Xmasの奇跡☆　物語の素敵な１日 in 寝子島！｜リアクション

Xmasの奇跡☆　物語の素敵な１日 in 寝子島！

●そして１日が終わる

「いやー、まいったまいった。あの変な奴がやられたら『縮身』が元に戻って逃げられたけど、お前さんもまた小さくなっちまったなぁ」
　騒動に紛れて何とか逃げ出した七峯亨は、手のひらの一寸法師に話しかける。
「え？　もうほとぼりも冷めたから帰るって？　そうかい。いや、俺も楽しかったよ。姫さんによろしくな」
　一寸法師はぴょんと地面に降りると、そのまま振り返りもせずにスタスタと去っていった。その後姿を亨は羨ましそうに見つめていた。
「―――そうだよな。何のかんの言ったって、好いた奴が１番なんだよ。ったく、妬けるねぇ」

「カトレアちゃん、結局お友達見つけられなくて悪かったのだ……」
「ううん、いいよ。温泉楽しかったし。あの水着、とっても面白いね」
「そうなのだ！　カトレアちゃんも気に入ってくれて、嬉しいのだ！」
　喜ぶ後木真央の手を、カトレアはぎゅっと握った。
「お家に帰ったら私達を探してね。お友達になってくれてありがとう」
　ああこれでさよならなんだと真央は気付いた。だからとびきりの笑顔で頷いた。
「真央ちゃんもお友達になれて嬉しかったのだ！　また、なのだ！」
　彼らはいつでも待っていてくれるから。お気に入りの本の中で。

「何だか凄い１日だったねぇ、はやぶさ」
　天馬ひびきはベッドの上で、密度の濃かった今日１日を思い返していた。

　結局、青い鳥は見つからなかった。
　あの温泉騒動の後、骨削瓢と別れたひびきはチルチルに訊かれた。
「お姉さん、どうして最初の彼が彼じゃないってわかったの？」
「どうしてって、だって、あんなの瓢さんじゃないもん」
　ひびきは即答する。そうなのだ。あんなの瓢ではなかった。瓢といるだけで、ひびきは嬉しくて楽しいのだ。そんなの理屈じゃない。すぐ判る。
　そんな様子をじっと見ていたチルチルがにこりと笑った。
「お姉さん、僕もう帰るね」
「え？　青い鳥見つかったの？」
「ううん。でも、僕わかった気がするんだ」
　お姉さんの幸せそうな姿を見て、わかった気がするんだ。
　大切そうに呟くと、チルチルの姿はすっと消えていった。

　何がわかったんだろう。
　ひびきは考えてみるが、よく判らない。けれど心配そうに見つめるはやぶさに気付き、ぎゅっと抱きしめてやった。
「大丈夫。あんなに一生懸命なんだもん。きっと見つかるよ」
　そしてパチリと電気を消す。

　今日も１日、とても楽しかった―――。

－ＥＮＤ－

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あとがき

担当マスター：ＫＡＮ
ファンレターはマスターページから！

ＫＡＮです。

シナリオにご参加の皆様、本当にありがとうございました！
「ああ、もっと書きたかった！」というのが正直な感想です。
童話や昔話の登場人物と、皆様のＰＣのお話が楽しくて楽しくて。
ぎゅうぎゅうにリアクションに詰め込んでもまだ足りない～！
ＰＣ達の活躍をもっと楽しんでいたかったです。

至らぬ所ばかりですが、これからも是非是非お付き合い下さい。
またシナリオでお会いできること、楽しみにしています！

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