悠久の時の彼方へ～切り裂きジャックの嗤う夜｜リアクション

悠久の時の彼方へ～切り裂きジャックの嗤う夜

　団結した仲間の攻撃で、切り裂きジャックの体力が少しずつ削られていくのを見て取った御剣刀は、ついに賭けに出た。

「切り裂きジャック！テメエの相手は俺だ！」
　ジャックの注意が、刃引き刀を構えている刀に向けられる。今まで戦っていた仲間は、あえて攻撃の手を緩め、刀の前をがら空きにした。刀の秘策を実行させるためだ。
　理性を失い、もはや野獣同然となった切り裂きジャックは、雄叫びをあげて刀に向かっていく。刀は、それに合わせて頭の中で撃鉄を落とした。
　精神が〈加速〉することで、外界の動きは相対的にゆっくりになる。肉体能力強化により、体が軽くなっているのを感じながら、肉体を加速させた刀は、時間の緩やかになった世界を駆け抜けた。

　正面のジャックの動きが止まって見える。刃を上に向けた刃引き刀を右手で持って、弓を引くように引き絞る。突き込む方向を定めるために、左腕を前に伸ばして手を峰に添える。

　加速したまま相手との間合いを詰め、大地をつかむように足を踏みしめた。そして、全身を絞るようにひねって力を溜めると、それを爆発させるように刀身を相手の喉に突き込んだ―――