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「NO」と言える勇気を持とう
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◆もちろんこれだけで終わるはずもなく
ステージでちょっとした騒動が起こっている間に、桜井は隙を見てホールを抜け出していた。
(ちょっとざわついてきたな。この隙に証拠を集めないと)
ホールを出た彼は、周囲に誰もいないことを確認したのち、持っていた金の鍵を力強く握りしめる。次の瞬間、彼の姿は一匹のきれいな金色の鳥になっていた。首には金の鍵、そして証拠をつかむためのボイスレコーダーをぶらさげている。
カナリアへの変身。それが彼のろっこんであった。
(よーし、まずは控室の確認だな)
桜井は羽をはばたかせると、通気ダクトの中に潜り込んだ。
ダクト内は思っていた以上に汚い。まさかネズミとか黒いアレとかいないよな、と桜井は小鳥のその顔をわずかにしかめる。この体格なら、ネズミ相手でも致命傷だ。
控室ならばホールからはさほど離れていないはずだ。暗い通気ダクトの中を、換気口から漏れるかすかな光だけを頼りに進んでいく。
最初に目を付けた換気口を覗いてみると、そこには中年の男が二人立っていた。
「いやー教祖様の水ってのもすごいね。オバチャンたちみんな目がキラキラだぜ」
「会場に集まった顔ぶれ見て、キレイになんてなる訳ないって気が付かないのかねー」
ゲタゲタ笑いながら言葉を交わす二人。
お、早速ビンゴじゃん、と桜井はボイスレコーダーのスイッチをくちばしで押した。暗がりの中、●RECの赤い小さな光が静かに灯る。
話を聞く限り、この部屋が控室で間違いないようだった。あとは八神に控室の場所を知らせて……。
そこまで考えて、桜井はあることに気づく。
この姿のままじゃ携帯使えないじゃん、と。
これはどうすべきか。しばらく悩んだのち。
(……ギリギリ、かな? 大丈夫だよな?)
祈る気持ちを胸に、桜井は通気ダクトの中で人間の姿に戻った。
狭まる視界。襲い掛かる閉塞感。人間に戻った彼の体は、横たわった姿勢ですっぽりダクトに収まっていた。
もともと人が通ることなど想定されていない通路。とても移動などできない狭さの中、必死に身じろぎをしてポケットから携帯を取り出す。
『控室の場所が分かった。ホール右側の奥を行ったところだ。今は見張りが二人。俺はダクトで待機してるから、見張り出て行ったらまた連絡する』
これだけの文章を打つだけでも一苦労だ。
送信すると、ふう、と大きく息を着く。思わず素に戻ったその所作にハッと慌てて通気口の下を見るが、幹部の二人はそれに気づくことなく話を続けていた。
その様子に軽く安堵したとき、ちょうど桜井の携帯が小さく震えた。
着信したメールを開いてみると、八神からだった。
『了解。ホテルに着いたら連絡する。見張りが出て行ったら合図をくれ』
ステージでは、滞りなく儀式は進んでいた。
「それでは次の方、前へお進みください」
呼ばれて歩みを進めたのは、
吉祥寺 黒子
だった。挑発的に胸元を開いた服装と真っ白な髪は、この会場の中でもひときわ異彩を放っている。かすかにざわめく会場内に、アホらし、と吉祥寺は内心で舌を出した。
「ようこそ来てくれたね。君に会えて嬉しいよ」
すっかり持ち前のうさんくさい饒舌さを取り戻した教祖は、親しげに腕を広げて吉祥寺に語りかけた。
「君の名前はなんていうんだい?」
「名前? 山田花子だぜ」
吉祥寺は軽く鼻で笑いながら名乗った。そのごくごく平凡な名前は、挑戦じみた彼女の態度比べてずいぶんちぐはぐに聞こえる。
教祖は面食らった様子だが、すでに今日の儀式希望者は問題児ばかりである。最後になってくるとさすがに心にもだいぶ余裕が出てきたのだろう。すぐに笑顔を浮かべて言葉を続ける。
「素敵な名前だね花子さん。それじゃあ君のいいところと悪いところを教えてくれるかな?」
「そうだな、まず長所はこの大和撫子な見てくれだろ? どう考えても。短所は……思いつかねーけど、強いて言うならこの素直さかな?」
はははと会場でささやかな笑い声が起こる。
吉祥寺の言葉は、もはやふざけた冗談にしか聞こえなかった。
「どうもありがとう、花子さん。それではこのお水を……」
