Xmasの奇跡☆　物語の素敵な１日 in 寝子島！｜リアクション

Xmasの奇跡☆　物語の素敵な１日 in 寝子島！

●お友達を捜す

「ええと、カトレアちゃん？」
「え？　私……誰だっけ？」
　あれ？　と後木真央は頭を掻いた。目の前には金髪の可愛い女の子。真央は彼女をよく知っていたつもりだったのだ。彼女はいつも楽しい仲間に囲まれて、とても羨ましいなと思っていたのだ。……但し、本の中で。
「取りあえずカトレアちゃんでいいかな？　いつも一緒のお友達はどうしたのだ？」
「そうだ、私お友達捜してたの。ここはどこ？」
「寝子島なのだ。お友達は一緒じゃないのだ？」
　その言葉に、カトレアはきゅっと口を引き結び、コクンと頷いた。
「ええ！　それは大変なのだ！」
　真央は驚く。本人は記憶喪失、お友達はいない。こんな心細い事はないだろう。
　はぐれてしまっているのなら、何としても捜してあげないと。真央はカトレアと一緒に、お友達を捜す事に決めた。

　真央達は、一生懸命捜したのだ。
　賑やかな彼らの事だからとシーサイドタウンに行ってみたり、ペットショップを覗いたり、動物園に行ってみたり、はたまた映画村に足を延ばしたり。けれどもそれらしい話を聞く事は出来なかった。
「困ったのだ～」
　思わず弱音が出てしまう。カトレアの記憶は戻らない、彼女の友達の影すら掴めない。横を見れば、本の中ではいつも元気なカトレアが心なしか疲れているように見える。
（そうだ、少し休憩しよう）
　真央は持って来たバッグの中身を確認した。出がけに持って来たこの荷物。ほんとは動物達を見つけたらみんなで行きたかったんだけど、きっとカトレアちゃんは今休んだ方がいい。
「カトレアちゃん、ちょっと休むのだ」
「いいけど、どこで？」
「凄くいい所があるのだ」
　真央はニカッと笑うとカトレアとロープウェイ乗り場に向かった。