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【クリスマス】メリークリスマス、旧市街
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味方以外に動く者がないことを確かめ、修は腕の中の
七夜 あおい
を抱えてその場に立ち上がった。救助に訪れた人々に助けられ、子どもたちが檻の外へと飛び出していく。檻の外に出ながら、檻を振り返っては怯えた表情を見せる子どもたちをいたわるように見つめ、修は自分たちを閉じ込めていた檻を見回す。そうして、子どもたちに穏やかに笑いかける。
「これは、夢だ」
檻の外に倒れ、倒れたまま黒い霧のようにその身を雪に溶かして行く黒サンタや魔物たちを見遣る。
(クリスマスを、守る)
その思いだけを胸に、精神を集中させ息を止める。瞳に映る檻を、己のろっこんの力で粉々に『分解』する。
微細に砕かれた檻が風に散る。檻が雪に紛れ雪に消えるそのうちに、黒サンタと魔物たちも同様にその姿を消した。
雪雲が流れ、雲間に月光が差す。淡い月明かりに照らし出され、一面の銀世界となった九夜山の森の広場が現れる。
魔法のような光景に歓声を上げる子どもたちに、修は悪戯っぽく笑いかけた。
「だから家に帰って寝てご覧?」
物語に出て来る魔法使いのように優雅に掌を差し伸べて示すのは、猛吹雪や得体の知れぬナニカも恐れず、果敢に夜の山まで助けに来てくれた人々。
「皆と下りればすぐさ」
修の紹介を受け、月がミニスカサンタ衣装の裾をひらり、雪景色に翻す。猫のような軽やかな足取りで、修と修に横抱きにされて眠るあおいの傍へと近づく。
「メリークリスマス、八神さん」
淡く淡く、微笑む。
「残念ながらプレゼントの持ち合わせがありませんが……」
とりあえずこちらをどうぞ、と使い捨てカイロをあおいの頬にそっと近づける。
「常闇サンタだな」
「この格好ですか?」
バイトです、と月が短く答える間に、あおいがうっすらと眼を開いた。
「……修、くん?」
横抱きに抱かれていることに気付くなり、あおいは手足をじたばたと暴れさせて修の腕から抜け出す。
「え、え? あれ?」
混乱気味に周囲を見回す少女に、修は心からの安堵に滲む柔らかな笑みを向ける。
「謎の現象で飛ばされたんだな」
できるだけ、怖い思いをさせたくなかった。あおいの笑顔を、守りたかった。
何事もなかったかのように微笑み続ける修を横目に、未だ少女の姿を保つ無花果は傍らにほとんど無表情で立つ彰尋の背を叩く。
「わッ?!」
「行くのよ」
「え、」
「ほら」
戸惑う彰尋の背をもう一度叩きながら、中学生ほどの少女は少女らしからぬ気難しげな顔をする。あおいと修のもとへと押し出されつつ、彰尋は少女を肩越しに振り返って、
「……ッ?!」
目を瞠る。背後に立っていたのは、可憐な少女ではなかった。不機嫌そうに腕を組み、こちらをじっと見据えて立つは、和服姿の青年。
「え、えええ?!」
「……戻ったか」
彰尋の動揺に己の姿が元に戻ったことに気付き、無花果はひょいと自分の姿を見下ろす。和装に草履に羽織、外出姿の己の姿を確認し、口をぱくぱくさせて言葉に詰まる彰尋を細めた黒い瞳で一瞥する。それきり彰尋に興味なくしたように、無花果は森の広場へと視線を巡らせる。
(勇者様や王子様の救出も然ることながら、檻に囚われたヒロインと犯人が心を通わせる、そんなパターンも王道と言えば王道か)
残念ながら、黒サンタは心を開いてくれなかったが。
無事や再会を喜びあう人々を観察しつつ、恋愛小説家が考えるのは執筆のことばかり。
(三角関係も王道と言えば王道か……)
あおいと修の元へと向かう彰尋の背を、秋の中頃の満月の夜に見た黒髪の少年と少年を見つめる少女ふたりを眺め、への字に結んだ唇の端をほんの僅か持ち上げる。
(中々面白い体験をさせてもらったが、これもある意味クリスマスの贈り物、か?)
