怪人セブンの選択｜リアクション

怪人セブンの選択

　一方、如月・屋敷野コンビは桜庭・小山内・ブリジットのトリオと合流。
　倉庫の前までやってきたのだが……。
「何だ……、これは？」
　如月は倉庫の扉に刻まれた×印を睨んでいた。
　まるでバーナーで焼印をしたようなそれ。
　こんな芸当を出来る人間、いや、もれいびは限られている。
「……あのバスを燃やした人ですねー」
　一瞬、屋敷野の表情が消え失せる。
（そもそも灯のろっこんは、本人が積極的に公表していないので候補に上がらない）
　桜庭も頷いて賛同の意を伝える。
「間違いないね。【７】で情報が流れていた。なにより海ちゃんが目撃している」
　小山内は口を固く閉ざしたまま数回小さく首を縦に振る。
「海、大丈夫よ。私たちがいるわ」
　萎縮している小山内をブリジットが勇気づける。
「なにかの目印ってことだな、きな臭くなってきたぜ……」
　如月は眉間にシワを寄せながら周囲を見回す。
「……妙じゃねぇか？　警備が手薄すぎる気がする……。どうにも引っかかるが」
「もしかして、あそこじゃないですかー？」
　屋敷野が指差す場所は守衛の詰所のようだ。
　彼女の虫の知らせが、何かがあると囁きかける。
「ボクが行くよ」
　桜庭が進んで確認に向かった。
　彼女のろっこん『ブレイブハート』は、進んで危険な行動を取るたびに幸運の度合いが上昇していく。
　トラブルがあっても、ろっこんを便りに切り抜けられるという桜庭の算段だ。
　心配そうに後ろで見守る小山内とブリジット。
　やがて桜庭は守衛室の中で倒れている守衛の姿を発見した。
　桜庭が振り返る
　そして桜庭は首を横に振る。
　意識がない。ただ、息はある。
　殴られて気絶しているようだ。
「間違いなく、何かありますね……」
　流石にこの状況で、目の前の倉庫に何もないとは言えないだろう。
　危険を覚悟で５人は、【７】で流れていた開錠パスワードを倉庫の電子錠パネルに入力しようとしたそのとき。
　――既に鍵が焼き切られて意味を成さなくなっていることに気が付いた。