this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
ミッドナイト・フリーキー・ショウ! ~実験島ネコジマ
<< もどる
1
2
3
4
5
…
10
つぎへ >>
【献身】
「まったく。悪趣味な戦争ですね」
群れる着ぐるみたちのみならず、彼の戦いを眺めてなお、
ナタリア・シシロヴァ
はそう断じます。まるで唾棄すべきであるかのように。
「我が祖国を称える軍歌を歌おうなど、このような闘争の中にあっては望むべくもありません」
「……でも彼のおかげで、少なくとも僕たちは、後ろを突かれずにすんでいる」
恵御納 夏朝
の……いいえ、『夏夜』のシールが狼面を圧し潰すほどに荷重し、動きを止めたところに、ナタリアの手元で消音器が鋭い呼気音を鳴らし、銃弾でもって脳天を違わず撃ち貫き……そうした一連の流れのさなかにも、
サキリ・デイジーカッター
の二刀は幾度となく翻り、閃くたび、着ぐるみは倒れ伏していきました。
「やれやれ、嫌になるね……」
左手に、転がっていた鋭い短刃。外科医の扱うメスにも見えて、それはあまりに鋭利な輝きを放ち、激昂するような咆哮を上げた虎面の喉元へするり、滑り込ませればすぐに、動きも声も止まりました。
「僕は、フツウの生活がしたかったんだ。なのにまた……気付けば、こうしてるんだ」
右手には、蛇腹剣。鋼線を引いて伸び、絡みつけば締め上げ、刃を引けば切り裂く、まさしく蛇のごとき異形の剣は、距離を問わずに狼の首を胴から切り離し、熊面が今まさに引き絞らんとするトリガーもろともに持ち手を断ち落とし、虎を携える木槌ごと袈裟斬りに割ってのけました。
「そして、僕は……こんな時が一番、充実していると感じるんだ。こうして返り血を浴びながら戦っているときが一番、ね」
サキリの持つ技とは、彼自身も自覚するところであるように、行儀の良い、いわゆる『剣術』などというものではありません。もっと泥臭く、技術と呼ぶにははばかられるような、単純な『経験則』の集合です。かつて過ごしたストリートは裏社会の縮図のような場所で、生きるために培い、泥水を啜りながらに研鑽してきたものです。
研ぎ澄まされた技は、穏やかな寝子島の気風に流され錆びゆくものかと思いきや、目覚めたろっこんは、彼を更なる極地へと運び上げました。
「……遅い。遅いなぁ」
極短距離の連続瞬間転移に一撃必死の剣を備えた、全周囲高機動戦闘。一体を斬り捨て、更なる一体を断ち割りながらに短刀を投擲、貫く頭部を確かめる間もなく別の一体の背後を取り、左胸へと突き入れ、振るわれた木槌を避けながらに床から無数に転がる短刀を補充、喉元を掻っ切り……淀むことのない動きは、取り囲む着ぐるみたちにさえも、息つく暇を与えません。
「ッ、無理するな!」
後ろを気遣っての夏夜の叫びも、彼は意に介さず。
「無理じゃないさ。これが、『僕』なんだ」
伸ばした蛇腹の刃が、ナタリアの頬をかすめながらに、彼女へ迫る虎面、乳房のようにふくらんだ胸を貫き。赤い飛沫とともに引き抜かれれば、刃は鋼線をたどり、サキリの手元へと帰ります。
「…………」
ちらり、とサキリを見据えたのみで、ナタリアは語りません。ただサキリは、少しだけ彼女へ笑いかけ、再び着ぐるみを目まぐるしく解体する作業へと戻ります。
「……ありがとう、MFS! 感謝するよ。
僕を、こんな血生臭い番組の出演者にしてくれて!」
ぎし、と鈍い音がして、肥満体型の熊を両断すべく叩きつけた蛇腹剣が肉の残骸に絡め取られると、彼はあっさりとそれを手放し……すとん。袖口から滑り落ち、地面へ突き立った大型のナイフを手に取ると、再び舞うごとくに。
刃は、閃き続けます。
元より彼に、生き残る算段などありません。
周囲には中ほどから折れ、ひび割れ欠けてぐにゃりと曲がり、役目を果たさなくなった刃物たち。いずれ全ての武器を失うことも、最後を迎えることも、それが決して楽な終わりではないことも、全て彼には承知の上です。
「ああ……どんな刃物も、いつかは錆びる。折れる。わかっているさ、もちろんね」
ずるり。折り重なる着ぐるみたちの亡骸の合間から這い出て、最後の短刀をもって奇襲を成功させたサキリは、ぽきりと折れた柄を放り捨てると、ひとりつぶやきます。
終わりが来たとしても、諦めて命をくれてやるつもりもありません。最後の瞬間、事切れるその時まで、刃は折れようとも、たとえ素手だろうと、一体でも多く敵を屠る。結局のところ、サキリはそれこそが、自分という人間の根底にある闘争本能、その行き付く先であるのだと。
……そう、思っていたのに。
「……あ……」
目の前には、夏夜。背中に熱い感触、今はまだ鈍痛であるそれが、自分の最後を告げる一刀であるのだと、サキリは瞬時に悟りました。
「あれ?」
「僕を……かばったのか? なぜ!? 君は!」
余力を振り絞り、背に残ったままの肉切り包丁を震える腕で外すと、振り向きざまに狼面の喉へと叩きつけ……その勢いのまま、彼は夏夜の腕へと倒れ込みました。もうぴくりとも、身体は動かず。巡る頭には、疑問が残ります。
意に反して動いた身体。彼自身すら予想だにせず、夏夜をかばい立てての致命傷。なぜ? 自分が?
