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ミッドナイト・フリーキー・ショウ! ~モノクローム・ラブ
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【僕はここにいる】
猫は、この島におけるフツウの象徴とも言えるかもしれません。少なくとも、道端を行く一匹のオスのブチ猫にとっては、豊富な自然がもたらす食べ物をお腹いっぱいに食べ、気ままにあちこち放浪し、行きずりのメス猫と一夜のラブロマンスなど演じていられれば、それで満足。他に何も欲しいとは思いませんでした。
だと言うのに、公園へとやってきた目の前のこの人間は何だか沈み込んだ顔をして、悩みに首を捻っているようです。
ブチ猫は、仕方がないニャ。おいらが話、聞いてやるかニャ! と、人間を見上げてひとつ、にゃあごと話しかけました。
人懐こいブチ猫の背中を屈んで撫でながらも、
恵御納 夏朝
は確かに、悩みに暮れていました。このところは本当に色々なことが重なって、ある局面では失敗してしまったことへの心のしこりもあり、ぐるぐると胸中を渦巻く迷いもあり……ともすれば表情は固くなり、沈んでしまうのです。
夏朝は、猫が好きです。ふにゃあと気持ち良さそうに目を細めたブチ猫も、この島に息づく全ての猫たちも。彼らが日なが一日、何にも煩わされることなくのんびりと時を過ごせる日々を、そんな彼らをこうして撫でさすることができる時間を、夏朝は愛おしいと思います。
同時に、自分の大切な人たち……学校の友だちや先生に、家族に、それに自分の中にいるあの子も。みんなが心穏やかに過ごせるということが、どれほどに貴重で代えがたいものであるのかを、夏朝は知っています。
そんなありふれたフツウを、夏朝は守りたいのです。そのために、どうしたらいいのだろう? そもそも、自分にその資格があるのだろうか? その他にも悩みは細々として尽きず、何だか身動きが取りにくいような気がして。絡め取られているように思えて。表情はやっぱり、意識せずとも暗く沈んで……。
にゃあ! と、ひと声。ブチ猫がそんな夏朝を見上げて、元気に鳴き声を上げました。そしらぬ顔で、お気楽に、何をつまんないことで悩んでるンだニャ? そんな風に言うかのように。
それだけで、たったのひと声で、夏朝の顔には笑みが浮かびます。
難しく考えることは、あるいは必要ないのかも。そんな風にも思えてきます。こうして猫と触れ合っているだけで、すうっと心が晴れていくような気がしてきます。我ながら単純だとは思いつつも、答えは案外、こういうところに転がっているものなのかもしれません。
彼らのお気楽でフツウで愛おしい日々が、壊れてしまわないように。自分が今、できることをすればいい。
そう思って、もうひとつブチ猫を撫で、立ち上がろうとした……その時に。すってん、どしん! 夏朝は足を滑らせて、近くにあった木にごつんと頭をぶつけて、転んでしまいました。
こぶの出来た頭をさすりながら、『夏夜』は身を起こします。夏朝のドジにはいつもながらに苦笑いが浮かんでしまいつつ、ふと、見上げたブチ猫と目が合いました。おっちょこちょいな人間だニャァ、大丈夫かニャ? そんな風に思っているのかもしれません。
再び懐っこく寄ってきたブチ猫を、夏夜はひょいと抱き上げ、手近なベンチへと腰かけます。夏朝とは違う、自分の冷たい目つきには自覚がありながらも、ブチ猫がそれに怯えて逃げ出すかと思えばそんなこともないようで、簡単に膝の上で転がって、後ろ足の毛づくろいなど始めました。
ブチ猫を撫でさすり、その体温に安堵を覚えながら、夏夜は周囲の風景を眺めます。
枯れゆく樹々の枝は寂しげながらも、風情がありました。木枯しは冷たくて、けれどしんと澄み渡って清廉で、心地の良いものです。ベンチの前を行き交う人々は、冬の訪れに身を縮みこませながら、それでもどこかわくわくとした顔を浮かべています。クリスマスが近いことを夏夜は思い出し、彼女の胸にもまた、あたたかな感情がじんわりと染み出してくるのを感じました。
夏夜はそんな自分に、戸惑いを隠せません。
かつて『冷徹な僕』と夏朝が呼んだ存在は、それでも夏朝のためにこそありました。彼女のために、自分はこの先もこのままこうしているべきなのか。それとも、消えゆくべきなのか。未だ、判断を下すには至りません。このところは何かしらの危険に巻き込まれることも多くあり、大切な夏朝を守るためと半ば自身に言い聞かせるようにしながらも、それらに全て決着がついたなら、自分が存在する理由などもはや、何もないのではないか?
冬の寝子島、ブチ猫のぬくもり、それらを思う自分の感情、多分にあたたかく心地良い何もかもを、冷徹な自分には不相応なものであると。そんな思いはちりちりと、いつだって夏夜は心の奥底にくすぶっているのです。
それでも……この世界の、フツウを。夏夜は。
ブチ猫は、切なげに遠くを見つめる人間を眺めます。人間とはどうしてこうも、思い悩んだり沈んだりできるのだろう。世界にはこんなにも美味しい物や楽しい物があふれていて、可愛いメス猫だってたくさんいるというのに。寝子島生まれの寝子島育ち、お気楽なブチ猫は、不思議そうに首を傾げます。
やがて、人間はこちらをじっと見つめて、口を開きました。
……僕が。僕だって。今の、この世界のフツウを……。
人間とは、どうしてこう、決まりきったことを聞くのだろう?
愛しく思っても……良いよ、ね?
言葉が通じたなら、ブチ猫はきっと笑い飛ばしたことでしょう。
あったりまえニャ!
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
恋愛
SF・ファンタジー
オールジャンル
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年11月28日
参加申し込みの期限
2015年12月05日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年12月05日 11時00分
参加キャラクター一覧
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