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月居は自分の上着を菜々緒に掛けてやると、念のため、あたりに人がいないか確認した。
幸いにも人影はないようだ。イベントが盛り上がっているからであろう。
これから月居がする話は、菜々緒の根幹に関わるデリケートな話だ。
ふたりきりで話せるのなら、それに越したことはない。
とはいえ、ここもまもなく探索対象となる。
手短に簡潔に菜々緒に伝えるべきであろう。
「菜々緒、寒くないか?」
月居の上着を羽織った菜々緒は小さく首を横に振った。
「大丈夫。歩君こそ、寒かったら無理しないで?」
「俺は寒くない……。それより、菜々緒……」
船首に近いところまでふたりは行き着く。
月居は菜々緒に向き合うと、物悲しそうな目で問い尋ねた。
「……まだ、黙示録を壊そうと思ってるのか?」
「それは……、そうね、壊さないといけない。そう思っているわ」
菜々緒の気持ちは変わっていない。
「そうか……」
月居はただ、そうとだけ口にすると、遠くで明かりを放つ工業地帯に視線を投げた。
「なぁ、菜々緒。俺は黙示録の事は詳しく知らねぇ。だからエネルギーがどれほどあるか分からねぇが……、それも有限だろ? もし、そのエネルギーが尽きたら、また次の黙示録を壊すのか?」
「そうよ」
菜々緒は簡潔に述べた。
しかし、その言葉に迷いが感じられた。
月居は敢えて気付かないふりをしながら、再び視線を菜々緒の青い瞳へ戻した。
「黙示録を壊してどうなるのか知らないが……、菜々緒はフツウは守れないって言ったよな。それは、寝子島が、いや世界がどうにかなっちまうってことなのか?」
「……ええ、そういうことよ」
菜々緒もまた月居の瞳をじっと見据えている。
切羽詰まったような雰囲気を漂わせる菜々緒に、月居は思わず目線を逸らした。
「今のお前は、痛みを堪えているようで見てられねぇよ」
「私、痛みなんて堪えていないわ」
「堪えてるじゃねぇか。世界の破壊の原因を自分だけ背負い込もうとしてんなよ。それに俺や吉祥寺は、お前を受け入れると言っただろ……」
月居は菜々緒の方へ一歩近付く。
「俺は、お前に消えてほしくなんかない……。それは、吉祥寺や他にもそう思う奴はいる筈だ。いい加減、俺たちを信じてくれ」
「信じてるわ。ただ私は……、私の世界を守りたいだけよ。手の届く範囲の幸せが守られるなら、その他はもう、諦めても構わないわ……」
「菜々緒、いつ、どうなるか分からない世界で怯えながら、偽りの幸せの中で過ごすのは本当に幸せなのか?」
月居の言葉が菜々緒の心に突き刺さる。
むせるように菜々緒は咳き込む。
その隙に月居は更に一歩、菜々緒に歩み寄る。
菜々緒は男性と至近距離で接するのがいまだに苦手だ。
それは親しい月居でも例外ではない。
殺し屋、殺人鬼として生きてきた彼女にとって、パーソナルゾーンはキリングゾーンと同等で、父親の白山から受けた惨い仕打ちを蒸し返す禁域である。
そこへ、月居は言葉の矢を放ちながら着実に菜々緒の心という本丸に迫っている。
自身の名前のごとく、歩むことで。
「もし黙示録を破壊するって言うなら……」
月居はさらに歩を進め、菜々緒の右手を掴んだ。
そして自分の胸――心臓の位置に触れさせた。
「……その前に俺を殺せ」
「歩君、なに、言ってるの……?」
菜々緒の瞳孔がかすかに揺らぐ。
だが月居は真剣な眼差しで菜々緒を見詰めていた。
「もれいびから神魂エネルギーが得られるか知らねぇが、もし得られるなら多少の足しにはなるだろ」
「無理よ、歩君は殺せない……。優しくしてくれたあなたを殺すなんてこと、できやしないわ」
「半年前の菜々緒だったら躊躇わなかっただろうな……」
月居は自分の胸に刻まれた『7』の形の傷を服の上からなぞる。
菜々緒は俯いたま告げた。
「あの時の私とは違う。オリジナルの私じゃないもの。私は、継ぎ接ぎだらけの『女王』。いつ綻んでもおかしくないわ」
「だからこそだ。俺は、最後まで諦めたくない……」
菜々緒の手を握る月居の力が強くなる。
「お前の存在も、そしてこの世界のフツウも」
月居の心臓の鼓動が、菜々緒の手を介して伝わっていく。
「フツウの世界で、高校生らしく普通に過ごす。そんな当たり前の生活を皆と過ごせたら……。俺はそう願う」
いつの間にか、月居は菜々緒のすぐ目の前に迫っていた。
至近距離に詰め寄られた菜々緒は、後退しようと腰を引く。
しかし、それを月居は許さなかった。
菜々緒の両肩を掴み、必死になって思いの丈をぶつけたのだ。
「俺も、多分他の奴も、最後まで足掻く……! 足掻いて、もがいて、それでも俺は……! お前が、フツウの世界で普通に過ごせる手段を必ず見つけてみせる!」
普段、口数の少ない月居がここまで熱く自分の想いを他人へぶつけることは希であった。
さらにその相手が菜々緒であることに、彼自身が一番驚いていた。
月居は一度呼吸を整えると、腹の底から吐き出すように大きな声で叫んだ。
「俺は! 菜々緒のことが、大切なんだ……!」
まるで愛の告白のような言葉に、菜々緒の心拍数は2倍以上に跳ね上がる。
確かに、月居は菜々緒に恋愛感情を寄せている。
菜々緒も、それらを薄々ではあるが気付いていた。
彼女は他人の瞳から心の中を読み取ることができる。
だから月居が好意を寄せていることも、なんとなく分かっていた。
でも、今の月居の言葉に恋愛感情は見えなかった。
彼の言葉は色恋にほだされた世迷言ではなく、菜々緒を救いたいと願う真摯な言葉であった。
「俺だけじゃない。吉祥寺や、御剣だって、桜庭だって、お前を救おうと必死になってる。他の奴らだっておんなじ気持ちのはずだ」
菜々緒は今にも泣き出しそうなほど青い瞳に涙を溜めていた。
頷いてしまえば、白い肌を一筋の軌跡を描いてこぼれてしまいそうだ。
「だから……信じてくれ、菜々緒。お前の存在を受け入れる人達を、信じてくれ」
「……うん。ありがとう、歩君。本当に、ありがとう。こんな私に……優しくしてくれて……」
遂に菜々緒は月居の胸の中へ飛び込んだ。
そして堰を切ったかのように、幼子のごとくわんわんと泣き出してしまった。
月居は何も言わずに、そっと菜々緒を抱き寄せた。
冬の海風の冷たさは、このふたりには通用しない。
ふたりの絆の熱の前では、そんなものは通用しないのだから。
……なお、この3分後に甲板捜索班が乱入してきて、女性陣から月居はしばらく問い詰められるというハプニングが起きるのだが、それは今回は割愛しようと思う。
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推理・サスペンス
バトル
オールジャンル
定員
40人
参加キャラクター数
40人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年05月05日
参加申し込みの期限
2016年05月12日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年05月12日 11時00分
参加キャラクター一覧
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