最後の瞬間まで戦い抜いてやろうと、そう思っていたのに。
「……ああ……そうか……」
「っ、喋るな……! 待って、今血止めを……」
瞬く間に鮮明を増していく激痛。けれど、今のサキリには、何の後悔もありません。
彼は、悟りました。
ようやくにして、自分を。
「僕は……そう、これで、良いんだ。今、分かった………………君を……守らせてくれて……」
「待て、死ぬな……! 待って……」
……ありがとう……
思い描く在りし日の寝子島、あの美しい風景が、彼の脳裏を駆け巡り……やがて。
ぷしゅん、というかすれた空気音を境に、彼の生は途切れました。
「な……」
夏夜の向ける目線の険しさを、ナタリアは真正面から受け止めつつも、鉄面皮とも言うべきその表情は、少しも崩れはしません。
「なぜ、撃った……!? 彼を……!!」
「理由を論ずる時間が、我々にありますか?」
サキリの生命に最後の幕を引いたのは、止めどなく増す激烈な痛みでもなく、押し寄せるさらなる殺戮でもなく、ナタリアの消音器付拳銃でした。
淡々と。ナタリアはただ淡々とトリガーを引き絞り、ひとつ、ふたつみっつと、刃を持つ狼の手、銃弾を浴びせてくる熊の瞳、虎面の膝を的確に撃ち抜き、破壊していきます。その様は確かに彼女の祖国へと従事する歴戦の兵のようであり、目にした仲間らの胸には、冷徹だけが刻まれることとなったかもしれません。
「敗戦濃厚、しかし最期まで戦い抜かねばなりません。ひざまづいている暇があるなら、他にやるべきことがあるはずです」
「……っ」
彼女は、多くを語りません。つつがなく行われる厳しい振る舞いの、あるいは冷たく撃ち込まれる弾丸の所以も。けれど事切れた彼を横たえながらに、夏夜にも、ナタリアを否定するほどの理由を持ちえません。
ナタリアは目の前の敵をライフルで矢継ぎ早に撃ち抜きながら、背後の夏夜が重圧を加えた敵へのトドメに、拳銃を叩き込むことも怠りません。伏して冷たくなってゆく、彼の亡骸には目もくれずに。
(……犬死などと、呼ばせはしません。あなたも。誰も。ひとりとして)
この場で多くが生き残ることは、望むべくも無いのでしょう。早くの段階に、彼女は結論を下しました。
誰か、たとえそれが、たったひとりであっても。生き残ることが……生き残らせることができたなら。それこそがこの戦いにおける、勝利と呼ぶべきものであるのだと。
死にゆく友人を悲しむ暇はありません。その苦しみを多少なり和らげるためだけの、数十秒後には無に帰する行いと、訪れる別の誰かへの死を、許容することはできません。ナタリアには、決して。
全ては仲間たちの、勝利のため。
死んでいった者たちの、死にゆく者たちの最期を、犬死とさせないため。
「そのためなら……私は、悪魔にもなりましょう」
ナタリアの徹底しているのは、仮に誰かが生き残ろうとも、そこへ自分の命をも容易に含めはしないことです。彼女にとっては自分自身ですら駒のひとつに過ぎず、たとえ道半ばで力尽きようと、それが仲間を活かす道へと繋がるのならもちろんのこと、躊躇いはありません。
「……っ」
鋭く、焼けるような痛みが両の大腿部へ走り、膝をついたところで、熊面の放った機関銃の掃射を受けたのだと知りました。
「ここまで……ですか」
仲間のため、もっとできることはあると思わざるを得ません……けれど、最適な妥協点を見定めるのもまた、肝要ではあるのでしょう。何しろ、
「あいにくと、悪趣味な玩具どもに嬲られる趣味はありません」
瞬く間にぐるりと取り囲む、狼どもに自ら新鮮な肉を提供してやろうなどと、彼女は決して思いません。兵士には兵士の、高潔な幕引きが必要です。
かちり。拳銃の撃鉄を起こし、
「それでは、おやすみなさい。戦場の悪魔は、少し早めに消えましょう……」
鈍く冷たい光を帯びる、銃口をこめかみへ。
Вы живете
Мы в победе.
ぷしゅ、とかすれた空気音に意識を刈り取られ、倒れ込んだナタリアの顔は血化粧と、ほのかな微笑みに彩られているようにも見えました。
<< もどる
1
2
3
4
5
…
10
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
ミッドナイト・フリーキー・ショウ! ~実験島ネコジマ
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
ホラー
SF・ファンタジー
バトル
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年01月14日
参加申し込みの期限
2016年01月21日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年01月21日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!