悠久の時の彼方へ～切り裂きジャックの嗤う夜｜リアクション

悠久の時の彼方へ～切り裂きジャックの嗤う夜

「俺たちは実際に切り裂きジャックを見ているが、奴は並大抵の攻撃では無力化できない。狙うとすれば、奴が突っ込んでくるときの勢いさえも利用したカウンターだろう。失敗すれば、奴の餌食だが……やってやる」
　御剣刀は、自分の見たことをもとに、改めて考えを述べた。
「確かに普通に戦うと、切り裂きジャックとやらは危ない相手ね。アタシのろっこんを使えば、肉弾戦をする人を強化できるわ」
　尾鎌蛇那伊がここで申し出た。
「なるほど……ありがたい、力を貸してくれ。で、発動の条件は？」
　刀の質問に、蛇那伊は自分の服に手をかけて答えた。
「発動条件は、『アタシが海パン一丁で発汗中、そして対象の着衣は最小限』よ！」
「お、おう……」

「今は、人よりも猫の活動時間ね」
　神野美野梨は、路上の黒猫に向かって、ニャーと鳴いた。ろっこんにより、美野梨は黒猫と意思疎通できるようになる。ミス研の面々は、先程からもっぱら情報収集に動いていた。

「刃物で女の人を襲っている人を見なかった？」
「俺は知らねぇな。でも、ダチの猫が見たことあるってさ」
「そうなの？その猫を紹介してくれないかしら」
「いいよ。ところで、あんた変わった服だな。外国人か？」
「そう、日本からの留学生よ。これが日本の流行りなの」
　美野梨たちは、目立つほうがいいことがあるかもしれないと、あえてそのままの格好で動いている。情報提供のお礼に、猫には新井すばるの持ってきたちくわをあげた。
「神野さんの猫作戦はいいね。ちくわで猫をもっと集めてみよう」
「それにしてもホワイトチャペルって、思った以上にスラム街なのね……猫も飼い猫より野性的だわ」