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- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
- AAA000000
怪人セブンの選択
【乗り込んだ寝子島の人々・１】
今回の船には、事件とは関係なく単純にイベント目的で乗り込んだ人たちもいる。
飛吹 蓮太郎と飛吹 勘助の親子がそれに当たる。
「遂に始まったぜ、草薙製薬の社長令嬢主催のランウェイイベント！ 念願の生みさリンだぜ？ 楽しみだな、勘助！！」
父・蓮太郎のテンションは青天井で上昇中。
一方、息子の勘助は周囲の熱狂ぶりにややタジタジに。
「うわ……！ すごい、大音響……！ 人も、こんなにたくさん……！」
オロオロする息子の背中を、蓮太郎は一発バチンっと平手で叩いた。
「勘助！ こういうところじゃ度胸だぜ！ 堂々とステージ見て楽しめばいいんだって。ほら、会場の中へレッツゴー！」
「親父、ちょっと、待って……！？」
蓮太郎は勘助の手を取って会場内へ足を踏み入れようとした。
だが、黒服のＳＰに行く手を阻まれてしまう。
「失礼。ここから先へはＩＤの提示が必須です」
「ん、ああ、身分証明証のことか？ だったら、俺自身がＩＤだぜ？」
蓮太郎は自信たっぷりに自分の面構えを黒服に見せ付ける。
これに黒服は困惑しながら尋ねた。
「……申し訳ありませんが、貴方様は顔パスできるほどの高名なV.I.Pでしょうか？ 私には、貴方様が誰だか分からないのですが……」
「なんだ？ 俺を知らないのか？ さてはモグリだな、黒服君？」
するとコスプレ姿の蓮太郎は髪をかきあげながら恍惚の表情で名乗った。
「俺の名前は飛吹 蓮太郎ッ！ 人は俺を『世界一のイケメン』と呼ぶんだぜッ？」
「知らんわッ！ 出てけ不審者！」
「ご、ごめんなさいっ、黒服さん……！」
蓮太郎を追い出そうとする黒服を王子姿の勘助が止めに入った。
「俺の親父、ちょっと……いや結構ナルシストで、むちゃくちゃで……。本当に、ごめんなさい……！」
「オイオイ勘助？ 俺が世界一のイケメンだっていうのは常識なんだぜ？」
「親父はちょっと黙ってて……。あ、これ……、招待状です……」
勘助が差し出したのは、蓮太郎の実家の父――つまり勘助の祖父に宛てられた招待状であった。
蓮太郎の父は美術家で、それなりに知名度もある。
この手の大規模なイベントから招待されるくらいには活躍していると言って間違いない。
「ほう、あの美術家の御子息であらせられましたか、失礼いたしました」
手のひらを返すように態度を改めた黒服が後ろへ下がっていく。
「そうだよ、俺は制作で忙しい父さんの名代ってわけ。そして息子の勘助は社会勉強も兼ねての俺の同伴者だぜ」
「親父……、最初から、こうすればよかったんじゃ……？」
困惑する勘助に父は平然とこう返した。
「勘助、俺は世界一のイケメンだから招待されてとーぜんっ！」
「親父は、代理……」
平常運行の父に勘助は思わず苦笑いを浮かべた。
その勘助の後ろから、小柄な赤髪少女が飛び出してきた。
そのコスプレは名状しがたき冒涜的な神の姿を模していた。
当然、黒服が彼女を足止めしようとする。
「おい、そこのガキ！ そんな狂気じみた格好でなに勝手に入ろうとしてるんだ！？」
「ねえ、おにいさん？ これが目に入らないかな？」
赤髪少女が提示したものを見て、黒服は突然慌てふためいた。
「泉月花さんから直々にもらったこのパス、目に入らないのかな？」
「ゲッ！ ゴールドパス……！？ ってことは、このガキが？ 『名も無き英雄＜ネームレスヒーローズ＞』だっていうのかよ？ マジかよ……？」
「ガキじゃないってば！ あたしはみさリンのプロ壺職人、朝野 未沙よ！ さぁ、通して！ 早くしないとみさリンが漂わせるいい香りであたしの肺を満たせなくなるじゃない！」
「ちょっと失礼？ お嬢さん、君もみさリンのファンなのかな？」
蓮太郎が朝野に声を掛ける。
朝野も振り返って蓮太郎の顔と向き合う。
その瞬間、２人の間に奇妙な共感覚が芽生えた。
「おじさんも壺職人なの！？」
「おじさんじゃないぜ、お嬢さん。俺はイケメンだ！ 俺はまだ壺職人には及ばないが、みさリンのファンであることを誰よりも誇りに思っているぜ！」
「あたしも誇りに思ってる！ 親衛隊の壺職人じゃなくても、みさリンを愛する者同士、ここで出会えたのは何かのデスティニー！」
「みさリンファン同士は惹かれあうッ！ 俺は『引力』を信じるぜッ！」
「おじさん、あたしも信じるよ！」
「おじさんじゃない、イケメンだ！」
両者は互いに硬い握手を交わすと、たちまち意気投合してしまった。
そして蓮太郎からの唐突なハグに朝野は目を白黒させていた。
「あの……、壺職人？ その、ゴールドパスって……？」
ただひとり、勘助だけが話題についてこれずにオロオロと狼狽していた。
