマスツリー』をしばらく眺めてから、慎之介は何だか満足げな顔で輝夜に帰宅を提案する。
「よし、帰ろうぜ!」
「いいの?」
「近所だしさ、トゥゲザー!」
一緒に帰りたいと思っていたことを言い当てられたようで、嬉しくなる。それなのに、慎之介は輝夜を置いてきぼりにする勢いで駆け出してしまう。
「……忘れてるよね、やっぱり」
「覚えてるぜ、何か分からないけど!」
二十五日のクリスマスが輝夜の誕生日であることを覚えているのかいないのか、慎之介はどこからくるのか分からない自信満々で笑う。
(憶えててくれてるかな?)
憶えていてくれたら嬉しいのに、慎之介は夜道をどんどん進んで行ってしまう。
「来年も一緒に居たいね」
雪に紛れて零した小さな呟きは、彼の耳に届いたのだろうか。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
SF・ファンタジー
定員
1000人
参加キャラクター数
49人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年02月06日
参加申し込みの期限
2016年02月13日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年02月13日 11時00分
参加キャラクター一覧
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