教祖はもうさっさと儀式を済ませたいようだった。教祖が手渡したペットボトルを受け取ると吉祥寺は、なあ、と口を開いた。
「こっちからも一つ聞いていいか?」
その言葉に、教祖は眉を潜めた。先ほどの出来事で少々敏感になっているのか、その表情には隠すことない警戒の色があらわれている。
それでも信者の手前、壇上の人間を無下にはできない。
「ああ、なにかな? どうぞどうぞ」
教祖がぎこちない様子で話を促すと、山田花子こと吉祥寺はにやりと笑った。
「気になってたんだけど、なんで普通の水で肌も髪もきれいになるんだ?」
確信を突いた一言。
それはあまりに確信を突き過ぎていて、信者はおろか冷やかしで来た者たちすら面と向かって尋ねなかった一言だった。
信者のオバチャンも、寝子生も、これには唖然とした表情だ。
どんなトラブルも、過酷な精神攻撃も耐えてきた教祖は、ここでようやくはっきりと血相を変えた。先ほどの心の揺さぶりの影響で不安定な状態だったのかもしれない。なな、何を言っているんだ君は! と大仰に声を荒げると、吉祥寺の嘲るような笑いはいっそう愉快げに大きく歪んだ。
「水にそんな美容効果あるわけねーだろ。大体、この水飲んでるはずの教祖様がなんで不細工なんだ?」
あーあーあー言っちゃった、と呆れた邪衣が思わず漏らしたつぶやきは、すぐに会場から沸くオバチャンたちの怒号にかき消された。何言ってるのよこの子! 失礼ってレベルじゃないわよ! 幹部のみなさん、早くこの子を摘み出して!
(なんだか面倒くさそうなことになってきたなー)
ステージに立っていた彼は、眼下の客席から飛び交う怒号にもさして興味を示さずにぼんやりと窓の外を見る。能天気に晴れた空がなんとなくむかつく。完全に八つ当たりであったが、空腹の邪衣はとにかく虫の居所が悪かったのだ。
(会場は大荒れなんだから、この際天気も荒れてた方がいいだろ)
空を見つめながら、大きく深呼吸。そして指を小さく三回鳴らした。
自分に向けられた罵声にむしろ煽られるように、吉祥寺は笑い声をあげた。人を馬鹿にしきったように笑いながら、受け取ったペットボトルのふたを開ける。
先ほどまであんなに晴れていた空は、まるでホール内の不穏を映したかのように翳りだす。灰色の雲の濃度は見る間に落ちていき、すぐんに降り出した無数の雨粒が窓ガラスを叩き始めた。
「まったく『俺は幸運だ』よな……こんなお山の大将気取りのクソ教祖の言う事聞いてる馬鹿連中見れてすっげぇ滑稽で笑えるけどよォ」
正直、胸糞わりぃんだよ、三流ペテン師が。
吐き捨てるように言うと、吉祥寺はペットボトルの水を勢いよく教祖の頭にぶっかけた。
ペットボトルに押し込められていた水は、解放されたように教祖の頭上に降り注ぐ。ステージを照らすライトに反射してキラキラと飛び散る水は、ある種奇跡めいた輝きを持っていたが、水はしょせんただの水。肌をキレイにすることも不治の病を癒すこともなく、ただ無情に教祖の薄くなりかけた頭を濡らすだけ。
「ぜんぜんキレイになんねーじゃん」
吉祥寺が嘲りながら言った瞬間、ステージ脇から幹部が駆け寄ってきた。これまでトラブルを諌めていた彼らとは雰囲気がまるで違う。
「こいつらを……さっきから活動の邪魔ばっかりしたヤツを、全員捕まえろ! この会場から返すな!」
水に濡れた教祖は、寒さなのか怒りなのかぶるぶるぶると唇を震わせ怒鳴りつけた。
その怒りに呼応するかのように、目を眩ませるような稲光が瞬いたかと思うと、ギザギザとした雷が地を抉るように撃つ。
閃光に浮かび上がったその表情は、それまでの人のいい笑顔など最初からなかったかのように極悪で、ものすごくお似合いだった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
花村翠
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
推理・サスペンス
バトル
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年04月16日
参加申し込みの期限
2013年04月23日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年04月23日 11時00分
参加キャラクター一覧
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