怪人セブンの選択｜リアクション

怪人セブンの選択

【４Ｆ探索】

　李小麗は黒依が治療のために１Ｆへ向かったことを【７】で知る。
「アリーセ、頑張ってほしいのだ……」
　李は【７】から報じられる情報のひとつひとつに目を疑い、心を痛めていた。
「……むいみが可哀想なのだ。この間の菜々緒みたいなのだ……」
　菜々緒も黙示録がなければ、いつ人格に綻びが出てもおかしくない状況だ。
　嫉妬の黙示録を寝子島へ置いてきている段階で、黒依の目論見は大抵想定が付く。
　協調路線を願う李だが、親友の頑なな決断も相まって心は虚ろだ。
　そして時計を見遣る。
　残り時間、あと30分を切っている。
　途中まで黒依と一緒に特設シアターに設置された不審物を見つけては海に投げ捨てていた李だったが、今は１人。
　志波たちとの合流を待つ身だ。
「もうシアターには何もないのだ。若菜たちも、もうすぐ探索が終わるはずなのだ……」
　特設シアターから甲板に出て３Ｆとの連結階段へ向かおうとする李。
　だが、その背後に、月光で怪しく輝く七支刀を掲げる白衣の女が迫っていることに、李は気付いていない……。