月光に照らされる大団円の場から、無花果は一足先に離れようとする。
(さて、担当が押しかけて来ないうちにケーキでも買って執筆の続きに戻るとするかな……)
原稿を放り出して長時間外に出ていたことを気取られてしまえば、あの熱心な担当者はまた色々と煩いだろう。下手をすれば今度こそ執筆用の文机の横に居座られてしまうかもしれない。
雪道を幾つも照らす小さなペンライトの明かりに沿うて、無花果は飄々とした足取りで山を下り始める。そうしながらも、
「ありがとう、修君、彰尋君」
少女の明朗な声と、
「無事で良かった。……嬉しいよ」
「これで帰れるな」
少女を家に送り届けようとする修と彰尋の声に耳を澄ませ、小説のネタを探すことは忘れない。
月の色を帯び、風に高く舞い踊り、雪が降る。
月見上げた栗色の瞳に映る雪に白い息を吐き出して、夏朝は緊張から解き放たれた表情で周囲を見回す。広場の片隅に集められた荷物の山から、母と己の鞄を拾う。
「ありがとう」
一緒の檻に囚われていた友人に、助けに来てくれた友人たちに、丁寧に頭を下げる。
「あら~?」
傍らに立つ母、理沙がいつも通りの穏やかな声を上げる。ぐるりを見回し、どこか幼い仕草で首を傾げる。囚われていた子供たちのうちに銀の髪持つ不思議な少女の姿だけが、夢のように消えている。
「怪我はないか」
救急箱を手に子供たちや皆をひとりひとり一通り確かめて回り、大きな怪我をした者がいないことに久隆は強面を僅かに緩める。
(それにしても……)
この島に訪れる度、どこかしら奇妙な事件に巻き込まれている気がする。
「寝子島で、何が起こっているというのか……?」
夫の呟きを耳にして、けれど理沙はことさらに明るい笑顔を子供たちに振りまく。確かにこの島のことも、この島に起こる不思議な現象についても、色々と気になることは多いけれど、
(今は……)
「さぁ、もう怖いのも悪い夢もおしまい。後は皆で、クリスマス楽しみましょう!」
「そうだね」
母の提案に、夏朝はこくりと頷く。
「帰ったらクリスマス楽しもう」
寝子島駅に戻れば、ぎりぎりクリスマス市にも間に合うかもしれない。幸いと言うべきか、鞄の中身に変化はない。
「僕も少しなら奢れるよ」
「あら~!」
「いや、娘にそんなことは」
大っぴらに喜ぶ母と、驚きを不器用な渋面にしかできない父の肘を片方ずつ捕まえ、夏朝は小声に言う。寝子島のことも、寝子島で出会った出来事も、話したいことは色々とあるけれど、
「その辺りは……年末に、ね」
今日はクリスマスを、と夏朝が向けた雪に彩られた森に、
「エーイ、ボクが戻りましタヨー! ミンナ無事で何よりデス!」
セルゲイがまるで熊のような大きな身体をひょこんと飛び出させた。セルゲイの名を呼び駆け寄る施設の子供に両腕を広げて駆け寄ろうとして、大仰な仕草で雪に転んでみせる。
雪に転がり笑うお茶目なセルゲイを面白がって、子供たちが数人群がる。
「山を下りれバ、ボクの車で家に帰してあげラレるカラネ」
肩や腕や腰に子供たちと雪をくっつけたまま、セルゲイは力強く立ち上がった。
「目印は沢山あるヨ。ありがたいネ」
眼鏡越しの瞳を巡らせ、辿るべき道を記して雪上に点々と落ちて輝くペンライトの光を指し示す。
「光を辿ればすぐに下山できるよ」
自分が結わえ付けたペンライトとは別のペンライトの光や、更には赤いリボンの目印も混ざっていることに、自分と同じことを考えた誰かがいることに楽し気に笑いながら、ねむるが子供たちに笑いかける。
「もうひと踏ん張りさ」
「悪いサンタも山羊の化物も、やっつけたからな!」
皆の下山を先導するねむるに続いて、『ザ・ストレイト』姿のままの轟が力強いポーズを決める。不屈のヒーローの姿に、子供たちの瞳がきらきらと輝いた。
(せっかくのクリスマスをトラウマにしたくねえ)
真摯な願いを胸に、轟は飛びついてくる子供を抱き上げる。雪道に足取りの覚束ぬ子供たちを抱き上げ、マリベルや弥次郎と共に街の灯を目指す。
(寝子島のローカルヒーローは子供達の思い出だって守るんだ)
「ねえ、悪いサンタってなに?」
さらわれ捕えられていた子供たちのひとりが問う。
「あれは偽物だ。俺達が退治したから大丈夫」
応えたのは、雪の上に立つ黒髪の剣士。
「あなたたちはなにもの?」
重ねて不思議そうに尋ねられ、刀はちらりと首を傾げる。森の広場にはからずも集った人々を見回し、晴れ晴れと笑って見せる。
「フツウを守るナニカだよ」
ふうん、と子供は刀の仕草を真似るように首を傾げた。
「ありがと、ナニカさんたち!」
子供達と子供達の引率を引き受けた人々が、雪の木々にオーナメントのように下がるペンライトの明かりを頼りに山を降りて行く。
その背を安堵の瞳に見送ってから、刀は広場の端に自分たちの荷物を手に立ち尽くす海と千歳のもとへと駆けた。
「千歳、海、無事か?」
雪を踏み鳴らし、ふたりの前に立つ。月明かりにふたりを見つめ、その肢体のどこにも傷のないことを確かめた途端、
「よかった、本当に心配した」
泣き笑いに似た笑みが零れた。
「……よかった」
思いが溢れだすまま、ふたりを抱きしめる。
「……!」
刀の腕の中にふたり一緒に囚われ、海は小さくもがく。
(俺の、って)
黒サンタに切り掛かる際に刀が口走った言葉がまだ耳朶に残っているせいか、心が余計に乱れた。冷たい頬に熱が上る。
「ッ、ちょっと、刀くん……」
刀の身体の熱を身体全体に感じながら、その熱を押しのけようとしながら、千歳は己の声が知らず甘く掠れることに気付いた。気付いて、胸が熱くなる。
熱くなる胸を堪え、千歳は唇を噛んだ。
(……まぁ、ちょっと気になる言い回しもあったけど、)
「助けに来てくれて助かったわ」
刀の肩越しに広がる銀世界を見遣る。檻も黒サンタも、怖いものはもう何もない。
吐息と笑みがこぼれた。
「メリークリスマス、刀くん、小山内さん」
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阿瀬春
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シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
SF・ファンタジー
定員
1000人
参加キャラクター数
49人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年02月06日
参加申し込みの期限
2016年02月13日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年02月13日 11時00分
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