今回の船には、事件とは関係なく単純にイベント目的で乗り込んだ人たちもいる。
飛吹 蓮太郎と飛吹 勘助の親子がそれに当たる。
「遂に始まったぜ、草薙製薬の社長令嬢主催のランウェイイベント！ 念願の生みさリンだぜ？ 楽しみだな、勘助！！」
父・蓮太郎のテンションは青天井で上昇中。
一方、息子の勘助は周囲の熱狂ぶりにややタジタジに。
「うわ……！ すごい、大音響……！ 人も、こんなにたくさん……！」
オロオロする息子の背中を、蓮太郎は一発バチンっと平手で叩いた。
「勘助！ こういうところじゃ度胸だぜ！ 堂々とステージ見て楽しめばいいんだって。ほら、会場の中へレッツゴー！」
「親父、ちょっと、待って……！？」
蓮太郎は勘助の手を取って会場内へ足を踏み入れようとした。
だが、黒服のＳＰに行く手を阻まれてしまう。
「失礼。ここから先へはＩＤの提示が必須です」
「ん、ああ、身分証明証のことか？ だったら、俺自身がＩＤだぜ？」
蓮太郎は自信たっぷりに自分の面構えを黒服に見せ付ける。
これに黒服は困惑しながら尋ねた。
「……申し訳ありませんが、貴方様は顔パスできるほどの高名なV.I.Pでしょうか？ 私には、貴方様が誰だか分からないのですが……」
「なんだ？ 俺を知らないのか？ さてはモグリだな、黒服君？」
するとコスプレ姿の蓮太郎は髪をかきあげながら恍惚の表情で名乗った。
「知らんわッ！ 出てけ不審者！」
「ご、ごめんなさいっ、黒服さん……！」
蓮太郎を追い出そうとする黒服を王子姿の勘助が止めに入った。
「俺の親父、ちょっと……いや結構ナルシストで、むちゃくちゃで……。本当に、ごめんなさい……！」
「オイオイ勘助？ 俺が世界一のイケメンだっていうのは常識なんだぜ？」
「親父はちょっと黙ってて……。あ、これ……、招待状です……」
勘助が差し出したのは、蓮太郎の実家の父――つまり勘助の祖父に宛てられた招待状であった。
蓮太郎の父は美術家で、それなりに知名度もある。
この手の大規模なイベントから招待されるくらいには活躍していると言って間違いない。
「ほう、あの美術家の御子息であらせられましたか、失礼いたしました」
手のひらを返すように態度を改めた黒服が後ろへ下がっていく。
「そうだよ、俺は制作で忙しい父さんの名代ってわけ。そして息子の勘助は社会勉強も兼ねての俺の同伴者だぜ」
「親父……、最初から、こうすればよかったんじゃ……？」
困惑する勘助に父は平然とこう返した。
「勘助、俺は世界一のイケメンだから招待されてとーぜんっ！」
「親父は、代理……」
平常運行の父に勘助は思わず苦笑いを浮かべた。
その勘助の後ろから、小柄な赤髪少女が飛び出してきた。
そのコスプレは名状しがたき冒涜的な神の姿を模していた。
当然、黒服が彼女を足止めしようとする。
「おい、そこのガキ！ そんな狂気じみた格好でなに勝手に入ろうとしてるんだ！？」
「ねえ、おにいさん？ これが目に入らないかな？」
赤髪少女が提示したものを見て、黒服は突然慌てふためいた。
「泉月花さんから直々にもらったこのパス、目に入らないのかな？」
「ゲッ！ ゴールドパス……！？ ってことは、このガキが？ 『名も無き英雄＜ネームレスヒーローズ＞』だっていうのかよ？ マジかよ……？」
「ガキじゃないってば！ あたしはみさリンのプロ壺職人、朝野 未沙よ！ さぁ、通して！ 早くしないとみさリンが漂わせるいい香りであたしの肺を満たせなくなるじゃない！」
「ちょっと失礼？ お嬢さん、君もみさリンのファンなのかな？」
蓮太郎が朝野に声を掛ける。
朝野も振り返って蓮太郎の顔と向き合う。
その瞬間、２人の間に奇妙な共感覚が芽生えた。
「おじさんも壺職人なの！？」
「おじさんじゃないぜ、お嬢さん。俺はイケメンだ！ 俺はまだ壺職人には及ばないが、みさリンのファンであることを誰よりも誇りに思っているぜ！」
「あたしも誇りに思ってる！ 親衛隊の壺職人じゃなくても、みさリンを愛する者同士、ここで出会えたのは何かのデスティニー！」
「みさリンファン同士は惹かれあうッ！ 俺は『引力』を信じるぜッ！」
「おじさん、あたしも信じるよ！」
「おじさんじゃない、イケメンだ！」
両者は互いに硬い握手を交わすと、たちまち意気投合してしまった。
そして蓮太郎からの唐突なハグに朝野は目を白黒させていた。
「あの……、壺職人？ その、ゴールドパスって……？」
ただひとり、勘助だけが話題についてこれずにオロオロと狼狽していた。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2016年05月05日
- 参加申し込みの期限
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- 2016年05月12日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2016年05月12日 11時00分
